第209話 【オマケ】祝いの日 ★ギルバート国王 SIDE(誰かの心の声)
このお話しは、昨日完結したお話しのオマケです。
()の中は、誰かしらの心の声となっております。
話し口調などで、誰の心の声か当ててみてくださいね♪
純白のドレスに身を包むのは、可愛い娘のリオだ。異世界から召喚して早2年が過ぎようとしている。我がデュルギス王国では、リオが起こした奇跡を知らない者はそう多く無いだろう。平民の間でも、リオは神格化されているからな。
国外に関して言えば、アンタレス帝国の皇族に近い者達は知っているぐらいだろうか。まぁしかし、今日という日に、リオの起こす奇跡を目の当たりにした国外の王侯貴族達によって、この世界の全ての者達に『リオの起こす奇跡』の数々を知らしめる事となりそうだな。
美しい女神様を祀った教会では、沢山の精霊が参列者の頭上で舞い、色取り取りに美しく輝きながら、入場して来たリオに「おめでとう!」と声を掛けたり戯たりしている。私が「初めて見る光景だ」と呟いたら、アンタレス帝国の皇帝陛下も「私もだ」と返答して来たからには、恐らくこの世界で初めて『沢山の精霊に祝われた夫婦』なのだろうな?クックッ。
(あ、あり得ない……いや、目の前で起こっているからにはあり得るのだろうが……まさか、契約精霊以外の精霊達まで自ら進んで人間に関わろうとするなんて初めての事なのではないか?まぁこれならば、アンタレスとデュルギスが仲良くしていても問題あるまい。我が国の長年における問題も片付けてくださった上に、精霊達の憂いすらも無くしてくださった大聖女様には、我が国は今後も頭が上がらないだろう……)
(なんて美しいのかしらねぇ。リオちゃんのウェディングドレス姿は一度試着の時に見ているけれど、明るいお日様の下で見ると、一層輝いて見えるわぁ。知り合ってまだ間もないけれど、もうかけがえの無い婆の家族だものねぇ。これからはカミルちゃんも家族になるのねぇ……大好きな2人と家族になれるなんて、幸せ過ぎて困っちゃうわぁ……)
(あぁ、案の定、婆さんが泣き出してしまったわい。今日はハンカチを多めに持って来たがのぉ。リオをカミルの元へ送ったら、急いで婆さんの所へ戻らねば。それにしても今日のリオは綺麗だ。ワシと婆さんの家族になってくれた事に感謝しておるぞ。そうじゃ、婆さんとリオにお揃いのネックレスでも作ろうかのぉ。結婚式記念とでも言って、同じデザインで色違いの石を使うのも良いかも知れんな。きっと婆さんは寂しさを感じてしまうじゃろうからな。うむ、そうしよう)
リオをカミルの元まで送り届ける新婦の父の役目を引き受けたのは、当然、リオの後継人である賢者の爺さんで。赤い絨毯の上をゆっくりと歩く様は、とても幸せそうだ。リオが召喚されてから色んな事が起こったが、その中心にいたのはこの2人が多かった気がするな。我が国に貢献してくれる家族が増える事はとても喜ばしい事だ。
(さっきも思ったけど、今日のリオは本当に目が眩む程、美しいね。リオを僕のもとに招んでくださった女神様には感謝しか無いよ。やっと結婚出来る喜びと、これでリオに懸想する者達を堂々と牽制出来るもんね。ぼ、僕のつ、妻なんだから!ふふっ。必ず幸せだと思って貰える様、僕も頑張るからね、リオ)
何とか無事に、リオがカミルに引き渡された様だな?ベールをかけてはいるが、リオとカミルはしっかりと目線を合わせて微笑んでいる様だ。カミルはリオの手を取り、ゆっくりと自分の元へ引き寄せる。若い女の子達があちこちで「キャー」と小さく声を上げていた。
(はぁ〜、やっぱりリオお嬢様はお美しいですぅ!頑張った甲斐がありましたー!)
(マリーが興奮しすぎているわね。暴走しない様に監視しておかなきゃだわ。それにしてもリオお嬢様は今日もお美しいわぁ。これからも、リオお嬢様……いえ、王太子妃殿下に誠心誠意、努めさせていただきますわ。これ以上の主なんて、この世にいないわよね)
そんな中、リングボーイを任されたルトが、指輪を乗せたリングピローを大事に抱えてカミル達の元へ歩いて向かう。今日のために揃えた正装は、リオからのプレゼントだ。しっかりと勉強を頑張っているルトは、文官の試験にも合格したらしい。そのお祝いを含め、ちゃんとした正装をプレゼントする為にもリングボーイを頼んだらしい。ルトがプレゼントの受け取りを断り難いと考えたのだろう。優しいリオらしい考えだな。
そんなルトが、フワッと浮いた。ルトは驚きながらも頑張って声を上げずに耐えた様だな?どうやら精霊達がリングピローだけでは無く、ルトごとカミルの元に運ぶ事にしたらしい。恐らく、リオがルトを可愛がっている事も理解しているのだろう。精霊からのサプライズ……だと思って良さそうだな?クックッ。
(聖女様の結婚式なのだから、何かしら予定通りにならない事が起こるだろうと父上には言われていたけれど、まさか精霊に運んでもらえるとは思わなかったよ。抵抗せずに、聖女様の所までじっとしていよう……)
(あらら、ルトは良く耐えましたね。あらかじめ、何か起こるかも?なんて冗談で言っていたのが当たってしまいましたね。まぁ、これも良い思い出になったんじゃありませんかね?ふふふっ)
正直、招待客は全員驚いていると思うがな?何せ、リオや精霊に慣れて来たはずの私や王妃すら驚いているのだから、他国の人間が驚かない訳が無いのだ。
2人が微笑みながら誓いのキスをした瞬間、女神像が神々しくパァ――――ッと輝いた。そして、頭上から金色の美しい光が降り注いだのだった。間髪入れずに今度は空が白く光ったと思ったら、頭上から純白の光が降り注ぐ。招待客達は、口々に「奇跡だ!」「祝福だ!」と小さな声で感激していた。
(リオは何者なのかと国外の人間は思ってしまうのでは無いかしら?デューク様との婚約も決まったし、これからはわたくしもリオをしっかりサポートしつつ、守ってあげなきゃね)
(とても素晴らしい結婚式になって良かった。いつか私とリアも結婚するのだから……今のうちに、リアがどんな結婚式がしたいのか調べておく必要があるな。終わって一息ついたら、今日の式の感想を聞き出すべきだな)
(はぁ……この国に初めて来た時に、カミル殿下を敵に回さなくて良かったと本気で思う。これからも2人の未来が明るいものになる様、お手伝いしていきたい。それにしても、こんなに精霊に愛されているのに驕りもしない聖女様は凄いなぁ。とても尊敬できる。そして今日はいつもより一段と美しい……はぁ、俺も早く良い人を見つけたいなぁ…………)
私を含め、王妃や宰相達も驚き、感激して固まっていたのだが、リオとカミルは全く驚いていないな?女神様と精霊王の粋なサプライズだったのだろうが、2人とも嬉しそうに微笑み、空に向かって手を振っていた。んん?え?そこにいらっしゃったのか?マジで?
(リオちゃんが只者では無いと分かっているのだけれど、それでもやっぱり何かしら起こると、『凄い』としか言葉が出て来ないわね。今日が終わったら、寝ずにギルと今日の話しで盛り上がりそうだわ。カミルの妃がリオちゃんなら、ギルも退屈せずに過ごせそうね?ふふふ)
そんなこんなで結婚式は終わり、次はパレードなのだが……賢者の爺さんが、デュルギス王国の力を他国に見せつける為に、準備をしたと聞いてはいた。確かに耳にしていたのだ。リオが発案した『飛行機』は、デュークが魔石を動力にして飛ばせる様に改良もしたと聞いていたから、てっきり『飛行機』を飛ばすのかと思っていたのだが。
「あ、あれは何なんだ?」
私と王妃は城下を眺めようと、城の1番高い位置にあるバルコニーへ出て来たのだった。そんな私の目線よりも上を大きな物体がフワフワと浮かんでいて、その物体からは、色取り取りの花びらが撒かれている様で、ヒラヒラと風に舞っていた。結婚式も素晴らしかったが、こちらも幻想的な風景だな……
「あぁ、あれは『飛行船』と言うらしいですよ。空気よりも軽いガスが、あの楕円形の風船の中に入っているから浮くそうです。『飛行機』は、浮かんでいるだけでも動力が必要ですからね。ガスと動力に使われる魔石では、どちらがコスト的に安いかと言われ、ガスは街灯にしか使われていないからと開発なさったらしいです」
後ろから飲み物を差し出してくれたノルト侯爵が説明してくれる。ガスは火が近くにあると爆発するから危険なのだが、この世界では魔法を使う事が多い。ちょっとした事故でガスを使っていた一帯が吹っ飛んでしまうのは困るからな。爺さんが防御魔法を組み込んだ魔石を使って補強し、王都の街灯だけはガスを使っているのだ。
「凄いな……ん?何故宰相は知っているんだ?」
「あぁ、それはルトの様子を見る為に、魔導師団には頻繁に出入りしておりましたので」
ふふんと、いかにも自慢げに話す侯爵が鼻に付くが、ルトが可愛くて仕方がないらしい侯爵は、先程リングボーイとして正装で式に出ていた彼を愛おしそうに眺めながら感動して涙していた。侯爵が泣いているのを初めて見たから驚いたぞ。まぁ、侯爵も人の子だったと言う事だろう。失礼過ぎるか?クックッ。
さて、このパレードの後が披露宴なのだが、基本的には披露宴は社交の場で、主役の2人は下がってしまう事が多い。仲の良い者達に軽く挨拶したならば、今日の日程は終了だな。
『そろそろリオの所に帰っても良いかなぁ〜?』
『ダメだよ、ソラ様〜。今日はリオのお部屋はカミルが一緒に寝るんだって、今朝方言ってたよね〜?』
『う〜ん、多分大丈夫だと思うよ〜。ほら、リオが耐え切れずに先に寝ちゃってるもんね〜』
『あ〜……本当だね〜。なんとなく、カミルが可哀想だけど、まぁ大変だったし仕方ないよね〜。今日はリオとカミルとソラ様も一緒に寝る〜?』
『そうだね〜。4人で寝ようか〜。主寝室のベッドって、すっごく大きくてフカフカらしいからね〜』
『そうなんだね〜!楽しみだな〜』
本来であれば、結婚式から数日は社交の為に連日連夜パーティーなどを催すのだが、今回は早くから入国している国が殆どであった為、直ぐに帰路に着くだろうと思っていたのだが……この奇跡の様な結婚式に興奮した者達がその日を振り返り、興奮冷めやらぬまま王国で騒いでいる状態が数日続くのだった。
最後までご覧頂き、ありがとうございました!
『異世界に召喚されたので、好き勝手に無双しようと思います。〜人や精霊を救う?いいえ、ついでに女神様も助けちゃおうと思います!〜』は、この回で一旦終了となります。
このお話の続き......結婚式の後も、いつか書く日が来ると良いなぁ〜と思っておりますが、誤字脱字を直したりするのにも時間がかかりますので、まだ考えられないって言うのが正直な感想です(^◇^;)
70万文字をオーバーして長編になってしまいましたが、ここまでお付き合いくださり、本当にありがとうございました!
また機会があれば、よろしくお願いします♪




