↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
186/254

第186話 第一歩

 デリクさんが荷物を下ろしている間、俺とエリザちゃんは客間に通された。

 

「お待たせして申し訳ありません」

 そう言いながらデリクさんが、部屋に入って来た。

「あ、いえ、大丈夫ですから」

 俺がそう答えるとデリクさんは、俺達が座っているソファの向かいに腰掛ける。

「では早速ですが、これをお納めください」

 そう言うとデリクさんは15cmくらいに膨らんだ、金貨が入ったと思われる布袋をテーブルの上に置いた。

 ガシャ!!


「300万円あります。今、我が商店でご用意できるのはこれだけです。助けて頂いたのに、申し訳ありません」

 デリクさんがすまなそうに頭を下げる。

「十分ですから。ありがとうございます」

 特に報酬が目的で助けたわけではない。

 降りかかる火の粉を、指ではじいた程度だ。

 丁度、この国の貨幣が手に入ったので助かるよ。



「それでエリアス様達は、これからどうされるので?」

「そうですね、まずはマジスカ公爵様に会えればと思いまして」

「マジスカ公爵様にですか?」

「えぇ、そうです」

「ですがマジスカ公爵様と、面識やお約束はあるのでしょうか?」

「いえ、ありません」

「それでは、難しいのではないのでしょうか?」

 ごもっともです。

 確かに貴族に会うには事前にアポを取り、日を改めるのが普通だけど。

 でもなぜ今、本人が居て返答が出来るのに日を改める必要がある?


「エリアス様は商人を、されておいでですよね。ご紹介がない方とはお会いしないと思いますが。失礼ですが、どんなご用件なのでしょうか?」

「実は貿易をしたいと思いまして」

「貿易ですか?交易ではなく」

 デリクさんが聞き返してくる。

 貿易とは国同士で売り買いの、取引することを言うからだ。

「はい、そうです。鉄、鋼、銀、銅、鉛などの鉱物です」

「鉱物ですと?!そ、それは凄い事です、本当でしょうか!!」

 この世界で鉱山を持っている国は少ない。

 そのため、それ以外の国は他国から輸入する他はない。

 しかしルートが更に安く開けるなら、それは画期的なことになる。

「本当です。マジスカ領と貿易できればと思いまして」

「ではエリアス様は、ジリヤ国の方なのでしょうか?」

 あぁ、そうか。

 今、鉱物取引が出来るとしたら、俺のセトラー国かジリヤ国くらいだろう。


「えぇ、ジリヤ国の方(ほう)から来ました」

 決してジリヤ国から来たとは言っていない。

 よく訪販販売が使う『〇〇の方(ほう)(方向)から来ました』

 というやつだ。

 そこから来たとは言っていない。

 今は俺がセトラー国の人間だと言う事は伏せて置きたい。


「ですが身分を証明できる物がございませんと」

 身分証明??

 そう言えば以前、ファイネン公爵から紋章が入ったメダルを手渡されたな。

 俺はストレージから、メダルを出した。

「これならどうでしょうか?」

「これは?」

「ジリヤ国東にあるファイネン公爵家のメダルです」

「?!あのジリヤ国で8領中、2代筆頭と言われるファイネン公爵家ですか!」

「えぇ、そうです。ちなみにエリザちゃんは、そのファイネン公爵様の娘です」

「おぉ、こ、これは失礼いたしました!!」

 俺も貴族と思ったのか、デリクさんが膝まづこうとする。


「かしこまらないでください。今まで通りで結構ですから」

「そ、そうですか。ありがとうございます」

 デリクさんは礼を言い、またソファに座りなおした。


「ではエリアス様。いかがでしょうか?メダルを預けて頂ければ手紙を添えて、我が家から使いの者を出しましょう」

 それはお願いしたいところだ。

 まさか他国とは言え、公爵のメダルを悪用するとも思えない。

「それは願ってもないことです。是非、お願いします」


 俺は手紙に自分の名前とセトラー国を建国したこと。

 鉄、鋼、銀など鉱物の貿易と、海産物取引の事を手紙に書きデリクさんに渡した。

 取引をするならエリアス商会を置き、そこから卸さないと。

 もうアルバンさんのところも、人も育っているだろうから。

 それから運送用の鉄道を引くことや駅設立を書いた。

 蒸気機関車の技術を教えるかはその後の話し次第だ。


 使いの者には俺のことはまだ確約していない話なので、ジリヤ国の要人だと思われていることも書いた。


「お預かり致します。さっそく使いの者に届けさせますから」

 そう言うとデリクさんは、手紙をすぐに届ける手配をしてくれた。




「公爵様よりお返事を頂くのに、お時間がかかると思われます。それまでどこかに泊まられるといいでしょう」

「そうですね、おすすめの宿屋はありますか?」

「えぇ、この近くに『桃源《とうげん》の湯』と言う温泉宿がありまして」

「温泉ですか?!いいですね」

「そこのお湯につかると子宝に恵まれるという…「泊まります!!さあ、参りましょう、エリアス様。畑に種を蒔きましょう」

 見るとエリザちゃんが俺の手を取り立ち上がろうとする。


 まだそれは早いと思います!!


読んで頂いてありがとうございます。


本編の元になった『ご都合主義で生きてます』シリーズ2作と、『聖女戦記物語。結局、誰が聖女役?-魔法より武力と丈夫な体に自信があります-』を投稿しております。


お手数ですが検索でご一読頂ければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
読んで頂いてありがとうございます。
もし面白いと思って頂けたら、★マークを押して応援して頂けると今後の励みになり、とても嬉しいです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。