その11
「私はアンヌちゃんの調子が戻るなら喜んで手伝うわよ。まあ、カップルは滅びれば良いと思うけど」
一片たりとも曇りのない表情でリサは頬笑んだ。
「リサ姉、出しちゃ行けない本音が出ています……」
流石のリオンもリサの発言にドン引きした。
「貴女の男運の無さは流れる血の業だものねえ。私みたいに逆光源氏計画を立てても失敗する可能性が高いし、八方塞がりよねえ」
「生々しい話は和泉姉さんが復帰したときにでも三人でして下さい。今は、レアスキルを持った転入生を手に入れる事が先決です」
脱線していきそうな話題に入らせまいと、リオンはきっぱりと言い放った。
「……リオンちゃんが真面目に仕事をしていると、そこはかとない不安を感じるのは、私が未熟な所為かしら?」
「誰でもそう感じると思うわよ? 今度爺に確認してみようかしら?」
真面目に司会進行を始めようとしたリオンを見た二人の感想を聞き、
「新兵衛は関係ないでしょうが、新爺は! あの鬼神だったら間違いなく、腹抱えて笑うだけじゃないですか!」
と、リオンは強く憤慨した。
「それが嫌なら普段から外面だけでも良いから真面目にしていなさい。変なところで魔王らしい演出をするから無駄な労力を使う羽目に遭うのよ。私たち姉弟はね、生まれつきの魔王である事からどうやっても逃げられないの。別にステレオタイプの演技などしなくてもありのままで良いのよ。どちらにしろ、結果はついてくるのだから」
リオンの抗議を軽く流しながら、真面目な表情を浮かべてイシュタルは諭す。
「それじゃ面白くないじゃないですか」
真顔のままリオンは断言した。




