第219話、葉月「事情聴取、よろしく」さやか「バレますよ」
書き上がりました!よろしくお願い致します!
※念のために注意があります。
先日2024/12/31に更新したばかりです。
もしかしたら1話飛ばして読んでしまう可能性があるため、ご確認をお願い致します。
上記に該当する方がいた場合のために、少しだけ空行を広げておきます。
よろしくお願い致します。
荻野広樹と姫路夜織の戦闘ライブ配信。
それは世界中の各支部に激震を走らせるともに、校長の胃を溶解させるほどの大騒動となった。
最後に「……へ?」という夜織の一言で彼女は固まってしまい、放送事故?という気配を感じさせるところで、彼女のすぐ隣までやってきた荻野広樹はカメラに向けて言った。
『校長。後はよろしくお願いします。悪い研究者に薬を打たれたせいで調子が悪いので、しばらく身を隠します』
頭痛を訴えるような素振りを見せつつ、まるで姫路夜織に敵対心が無いと証明するように「おととっ…」と僅かな体重を預ける。
『それと姫路夜織さんの思惑に乗っかり、区画を損壊させてしまい申し訳ございませんでした』
『っ!?』
夜織の目が大きく見開く。
『経緯は姫路夜織さんに聞いてください。自分への事情聴取が必要であれば、事後処理などが終わった後にお願いします。連絡は端末に』
預けていた体重を戻し、背中を向けて歩き出す。
それが荻野広樹の締めくくりだった。
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大騒動から2週間後。
「事情聴取、よろしく」
「バレますよ」
葉月の前に荻野広樹がいる。
だが中身は本人ではなく人工知能のさやかだった。
「大丈夫。何年も広樹と一緒にいたなら。演技くらい簡単」
「演技は簡単です。ですが今回は状況が違います。葉月、アナタは暴れ過ぎました」
区画の地形を変えてしまった激しい戦闘。
ほぼ姫路夜織の武装による被害だが、葉月の行動にも一因はある。
「大丈夫。たぶん途中で姫路夜織から接触があると思う。そこで辻褄を合わせて。さやかならやれる」
「本当に無責任ですね!もうわかりました!ですが失敗しても暴走しないでくださいよ!私が動いたとバレれば確実に葉月の関与が証明されますからね!」
さやかは主人の命令に従って事情聴取に向かう。
部屋から出ていった広樹の姿を見送り、葉月は扉を閉めた。
「広樹…」
ベッドに本物の広樹がいる。
既に葉月の能力で身体は完治させたが、一向に意識が戻らない。
「どうして起きないの?」
聞いても返事はない。
一定の呼吸を繰り返すだけでその瞼は開かれない。
「ごめんね」
広樹の額に触れる。
ここが原因だとわかっていても、葉月に打てる手はなかった。
「急ぎ過ぎた……でも、戦闘学に目をつけられた時点で、今までの広樹じゃ駄目なの。戦闘学は広樹を絶対に逃さない。だから私は急ぐよ」
机に置かれた資料。
そこに記載された少女の情報に目を通す。
アイリ・エデルマン。
所持している能力は『調和操作』。
その能力は精神干渉に対して卓越した力があり既に実績も存在していた。
序列者による集合会議。
そこで葉月の姿をしたさやかが請け負った任務。
これから日本支部にやってくる彼女の案内役兼見張り役をすることになっている。
本来であれば葉月の姿をしたさやかが務める予定だったが。
「今は飛行機の中」
時計と資料を見合わせて、アイリ・エデルマンが日本に向かっている最中であると再確認する。
一人分が入れる棺桶を作り出し、その中に広樹を詰めて固定した。
「待てない」
葉月は棺桶を背負って部屋を出る。
建物の外に出ると、出来すぎと思えるタイミングで目の前に車が停車した。
誰にも言わずに戦闘学の敷地外に出ようとする葉月だったが、それを察知できない人工知能ではなかった。
「なんでいるの?」
「何年一緒にいると思ってるんですか。私も行きますよ。だからさやかの方の身体を作ってください。車の中に全部揃えてあります」
そう促されて葉月は車の中で能力を使う。
運転席から広樹の身体をしたさやかが出ていき、代わりに付き人としての普段の身体を得たさやかが運転席に座った。
「では行きましょう。広樹ボディの方はそのまま事情聴取に向かわせます」
「うん」
葉月を乗せた車は出発する。
「ちなみに人工知能な私ですが、少々感慨深い気持ちになっています」
「なんで?」
「葉月と広樹を乗せて車を走らせているんです。人工知能なのに昔の光景がフラッシュバックしていますよ。小さい頃の二人の姿が」
読んでいただきありがとうございます。
前回の後書きにバンジージャンプの後に更新すると記載していましたが、ちょっと早めに投稿できました。
次話はバンジージャンプ後に!




