地味な作業も必要なのです
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パーツ同士の接着が終わったら、今度はヤスリ掛けだ。
ここもしっかりと参考にさせてもらった。
爪楊枝に、細く切ったスポンジヤスリを接着剤で貼り付けて、硬化促進剤で固める。
それを番手を変えて、240番~800番までの4種類を用意する。
これは、ディテールの細かい美少女フィギュアには最適なようで、確かに実際に使ってみると、細かいくぼみなどのところのヤスリ掛けは楽にできる。
これは悠希には、新しい発見だ。
「悠希ちゃん。この動画だと、腕も脚もやってるよ」
環季がそう言ってくる。
「そう……だね。環ちゃん。やってみる?」
そう悠希が聞くと、環季は犬がしっぽを振るみたいに、「うんうん」と首を縦に振る。
胸のところのパーツの合わせ目は、薄っすらと見えにくい線は残ったが、これは十分に満足できるレベルではないだろうか。
「じゃあ、やってみようか」
悠希が最初にやって見せて、それを環季が真似をする。
この工程で、環季にここは気をつけるようにと悠希が言ったのは、カラーパテを可動部のパーツに付けてしまい、それが原因で動かなくなることだ。
環季は、真剣な表情で作業していく。
接着後のスポンジヤスリでのヤスリ掛けも、力を入れ過ぎないようにと注意しておく。
しかし、それは余計な心配だったかもしれない。環季のヤスリ掛けの動きは、とにかく優しい。時折り、力加減が足りないかもと、少し動きが速くなる程度だ。
やはり、予定よりは時間が掛かったが、合わせ目消しを含めて、今日一日で全部終わって、完成させることができた。
午前中の10時過ぎに環季が来て、途中で家で悠希の両親と一緒にお昼ご飯も食べて、そのあとプラモ作りの途中で「女子トーク」にも花が咲いたから、この「エルメダのノーマルモード」の合わせ目消しまで終わったのは、午後の17時を回ったので、大体6時間ぐらいはプラモデル作りをしていたことになる。
あと、この「エルメダのウィライズモード」があるのだが、今日はもう環季は「プラモ作りは、お腹いっぱい」のようだ。
この「ウィライズモード」は、「武装モード」ということなので、弓矢と、背中に付く、大きく広がる白い翼のパーツと、腕の武装の装飾パーツ、両脚の膝のところから下の武装された差し替えのバーツが加わる。
環季は、そこは気が向いたら自分一人で作ってみると言って、完成した「エルメダ」をパッケージの箱に丁寧に仕舞って、笑顔で帰っていった。
環季の「気が向いたら」は、少し気になったが、たぶん大丈夫だろう。




