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俺、この戦いが終わったら魔法少女になるんだ  作者: 虹ぱぱ
二章:癒し手の魔法少女
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34話:魔力と間欠泉と特異点3 そして戦闘開始

「大暮先生。もう一つ質問いいか?」


「何でしょう?」


「なんで、四葉は認識してもらえないのに、三堂麗葉にくっついていたんだ?」


「……一つは、仲のいい友達だったから。それと……」


 一旦、そこで大暮先生が言葉をきる。


「……それと?」


「…………三堂さんも魔法に目覚めかかってます。」


「……? そうなのか? カルマ?」


「んー。ちょっと微妙。ハートちゃんが調べてくれた時に反応はなかったけど……。魔力値が上がっているのは確かだね。魔力値推定300くらい。まあ、確かに随分多いね。」


「……地上の人は魔法に目覚めるにはきっかけがいるのではないかと推察していました。感情の爆発だったりです。四葉も思い当たる節はあったようで……」


「なかなか、慧眼だね。感情とか、精神状態に左右されると、僕も思う。」


「それで、効果あるのかはわかりませんが、三堂さんの精神を鍛えるというか、アドバイスを与えることで四葉は、三堂さんん覚醒を抑えようとしていたみたいです。」


「それが、あの効果がない助言の正体か」


「三堂さんは直情的な性格の子なので……」


「んー。まあでも効果はあったんじゃない? それに、四葉ちゃんの特性は『音』もあったし。無意識下で「言霊」とか使ってるんなら、抑止効果はあったはずだよ。」


「そうか。確かに、三堂麗葉が直接的に俺に対峙してきたりしたのは、四葉の助言かもしれんな。」


「……そろそろ、校庭に向かいましょうか。四葉も待っているでしょうし。」


 そう言って、大暮先生が音楽室からラッパを取り出す。


「先に、音楽室に来てもらったのは、落ち着いて話をする為と、これを取りにきたんです。」


「ラッパを?」


「ええ。四葉の魔法は音を媒介にすると、非常に強力なので。間欠泉とかも見てもらった方が早いですよね?」


「わかった。ん? どうした? カルマ?」


「……いや。ただ、考え事。聞いた情報と、調べた情報を合わせてたの。」


「何か、わかったか?」


「いや。なんにも。まあ、聞いた話で大体理解できたかな。状況は。」


「……そうか。では、行くぞ。」




 俺達は校庭へと向かった。


「先生!」


 四葉が大暮先生にかけよる。


「四葉。問題ありませんでしたよ。これを。」


 そう言って、ラッパを四葉に手渡す。

 大暮先生は、音楽室に呼んだのは落ち着いて話をする為と、楽器を取る為だと言っていたが、大暮先生と四葉で分かれたのは用心のためだろう。最悪の場合、四葉だけでも逃がせる算段を立ててあったのだろう。

 用心深いのは実に結構なことだ。むしろ、簡単に信用されすぎる方が裏を読もうとしてしまう。


「……大暮先生。一応、四葉と話した記憶がないんだ。軽く自己紹介をしてもいいか?」


「え? ええ。もちろんです。」


 警戒するように、先生の後ろに隠れている四葉に向き合う。


「警戒するなという方が、無理だろうが……。少なくても、今は敵じゃない。名前は知っていると思うが、明心鳩子だ。カルマ(こいつ)の所で、…………魔法少女をやっている。」


 他に、自分の説明のしようが思いつかなかった。

 海原光明だと言うには、説明に時間がかかりすぎる。わざわざ、開示する情報でもないが。


「で、こいつが……」


「僕は天狂院カルマ。狂気の科学者(マッドサイエンティスト)さ!」


「……天狂院……カルマ……? それって、先生の王子様の名……」


「わー! わー! わー! 四葉! 一体何を言おうと!?」


「あ。そうか。……でも、先生。本当に?」


「はい。この人はカルマ君で間違いないと思うわ。」


「そっかー。先生が好きになっ――「言わせないわよ!」」


「四葉!」


「ふひひ」


「もう! ほら、四葉も自己紹介を。」


「あ。私は、若宮四葉(わかみやよつば)です。よろしくお願いします。明心さん。天狂院さん。」


「ああ。よろしく。」



「では、早速ですが、間欠泉を見てもらえますか? 数匹ほど魔物も出てくるかと思いますので、用心を。」


「カルマ。一応、下がってろ。」


「ういうい。了解。」


「それでは、行きますっ!!」


 

 大暮先生が何かをつぶやく。


 瞬間、ばっと魔力の塊が噴き出した。そして、再び何かを呟き、噴き出した場所に栓をする。


 四葉がラッパを吹き、音で噴き出してまとまりのない魔力を固めていく。


「ほう……」


 散っていた魔力が固まりになっていく様は、なかなか壮観だった。

 

 気を抜かずに、辺りを警戒しながら、杖を構えて変身の構えをとる。遥か上空から感じる重圧(プレッシャー)。間違いなく、いる。



 俺は杖を構えた。

 杖を頭上に掲げ、円を描く。

 そこに魔方陣が浮かび上がった。


「我、闇を撃ち抜く光とならん!」


 魔方陣が俺のの頭上より落ちていく。

 俺を包み込んでいく。

 光に包まれながら俺が変身を遂げていく。

 杖が(リボルバー)へと変わる。

 くるりと回って、銃を構えた。


「魔法少女キルマ☆カルマ! ハート推参!」


 


次回『35話:VS クロコッタ』


ちょっと戦闘回。

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