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神と魔王と人類と  作者: 高橋太郎
プロローグ
9/723

その9

「……個人的(こじんてき)感想(かんそう)だけど、リオンもだけど、ヴァン・クーロンだったら誰だって親友に声を()けに来たのなら(すご)(いきお)いで追い(はら)うと思うわ。リオンとは(ちが)う方向で危険(きけん)じゃない」

 (きび)しい表情(ひょうじょう)()かべ、イシュタルは断言(だんげん)した。

「クーロン君はねえ。仕方ないですよ、愛を(つかさど)る神の流れですし。息を吸う様にナンパをして、息を吐く様にお持ち帰りをしないと死んじゃいますから」

 リオンは(かわ)いた笑いをしながら、後輩(こうはい)不名誉(ふめいよ)評価(ひょうか)を何とか取り成そうと努力(どりょく)する。

学園(がくえん)敷地内(しきちない)でやったらちょん切るけど、あの子、そこまでは莫迦(ばか)じゃないからそこは安心よねえ」

学内(がくない)不純(ふじゅん)異性(いせい)活動(かつどう)禁止(きんし)ですからねえ。流石(さすが)にリサ姉は(こわ)いと見える」

 クスクスと笑いながら、リオンはリサを見た。

「別に私だけがあの校則(こうそく)成立(せいりつ)積極的(せっきょくてき)だったわけじゃ無いわよ?」

 不本意(ふほんい)そうにリサは反論(はんろん)した。

「まあ、リサは戦女神(いくさめがみ)、それも処女性(しょじょせい)重要視(じゅうようし)されている家系だから仕方ないわよねえ」

 イシュタルは肩を(すく)めながら、それとなくフォローする。「まあ、リオンが思い切った行動を取れない理由は分かったわ。でも、こちらからアプローチを掛けるのは危険じゃないの?」

「危険と云いますと?」

 姉の発言が理解(りかい)出来(でき)ないとばかり、リオンは不思議(ふしぎ)そうな表情で(たず)ね返した。

「普通の子はね、私たちから切り出したら身構(みがま)えるのよ。そんな事も学んでいないの?」

 (あき)れた口調(くちょう)でイシュタルは弟を見た。

「それぐらい知っていますけど、リサ姉なら関係ないでしょう。僕たちと違って、天界(てんかい)の名門当主(とうしゅ)ですよ?」

 姉の発言に対し、リオンは首を(かし)げてみせる。「リサ姉が表に出ているのに、僕らの関係が(うたが)われますかね?」

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