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第183話 お約束

「美味しい!」

「旨いな」

「これは美味しいぞ!!」


 ガツ、ガツ、ガツ、ガツ、ガツ、ガツ、

  ガツ、ガツ、ガツ、ガツ、ガツ、ガツ、

   ガツ、ガツ、ガツ、ガツ、ガツ、ガツ、


 屋敷の前にテーブルを出し、みんなで集まっている。

 バイキング形式でマンフレートの町で買って来た、海産物をみんなで食べている。

 そう言っても600人はいるので、全然足りません。

 1人一切れですか…。

 全員分を購入するのは無理です…。


「エリアス様、今度はどこに行くのですか?」

 エリザちゃんが聞いてくる。

「マジスカ領に行こうと思います」

「それでは今度も、私を連れて行ってください」

「う~ん。そうですね」

 俺は悩んだ。

 実際、1人で行った方が移動が速いからだ。

 

「連れて行ってあげれば?」

 アリッサさんがそう言ってくる。

「私達は行けないから、この機会に親睦を深めるのも良いと思うよ」

「そうかな」

「だからアーネさんは、今回は留守番していてくださいね」

「え?私は留守番ですか?」

 アリッサさんに留守番と言われ、アーネさんは驚いている。

「ここに来てから2人になることが無かったから、この機会に良いと思って」

「そうですか…。分かりました。エリザ様、いってらしゃいませ」

 アーネさんは、納得したようだった。


 

 次の早朝、俺とエリザちゃんはセトラー国を出てマジスカ領に向かう。

 リヤカーにエリザちゃんを乗せ、アスケルの森を下る。


 そして今日のエリザちゃんは、魔女っ娘服を希望したが今回も却下した。

 さすがにとんがり帽子と黒い服。

 右手首に布を巻き左目に黒い眼帯は痛いからね。

 大丈夫、この病気は年齢と共に治るから…、治るよね?



 マンフレートの町に出たら、町の街道を北西に進む。

 街道は道幅も狭く路面状況も悪くガタガタだ。

 これではリヤカーの乗り心地も悪いだろう。

 俺はそう思いリヤカーを停めた。


「どうされたのですか、エリアス様?」

「道が悪いから、乗り心地も悪いだろう。だから一旦、降りてくれないか」

「わかりました」

 訳が分からない顔をして、エリザちゃんはリヤカーを降りる。


 俺は左腕でエリザちゃんを抱きかかえる。

「きゃ!!」

「この方が早いからね」

 そう言うとストレージにリヤカーを収納した。

「さあ、首に手を回して。行くよ!!」

 俺は街道を走り出す。


『エ、エリアス様は積極的なのですね。そうやって他の奥様方も…、ポッ』

 エリザちゃんの呟く声は、走る音にかき消されエリアスには聞こえなかった。


 う~ん。

 やっぱりこの方が、時間短縮になるな。


 ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!

  ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!

   ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!

  ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!

 ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!ザッ!!


 しばらく走って行くと前方に馬車が1台見えて来た。

 どうやら見てみると道の先に襲われている馬車がある。


 俺は立ち止まり、腕からエリザちゃんを降ろした。

「どうされたのですか、エリアス様?」

「いや、実は『お約束』が起こってね」

「『お約束』ですか?」

「そうだよ。街道を進んでいるとよくある事なんだよ」

「どんなことですか?」

「例えば今回のように道の前後を、山賊に挟まれ襲われている馬車とか」

「どうなるのですか?」

「山賊も弓を持っているからね。それに金目の物を差し出せば、命までは取られることは無いはずだよ」

「そうなのですか?」

「あぁ、お互いに無駄な争いをしなくて良いからね」

「では、どうされますか?」

「う~ん。終るのを待つとか。横を『じゃあ!』と、通すぎるとか…「おう、おう、お前達。さっきからそこで何をゴチャゴチャ言っているんだ?」


 気が付くと俺達は山賊に追い付き、襲っている横でしゃがみ込んで話していた。


読んで頂いてありがとうございます。

物語と更新は、まったり、のんびりと進みます。


本作の元になった『ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-』を投稿しております。

https://ncode.syosetu.com/n7891ho/


 ご一読頂ければ幸いです。

 よろしくお願いいたします。

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