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神と魔王と人類と  作者: 高橋太郎
第六章 試合
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その11

「そうなりますと、今日は弱点をヴァシュタール先輩が突く事はほぼ不可能だと?」

 今までの戦力分析を聞き、クーロンは結論を出す。

「勝負に絶対はないけど、まず無理なんじゃないのかな。あの鉄壁をかいくぐったのは去年の武闘大会での決勝でしか見た事無いし。少なくとも、ボクにはできなかったからね。……まあ、リオン君の事だから、何らかの奥の手を隠していてもおかしくは無いと思うよ」

 試合の展開を想像しながら、アールマティはそう予測して見せた。

「あのヴァシュタール先輩ですからね。誰もが予測していない何かを期待したくなるところです」

 短く試合の予想展開を纏め、「さて、講堂の特設会場の方はどうなっているのでしょうか? 現場の闇飛さん?」と、話を展開する。

『はい、こちら闇飛です』

 クーロンの前に用意された小型のモニターに映し出された闇飛の後ろには講堂狭しと並べられた椅子だけでは足りなかったのか、立ち見の生徒が数多くいた。

「そちらは盛況ですね」

 その熱気と数に圧倒される事無く、冷静にクーロンは感想を言った。

『はい。我が校の生徒ならば誰もが見たいと思っていた夢の対戦ですからね。噂を聞きつけた卒業生達も続々とこの講堂に集まってきています。現在、第二特設会場の設営も始まっており、嬉しい悲鳴と云ったところです』

 こちらが吃驚するほど丁寧なクーロンに驚いたのと同じぐらいレクサールははきはきと溌溂《はつらつ》で饒舌な闇飛を見て目を丸くした。

「そうですか。それでは、試合終了までそちらをお願い致します」

 クーロンは短く纏め、「結界内に理事長先生が入られたようですね。どうやら最終調整が行われる模様です」と、中継を再開する。

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