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神と魔王と人類と  作者: 高橋太郎
プロローグ
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10/723

その10

「……リサが然(そ)ういう事に詳(くわ)しいタイプだと思っているの? 絶対(ぜったい)、裏(うら)があると思われて、その裏が私たちってすぐにバレるわよ?」

 イシュタルはリオンの考えなしの発言(はつげん)に溜息(ためいき)を付いた。

「そこら辺(へん)を何とかするのが僕たちの腕(うで)の見(み)せ所(どころ)でしょう? 実際(じっっさい)、ネイさん、最近(さいきん)挙動(きょどう)不審(ふしん)だからそこら辺から相談(そうだん)に乗れば怪(あや)しまれないと思いますけど?」

 心外(しんがい)だとばかりにリオンは反論(はんろん)し、攻(せ)め所を提案(ていあん)した。

「ああ、そういえば、上(うわ)の空(そら)でいる時が多(おお)いわねえ、アンヌちゃん。それが理由(りゆう)だったのか。恋煩《こいわずら)いかと思っていたわ」

 それで納得したのか、イシュタルは深々(ふかぶか)と頷(うなづ)いた。

「いや、恋煩いも間違(まちが)いないんじゃないですかね。割(わり)と仲(なか)の良い幼馴染(おさななじ)みだったみたいですし、うちの学園に入る前に何らかの約束の一つや二つあってもおかしくはないと思いますけどねえ」

「……それ、貴方(あなた)のただの推測(すいそく)でしょうね? 何か裏に手を回して調(しら)べたとか無いわよね?」

 疑(うたが)いの目を隠(かく)そうともせずにイシュタルは弟を問(と)い糾(ただ)した。

「いやだなあ。まるで俺が然ういう事を根掘(ねほ)り葉掘(はほ)り調べる男みたいじゃないですか~」

 姉の糾弾(きゅうだん)に軽(かる)い調子(ちょうし)でリオンは戯(おど)けた。

「リオンちゃんは根掘り葉掘りどころか、魂(たましい)を因数分解(いんすうぶんかい)するレベルまで調べるものね。イシュタルちゃんはちょっと過小評価(かしょうひょうか)が過ぎると思うわよ」

 そんなリオンをあっさりと無視(むし)し、リサはきっぱりと言い放(はな)つ。

「……おおぅ、この場に敵しかいない件(けん)」

 天を仰(あお)いで、リオンは芝居(しばい)がかったポーズを取る。

「ま、本気(ほんき)十割(じゅうわり)の冗談(じょうだん)は兎(と)も角(かく)、リオンの調査が正(ただ)しければこの機会(きかい)を逃(のが)す真似(まね)はできないわね。もし違(ちが)ったとしても、他のレアスキル持ちなんでしょう? 我が校の箔(はく)の為(ため)にもどんな手段(しゅだん)を用(もち)いても獲得(かくとく)するべきか。……悪評(あくひょう)だけがまた増(ふ)えそうな気もするんだけどねえ」

 溜息(ためいき)交(ま)じりにイシュタルは話を戻(もど)した。

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