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引きこもり魔女と硬柔騎士様の幸福論  作者: 段数マーカー
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現実は

 


 ⁂


「お替りをくれ。大盛りで」

 ずいと差し出しされたスープ皿を、アランは受け取った。

「承知した」

 吹雪の夜、緊張の糸が張っている食事は続いていた。

 温かくて懐かしくて美味しい食事。しかしほろほろの干し肉のように、魔女の心は解けない。

 当たり前だが、同じようにアランの心も開かない。


 アランは王国のことを話した。緑が多いとか、豊かな土壌だとか、近隣諸国との貿易が盛んで手に入らないものはないとか。それから、今の時期はアクオニウムの花が見ごろだと言った。年に一度咲き乱れる花を民は待ちわびていて、食事をとりながら楽しむのだという。他には、魔法が掛けられた噴水があって、水が変幻自在に形を変えるとか。


 どれだけ王国へ連れて行きたいのだろう。

 仕方のないことだが、魔女は心から寂しく思った。

 きれいに治ったあの時の指先をそっとなぞれば、思い出さなくていい部分が襲うように甦った。




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