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真似されないために。

結局土日更新出来ず。

えっと、月曜日分って事で……。

眠いので、ざっとしか読み返していない。誤字脱字が酷そうな気がする……。


 契約奴隷は、本来であれば身を売る必要の無い奴隷達の事である。

 しかし、契約奴隷の『契約』はその契約内容によって命令出来る強さが変わってくる。

 たとえば千円借りたとして、来月末までに返すという契約をしたとする。

 借りた本人が無職ならばともかく、バイトや社会人であったとしたら何かを命令するのはまず無理だろう。給料日後に返す事が出来るからだ。

 これが一万円になってきたら、何かしらの肉体労働は可能かも知れない。本人が軽い気持ちで受けるような内容に限るし、もちろんその分借金額が減る。

 十万になったら、丸一日拘束するような、バイトの助っ人とかそういうのは断れないだろう。

 百万、一千万と金額が高くなり、期限内に返済できるか怪しくなってくると、履行出来る様に契約魔法の元、本人に値段がつけられていく。それはやがて魂すらもしばりつける物となる。

 契約奴隷の契約内容は、そこまで無茶なものはできない。金を借りた場合、それが高額であった場合、短期という事はまずない。長期間に自動的になる。それも十年二十年ではなく、残りの寿命の八割くらいだろう。


 ヒューモ族の平均寿命は五百年。対してアルフ族は八十年。

 この差はかなり大きい。

 同じ金額でも、アルフ族にとってはかなりの金額になる。

 ましてやスキルが物を言うこの世界で、MPも少なく、売られてくる彼女達にはスキルすらない。そうなると金を稼ぐ方法が、体を売ることしかなくなるのだろう。

 そして、やっかいな事に、衣食住の世話もしていると、それ代は働いた労働力から差し引かれる。しかもそれが彼女達の今までの生活から換算されると彼女達の労働力として差し引かれる分は一体いくらになるのか。

 だからアルフ族に取って水を得るための対価は、犯罪奴隷達に使われる、強制奴隷とほぼ同じだけの効力となる。


だからアルフ族のみんなは娼館などで働く事になるのだろう。

 数日前、バロンとセリアがセルキーから連れてきたアルフ族の五人もほぼ、強制奴隷並の効力になっていた。

 もちろん俺達にはその契約を無効にするのは容易い。

 五人のうち、二人妊婦が居た。だからシエノラが適任だろうと魔法の解除をシエノラに任せた。

慈愛の神でもあるシエノラは、魔法の解除と共に彼女達が負っていた心の傷も癒やした。

 俺もスキルで似たような事をしたが、それよりも強力なものである。

 彼女達は泣いたけど、たぶん、その涙と共に色んな物が流れ落とされたのだろう。

 泣き止んだ後からは彼女達の表情は見違えるようだった。


 それから、彼女達にこれからの事を説明した。

 彼女達と同じような人達を助けるために活動するのだと。

 実際、バロンが居たし、夏の国の騎士達も居たし、彼女達はあっさりと信じた。

 そして、彼女達はシエノラの勧めで、ポーションなどを作る『薬作成』や『上級薬作成』等のスキルを手に入れた。

 彼女達の適正が魔道具よりも製薬だとシエノラは考えたのだろう。

 しかし、前にもどこかで説明した気がするが、MP回復ポーションならともかく、HP回復ポーションは春の国ではほぼ需要がない。効果の高いものならともかく初心者が作るようなものは二束三文で売っている。綺麗石と同じ扱いである。レベル上げるために作るが、要らない。というわけだ。なので、作ったHP回復ポーションは、ほぼ全て夏の国に卸している。支払いは三分の一は現金。三分の二は魔物などの素材だ。

 騎士達としては、回復アイテムが比較的安価で出に入るし、その分連続戦闘が増えて、レベルが上がると好評らしい。

 ただ、そのせいか無茶をする馬鹿も増えたらしいが。

 そして、栽培出来るような薬草などは城の敷地に薬草園を作ったり、夏の国で新しく作った村で試験的に栽培して貰っている。

 でも、この五人では、これで精一杯なのだ。他に何かを作るにはMPが足りない。

 つまり、準備していたお店で売るだけの物が何も無いのだ。

 だから戻ってきて二ヶ月経ってるのに、店だけを用意して何にも使ってないのである。

 賃貸料は払っている。かなり無駄な出費だが、この店は立地的に抑えておきたいので、気にせず支払っているが、それがどうにも他の店からすると嫌らしい。

 使わないのなら借りるな。と。

 さっきも言ったが立地的には凄くいいからね……。同じように金を払って使いたいって人達が居るんだよ。


 なのでいい加減一週間でもいいから店を開けなきゃいけないなかなって思ってるんだけど、商品のごく一部に俺が作ったのがあるくらいならともかく、俺がメインでするわけにはいかなくて、MPに余裕のあるネーアやバロンに作らせたいのだが、その商品が決まらないのである。


 いっそセリアが業務魔法でも覚えたらって思うんだけど、それにはシステムを起動しなきゃならんわけで……。

 神に至る事はないだろうけど、……だけどだ。あの苦しみをセリアに味わえせたいかと言えばノーなわけで。なるべく避けたい。


 飲食店にしてみたらどうだという案もあるんだけど。それにしたって何にするかっていう問題があるわけだよ。

 飲食店ならすぐに真似されるようなものは出来れば避けたい。

 でも、なにかを手作りで作るのなら彼女達でも出来るような物にしたいわけだ。

 出来れば料理人スキルではなく、初級の生活魔法(料理)で美味しくて金が取れるもの。

 つまり、家庭料理レベルで金を取ろうって事だからアイディア勝負だと思っている。


 いっそ出店とかならそれこそかき氷っていう手もあるけどさー……。

 すぐには真似されず、それなりに簡単で美味いってのは難しいんだよなぁ。



「彼女達以外はどうする?」

「もちろん他の人達も引き取りたいけど……、どうせなら、全世界同時にっていきたいなって思うんだよね」

「それはまた」

「買い集めてる者が居るっていうのが下手に噂になって、値段がつり上がるとか、売らないっていう話になっても困るし」

「それを防ぐための同時にというわけか。しかし、それだけの資金をどうするつもりだ?」

「……エドだった頃の金が、セルキーと神殿にはまだあるはずなんだよな。神の貴石を納品して、まだ支払いを受け取ってない金と、神殿に預けてた金。それを使えば出来ない事はないとは思うんだけど」

「お前がそこまでするというのもおかしな話だな」

「うーん……、まあね……。アロンも怪しんでたしなぁ……。夏の国主導がいいよね?」

「少なくともバロンかアロンが指揮を執るべきだろうな」

「だよねぇ……」


 はぁ。とため息をつくと、シエノラが声をかけてきた。


「いっそ、クッキー生地やケーキのスポンジ部分は私とエドが作って、型抜きやデコレーションなどの行程を彼女達にさせたらどうだ?」

「それでいったら生クリームもこっちで作った方がいいかな?」

「それは君たちが業務魔法で出すタレを使った料理とどう違うんだ?」

「「……」」


 ルベルトの言葉に俺もシエノラも口を閉ざす。


 この案は没か……。


 そう思っていると廊下を駆けてくる足音がした。


「お兄!! 良い物見つけた!!」


 セリアがそう言って扉を勢いよく開ける。その手になにかの袋を持って。


「ほら、見て! 色は赤いけど」


 そう言ってセリアがテーブルに広げたのは……。


「ポップコーンの種か?」

「そう! 色は違うけど、それっぽいよね!」

「確かに」


 一つ摘まんでそれをマジマジとみる。

 ポップコーンか。確かに……。この種があの形になるのは想像しにくい。

 摘まんだ種に熱を与えて弾けるか試すと、綺麗に弾けた。

 見慣れた白い姿になる。味も、そんなに変わらない。


「そんな風に変化するのか?」

「まあね。確かにこれなら種と商品が一致しないからすぐには真似しにくいかもな。魔道具を作れば誰でも簡単に作れるし」

「そうそう! あと、綿飴!」

「綿飴?」

「そう! あれだって作るのは簡単だけど真似はしにくいよ」

「確かに……。見た目からしてインパクトはあるよな」


 でもあれは湿気に弱いからなぁ……。萎んだとかいってクレームがこないといいけど……。


「うーん。分かったとりあえず、バロンに作らせてみる」


 あ、これどちらにも必要なのは熱か。なら、片方が出来ればもう片方も比較的簡単にできるかもしれない。


「上手くいったら、お店開いてみる?」

「うーん……あともう一品なにか欲しいな……」

「後は飲み物でいいんじゃない? どうせお試しで開けてみるだけなわけだし」

「……そうだな。まずは店を開ける事か……」


 同意するセリア。視界にシフォンケーキが入ったらしい。


「あ、今日のデザート、シフォンケーキ!?」

「ああ」

「うわぁー! 食べたい食べたーい!」

「今入れる」

「ありがとう~。シエノラ~。あ、あとお兄、それ、冬の国の物らしいから」


 話があっちに行ったりこっちに行ったりするセリアに苦笑しつつ、ポップコーンのタネを見る。


「外国産かよ。高いじゃん」


 思わずぼやく。農家のおばちゃん達作ってねえかなぁ。あ、息子さん冬の国に行商にいってたか。そっちでなんか伝手もってねぇかなぁ……。



この話、地味に何度か書き直した……。

遅くなってすみません……。

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