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神と魔王と人類と  作者: 高橋太郎
プロローグ
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11/723

その11

「私はアンヌちゃんの調子(ちょうし)が戻(もど)るなら喜(よろこ)んで手伝(てつだ)うわよ。まあ、カップルは滅(ほろ)びれば良(い)いと思うけど」

 一片(いっぺん)たりとも曇(くも)りのない表情(ひょうじょう)でリサは頬笑(ほほえ)んだ。

「リサ姉、出しちゃ行けない本音(ほんね)が出ています……」

 流石(さすが)のリオンもリサの発言(はつげん)にドン引(び)きした。

「貴女(あなた)の男運(おとこうん)の無さは流れる血の業(ごう)だものねえ。私みたいに逆光源氏計画《ぎゃくひかるげんじけいかく》を立てても失敗(しっぱい)する可能性(かのうせい)が高いし、八方塞(はっぽうふさ)がりよねえ」

「生々(なまなま)しい話は和泉(いずみ)姉さんが復帰(ふっき)したときにでも三人でして下さい。今は、レアスキルを持った転入生(てんにゅうせい)を手に入れる事が先決(せんけつ)です」

 脱線(だっせん)していきそうな話題(わだい)に入らせまいと、リオンはきっぱりと言い放(はな)った。

「……リオンちゃんが真面目(まじめ)に仕事をしていると、そこはかとない不安(ふあん)を感じるのは、私が未熟(みじゅく)な所為(せい)かしら?」

「誰でもそう感じると思うわよ? 今度(こんど)爺(じい)に確認(かくにん)してみようかしら?」

 真面目に司会(しかい)進行(しんこう)を始めようとしたリオンを見た二人の感想(かんそう)を聞き、

「新兵衛(しんべえ)は関係(かんけい)ないでしょうが、新爺(しんじい)は! あの鬼神(ひと)だったら間違(まちが)いなく、腹(はら)抱(かか)えて笑うだけじゃないですか!」

 と、リオンは強く憤慨(ふんがい)した。

「それが嫌(いや)なら普段(ふだん)から外面(そとづら)だけでも良いから真面目にしていなさい。変なところで魔王(まおう)らしい演出(えんしゅつ)をするから無駄(むだ)な労力(ろうりょく)を使う羽目(はめ)に遭(あ)うのよ。私たち姉弟(きょうだい)はね、生まれつきの魔王である事からどうやっても逃(に)げられないの。別(べつ)にステレオタイプの演技などしなくてもありのままで良いのよ。どちらにしろ、結果(けっか)はついてくるのだから」

 リオンの抗議(こうぎ)を軽く流しながら、真面目な表情を浮かべてイシュタルは諭(さと)す。

「それじゃ面白くないじゃないですか」

 真顔(まがお)のままリオンは断言した。

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