人事部長と広報とゼンさん、顔写真撮影の準備
ゼンさんとナカムラ課長とユウは、人事部へ向かった。
廊下を歩いていると、ゼンさんは頭ひとつ分大きいので、どこからもわかる。ゼンさんにとっても、誰もの様子がわかるのだ。
見かけると、驚いている、噂は皆の耳に入っているらしく、声を上げる人はいなかった。
トントントン、
「すみません、情報課のナカムラです。ゼンと担当者を連れてまいりました。」
どうぞ、という声の後、ドアを開ける。
ガチャリ
課長が入り、そのあと、モフモフとした白い毛がドアから入ってきた。話には聞いたが、本当に、猫だ。部長と広報担当は、驚いた。
人事部の部長のところに行くと、そこには、三脚カメラを持った、広報担当のゼンさんと同期のいた。人事部用の写真撮影をする、アマミヤさんがいた。
「部長、ゼンさんを連れてきました。色々と、ご迷惑をおかけしますが、ゼンのことを、これからも宜しくお願いします。」
ナカムラ課長とともに、ゼンさんとユウは、頭を下げた。
「うむ、わかった」
人事部長のヤストミさんと、広報のアマミヤさんは、嬉しそうだ。
「ゼンさん、この度は、大変なことが起こり、大変だったね。社長から、君はこのまま通り働いてください、ということです。ただ、突然猫になったということで、会社のみんなにも周知した上で、働いてもらうこととした。
もしかしたら、中には猫が苦手だったり、アレルギーの人もいるかもしれないからね。
普段の生活や、今日はキャラクターとして乗ってこれたかもしれないけど、電車に乗るのも大変かもしれないので、会社として、まずは、電車に乗れるように手続きをします。
お店等での買い物等は自分で交渉になるだろうが、証明書を作ります。
お役所の窓口にも、一応報告しておこう。不審者に間違われないよう、警察にも連絡しておこう。
どうなるか、わからないよね。
もしかしたら、元に戻る可能性もあるかもしれない。
日々の業務では、その都度対応していこうとおもう。うちの会社の社員は守るからね。」
「ありがとうございます」
ゼンさんは、深々と頭を下げた。
「かたい話これまでで、職員証と証明書の発行のための写真撮影をしましょう。」
すると、広報のアマミヤさんに、隣の部屋に連れていかれた。部長も一緒だった。
この部屋は、入社時の撮影をする部屋だ。久しぶりにはいったなぁ。部屋は小さいが、撮影キットはそろっており、今から撮影開始できそうだ。
ゼンさんは、ホッとした表情をうかべながら、撮影用の背後のスクリーンを飛び上がって下ろした。けっこう高い位置にあるんだけど、猫になって機敏になったのかも。面白い姿がこれからも見れそうだと思いながら、撮影待ちをしていた。




