コード83「それぞれの森の中での戦い」
第83話
前回、モンギィ・レクスと遭遇してから
教員達が慌ただしくしていた。
「予選は中止だ!レクス級が出るなんて聞いてないぞ!オレスティエはどうなってるんだ!」
オレスティエに配備されている教員達に通信魔具で連絡を取ろうとするが、
何かに妨害され、連絡がつかない。
現場では、磁場が歪み、雷鳴が轟いていた。
「ウキャァァァァァァァ!!!!!!」
モンギィ・レクスが槍をフルスイングした。
カナリーは魔破片で作った剣で防御するが、
思った以上にモンギィ・レクスのパワーが強かったらしく、
草原地帯から再び森林地帯へ吹き飛ばされる。
地面がえぐれ、木々も薙ぎ倒れていく。
カナリーはエリナを抱きかかえ、魔破片で作った全方位結界で守ったが、
森林の奥まで弾き飛ばされてしまった。
一方その頃のケーシィ
「はぁ…!はぁ…!ライジェル流格闘魔術…!」
たった一人で大量の魔物や魔獣と戦っていた。
このエリアに居るモンスターのランクはCランク、
数体のBランクモンスターがケーシィを睨んでいた。
「キリがありませんわ…!カナリーさんのところに行かなきゃですのに!」
ケーシィは取り囲まれていた。
一体の魔物がケーシィの前に立ちはだかる。
Bランクモンスター
オークファイター。
その体長は、3m。
ケーシィよりも大きな体で筋肉量もかなりのものだった。
「グガァァァ!」
オークがケーシィに殴りかかる。
「ライジェル流…!」
ケーシィは掌底でそれを迎撃する。
一方、別視点。
「なんだか、騒がしいです。さっき空に光る何かが飛んでいったかと思えば、魔物の気配が前方にたくさんありますし、向こうの方の木々が薙ぎ倒れていくのも見えましたし、オレスティエはどうなってるですか。」
魔女帽の少女は不安そうに考え込む。
「分かんないけど~…なんかまずい事になってるのかもね。どうする?うちらの主を探す?それとも、魔物らを蹴散らす?」
フードを被った少女は楽観的に考える。
魔女帽の少女は思考する。
主は、きっと大丈夫。この場では、他の学生らを守るのが先決と判断する。
「魔物らを蹴散らしに行くですよ。私たちの大将はきっと大丈夫です。」
2人は一気に走り出した。
フェニ視点
「なに?予選待機?なぜだ?なにがあった?」
フェニは教員らから話を聞いていた。
「とても危険な魔獣が現れたので他の先生方がそれの対処に向かっています。それまでは、各自休憩エリアで待機していてください。」
フェニはその魔獣のもとへ向かいたいと思っていた。
どうしてか、覚えていないが、過去に
魔物にこっぴどくやられてしまったことがある。ような気がしている。
(どうしてだろう…この感情は…リベンジ…?誰に…。魔物に…?)
フェニはその記憶を思い出すことはない。
だが、居ても立っても居られなかった。
教員の呼び止める声を無視し、フェニは突っ走った。
カナリー視点
カナリーは飛ばされながら考えていた。
(このお猿さん…すごい…!魔獣ってこんなにもパワーあるんだ…!ドラゴンの時もそうだったけど、自然界ってすごい…!)
魔破片でクッションを作り、エリナを抱え、着地する。
カナリーは勘違いをしていた。
この、モンギィ・レクスは特別だった。
カナリーが過去に放った槍を手にして進化していたから、
こんなにも強力な個体となっていたのだ。
カナリーはもちろん、その事には気が付いていない。
「ウキィィィァァァァァァ!!!」
モンギィ・レクスが走ってオレスティエの山を登る。
カナリーへ向かって一直線に走る。
砂埃がこちらへ風のように向かってくる。
モンギィ・レクスがカナリーへ向け、槍投げした。
カナリーは咄嗟に魔破片で防御する。
だが、その槍には、未だカナリーの魔力が残っており、
魔破片を貫通してきた。
「やば、」
カナリーは辛うじて躱すことに成功した。
オレスティエの森林の木々が一直線に薙ぎ倒れている。
まるで、弾丸のごとく、いや、大砲のような威力であった。
良く見ると、雷の魔力の線のようなものが一直線に伸びており、
モンギィ・レクスがその線を引っ張ると、槍がモンギィ・レクスの手に返ってきた。
「捨てたわけじゃないんだね…!」
カナリーはとにかく、コースから離れるように、モンギィ・レクスを誘導していた。
ケーシィ視点
「はぁぁぁっ!」
オークファイターとの戦いが激化する。
力の差は体格と、パワーでケーシィが負けていた。
ケーシィに向け、アッパーが繰り出される。
クリーンヒット。
したかに見えた。その腕にケーシィは体ごと絡みつく。
(マナさんとの訓練で柔軟さを身に着けましたわ…!これで…!)
オークファイターの腕をぐるぐると回る。
「ライジェル流格闘魔術<スペル・鈍回脚>~!!!!」
オークファイターの首を回し蹴りで吹き飛ばした。
(はぁ…!はぁ…!Bランクの魔物は倒しましたわ…!だけど…)
ケーシィの周りには魔物が取り囲んでおり、
オークファイターが倒されたことによって、じわりじわりと
ケーシィににじり寄って来ていた。
(もう…ダメですわ……。いや!諦めませんわ!絶対に…!)
「はぁぁぁぁ!ライジェル流!」
リルフ&ノーマン視点。草原地帯と森林地帯の間の休憩エリア。
多くの学生達がここで、足止めを食らっている。
「予選は一時中断。どうなっちゃうんだろうね。他のみんなは大丈夫かな…。」
リルフは胸騒ぎをしていた。
ノーマンは飲み物を飲みながらその話を聞く。
「他のみんなって、カナリーさんとケーシィさんと、フェニさんとかその辺でしょ?大丈夫だって。あの人たちに何かあるとは思えないよ。」
時間は少し遡り、カナリー視点。
(この女の子を担ぎながらじゃ…どうしよう…うーん…。)
お姫様抱っこをしながら、モンギィ・レクスの攻撃を避けつつ、
カナリーは森の中を大爆走していた。
流石はレクス級。しかもカナリーの魔力に当てられているので
更に強力な個体となっていますね。
次回、カナリーはどうやってモンギィと戦うのか
第83話、読んでいただきありがとうございます。




