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ダンジョン探索者だけど猫耳美少女になった件について  作者: 蒼井茜


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経過報告

 朝になって【ハウジング】を解除したらそこは更地でした。

 ……とは流石になっておらず、異臭漂う部屋のままだった。

 ただし部屋はボロボロで、壁には小さな傷がいくつもついている。

 穴が開いているし……これ銃弾かな?

 それと筒状の何かが落ちているが発煙筒じゃないな……スモークかフラッシュかわからんがグレネード投げ込まれたんだろう。

 そして銃撃の後、誰もいないから出て行ったと仮定するべきかな。


 だとしたら他の部屋の客は無事だろうか……。

 そんな事を考えながら雑賀さんに連絡する。

 ちなみにアネモネはそのまま【ハウジング】の中に置いてきた。

 もう面倒くさいからあそこに入れておいた方がいいだろう。

 最悪の場合勝手に出てきそうだし。


「おはようございます。ハウジングで寝てたら部屋が銃撃戦の後だった件について」


「処理しましたのでご安心を」


 電話越しに朝っぱらから物騒な答えが返ってきた……。

 何も安心できないが?


「どこです?」


「ロシアですね。随分な強硬策に出たみたいですが、狙撃もでした」


「はぁ……まぁあの国もダンジョン抱えてますからね。クッソデカいの」


 ロシアが抱えているダンジョンはシベリアそのものが変質したフィールド型ダンジョンだ。

 常に地形が変わり、別フロアに行くための階段すら常時移動しているから攻略は困難。

 ついでに言うと徐々に範囲を拡大しているらしく、そのうち大陸全土がダンジョンになるのではと示唆されている。

 と言ってもその拡大速度は比較的緩やかなので、大陸全土となるとあと数百年はかかるだろうという話だ。

 似たようなのだとゴビ砂漠とかがその類だけど、緑地化する事で拡大を防ぐことができたらしい。

 シベリアはその対処法がわかっていないのでどうにもならないとかなんとか。

 研究者が必死に拡大を防ぐ手段を捜しているけど見つかってないらしい。


「とりあえず昨日軽く聞き出した範囲ですが、ダンジョンの異常はエウレカとは無関係みたいです。やはりアナウンスが原因の可能性が高いですね」


「こちらもダンジョンで採取したキノコなどを検査しましたが、本来ならダンジョン内には生えていないはずの食用の物でした。無毒とわかるや否やバター醤油で食べた職員がいまして、今検査中です」


「……食い意地って怖いですね」


「そうですね。頭の痛い話です……ちなみに三上さんからお預かりしたポーション類ですが、どれもダンジョン産の物と遜色ない代物でした。エウレカさんとの戦闘で使った最上級品なら兆を超える金額がつくかもしれません」


「兆!?」


「折れた歯なども復元する事から理論上手足の再生、つまり物理的に生やす事もできるのではないかと言う予想からです。そうでなくても億では安いと言われると思いますが」


「……数百個あるけど秘密でお願いします」


「いざという時に融通していただけるのであれば、こちらから情報を漏らす事もありません。というかその情報は私の胸に留めておきます、マジで世界がひっくり返りかねない情報なので」


「ですよねー」


 そりゃ肉体の復元とか再生が可能ってなったらね。

 プラナリアみたいな実験始めるマッドもいそうだし、そうでなくても色々悪用できてしまう。

 希釈したとしてどれくらい影響あるのかとか、そういうのも考えるとおいそれと【インベントリ】のアイテムを出すわけにはいかなくなった。

 そしてそれらのアイテム同様、あるいはそれ以上の能力を持つ回復魔法なんか絶対に人前で使えねえよ……。

 回復魔法は高レベルになると全回復とか当たり前で、持続回復、俗にリジェネと言われるものもある。

 他にも解毒や解呪ができる魔法もあるし、基本的に割合回復だからな。

 確か使用者のレベルと回復魔法に関係する信仰心のステータスと、装備品のステータス上昇効果や事故強化のバフで計算するんだったか。

 ゲームじゃ詳しく調べたことなかったからな……信仰心とか俺自身はそんなに持ってないけど、ゲームシステム上だと勝手に上がっていく仕組みだったし。

 何かを信仰するというよりは神の頂に近づく云々とフレーバーテキストに合った覚えがあるな。


「もしほかに調べたいものがあればいつでもご連絡ください。周囲の掃討は終わっていますので、これからお迎えに参ります」


「わかりました。アネモネはどうします? 今は【ハウジング】に入れてますが」


「できれば顔を見せてもらいたいですね。ロシア以外の方はまだ残党がいる可能性が高いので、姿を見せてもらった方が陽動にもなりますし」


「わかりました、この後蹴り起こして迎えを待ちます」


「10分後に到着しますので、しばしお待ちを」


 そうして電話が切れた。

 ……さて、俺の蹴りで起きてくれるといいんだが。

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