コード91「飛雷する魔術」
第91話
前回、サマーデュエル本選が始まったところから
大会はスタジアムの中央の至るところで始まっている。
第2ブロックエリア。
エリナがまず入場する。
鞭のようなものを持つ、男が対戦相手だった。
「初戦、よろしくお願いします。」
エリナは優雅にお辞儀をする。
鞭を持った男は、地面を叩きながらニヤニヤとエリナに向く。
「へっ!俺様が負けるわけねぇだろ!俺は毎年ベスト8まで行ってるんだからな!」
リーナとリベラは微妙な順位だと同時に思った。
「では!カロvsエリナの試合を始めます!第2ブロック、第1試合開始です!!!」
カロという男は鞭を振り回した。その鞭には魔力が込められている。
「オラオラァ!どうしたぁ!動けないのか?はっ!帰ってママに泣きついとけよ!もしくは…お前、良い女だなぁ…試合の後、ちょっとお茶でもしない?」
エリナはため息をつく。ごくわずかな動きで鞭を避けている。
以前は、メガネをかけなければいけなかったのだが、
今は何故か、視力も良くなり、メガネは必要としていない。
むしろ、動体視力が上がっている。
「ははっ!試合の後が楽しみだなぁ!巻き付け!」
鞭がエリナを狙う。
エリナは姿勢を低くし、白色と琥珀色が混じったブレスレットを握る。
魔力を解放すると辺りに電気が弾ける。
「魔力帯電…。解放。」
エリナのブレスレットが輝く。
その様子をカナリーとマナが見守る。
「飛雷纏魔術<スペル・飛雷放>!」
激しい光と、タイルの地面は焦げる。
男の持つ鞭が、弾け飛ぶ。
エリナの通った箇所の地面のタイルが剥がれ落ち、
電撃が彼女を纏う。男の持つ鞭が9割焼き切れていた。
そして、カロ選手に手をかざす。
相手選手が静電気に驚き、尻もちをつく。
「降参をおすすめします。このまま続けますか?」
エリナのボブカットから魔力髪が伸び、雷の紐のようなものでポニーテールの姿となっていた。
カロは両手を上げ、降参した。
「勝者!エリナ・シャアトレスタ!」
会場は大歓声に包まれる。
「それから、誘って頂いたことは嬉しく思いますが、お茶は遠慮しておきます。私には大切な方が居ますので。」
エリナは優雅に、礼儀正しく、丁重にお断りを入れた。
「まさか!雷魔術を使う者が現れるだなんてびっくりですね~!ね!先輩!」
レイラは解説を始める。
電気エネルギー。
「この世界において、雷魔術を扱える者はかなり限られています。理由としては、難易度がかなり高い事。扱える人物がほとんど居ない為になりますね。操作性は悪く、危険も多い。しかし、その絶大な破壊力は、大きなアドバンテージとなることでしょう。雷魔術に魅せられ、制御が効かず、死亡した者も少なくありません。」
レイラはエリナの方を見つめる。
「それを、あのように完璧に使いこなせるとは。素晴らしいです。」
会場は盛り上がる。あの、セカンドのレイラに認められるだなんて。と声が上がる。
エリナは優雅にお辞儀をし、そのまま控室へと戻っていった。
時間は遡り、試合前の朝。
「エリナさん、これ、受け取ってください。」
カナリーは昨晩にマナに頼んでブレスレットを制作してもらっていた。
エリナはそのブレスレットを宝物のように大事に装着する。
「「「祝福します!」」」
「「「心魂の繋がりを確認しました!おめでとうございます!エリナ・シャアトレスタ様に、魔力帯電を授けます!」」」
エリナの体の方に常時魔術が刻まれた。
空気中に漂う魔素をエリナの体に少しずつ取り込むことが出来、
それを、エリナの魔力と合わせ溜めていく。
魔力帯電
エリナは大事そうにそのブレスレットを握っていた。
現在、選手控室。
「エリナさん!見てましたよ!やりましたね!かっこよかった!」
エリナはカナリーの顔を見ると、クールだった表情がほんの少し緩んだ。
「ありがとうございます。常時魔術の、カナリーさん達のおかげです。」
それから、フェニとケーシィも1回戦を無事に突破していた。
この3名のうち、第2ブロックでは誰が決勝ブロックへ進めるのだろうか。
エリナの雷魔術が炸裂しました。
魔力帯電
空気中に漂う魔素は彼女の魔力に変換することが可能。
ほぼ無尽蔵な魔力を得ることができ、
オンオフ切り替えることが可能となっている。
エリナはかなりの魔力量を扱うことが可能となりました。
そもそも、雷魔術は燃費がかなり悪く、1回の魔術で
他魔術の倍くらい魔力をごっそり取られてしまいます。
それを魔力帯電で補えるというわけですね。
第91話、読んでいただきありがとうございます。




