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神と魔王と人類と  作者: 高橋太郎
第六章 試合
167/723

その23

「もう、レベルが高すぎて、私には実況不能なんですが、どうしたモノですかね」

 ほとほと困った顔で、クーロンは溜息を付いた。

「大丈夫。ここら辺の勝負は全部後でスローで見ないと誰も分からないから。レクサール君はまだ付いてこられている?」

「不思議と、全部見える。……リオンが何か細工してくれたのかね?」

 アールマティの問いに、レクサールは困惑しながらも答えた。

「だったら、私にもしておいて欲しかったところです。さて、先程まではヴァシュタール先輩が押していたように見えたのですが、今はどうなっているのでしょうか?」

 愚痴りながらも、クーロンは実況を続ける。

「明神君が“六華比良”の攻め太刀を使い始めて勝負を再び振り出しに戻したところだね。さっきも云った通り、今のリオン君は防御に魔力を割り振っていないから高速移動中に“六華比良”のどれかに当たっただけでも一本を取られる可能性が高い。当然、そうなる事を避ける為に進路を変えるわけで、それを予測して“六華比良”をできうる最高の速さで明神君は設置しているわけ。高度な読み合いで自分の土俵に持ち込もうとしているんだね。さっきから、それで何度か【鬼哭】の間合いに無理矢理誘導されているけど、リオン君もその動きをかなり読んできたから……そろそろ次の展開になるかもね」

 平然と高速戦闘を目で追いながら、アールマティは二人の手の内を予測した。

「次、と申しますと?」

 勝負自体が見えていない事に対して開き直り、クーロンはアールマティの解説の相鎚に専念する。

「君が得意な間合いにリオン君が転じると思うよ。その為の布石だろうしね、この“六華比良”を攻勢に転じさせるように誘導したの」

「リオンの計算通りという事なのか?」

 アールマティの解答を聞き、レクサールは首を傾げた。

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