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『幾星霜のソムニア -私とAIの異世界転生!-』  作者: 星廻 月華
【夏休編:夏の大祭章】
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コード82「オレスティエの魔獣」

第82話

前回、カナリー達が爆走した後から

マナがスタジアムを後にしようとするが、

モニター魔術に見えた人物が気になる。


「あれは…。あの方は……。」


白と青緑のフードを被り、仮面の少女。

皆と変わらずに走っているが、一定の速度。

肩も上がっておらずに、楽そうに走っている。


「調べた方が良さそうですね。」



オレスティエ エリア46

Dランク帯魔物エリア


「ケーシィさん!少し休憩しますか?ずっと走りっぱなしですし。」


カナリーとケーシィは休むことなく走っていた。

ケーシィは息が切れ切れに対して、カナリーはけろっとしている。


「あ、は、はい…そ、うですね…!はぁ…!はぁ…!」

(き、きっついですわ…!カナリーさんの体力凄すぎませんか…?)


2人は辺りを警戒しつつ、テントを張った。

カナリーが、魔破片(フラグメント)で辺りに結界を張った。

「とりあえず、休憩ですね。」


先頭から数キロ後ろでは、別の学生達が休憩を取っていた。

「フェニ先輩、流石です!体力も凄いあるんですね!」


カナリーの後ろを走っていたのは、フェニ達の集団だった。


(カナリー、どれだけの速度で走ってるんだ…?全く見えない…。カナリーに特製ドリンクをあげたいのに…。)


またその後ろでは、


「ねえ、この辺り、魔物少なくない?なんか、変だよ。」

「そうですね。魔物や魔獣の気配が無いです。何もないといいのですが…。」


2人組が息切れなく移動していた。



先頭集団から、後方、数十キロ地点の草原。

「おい!さっさとドリンクを渡せよ。冷えたやつ!」


エリナはみなに頑張って付いていき、水分を分配していた。

「ご、ごめんね…!ここに来るまでに常温になっちゃった…。でも、はい!どうぞ!」


(みんなの為に、ちゃんと出来てるかな…。)

エリナは心優しい子であった。



そして、カナリー視点に戻る。


数十分休憩した後、再び走り出していた。

オレスティエ エリア46 ラージ湖

多くの動物たちの集まる湖。

ここを渡らなければ、先に進むことが出来ない。

湖はとても綺麗な水で満たされている。


「おかしいですわね…ここは、動物たちにとってはオアシス。もっと居るはずなのですが、全然いませんわね…。」


その為、普段であれば魔物や魔獣以外の動物も集まっていたりするのだが…

この日はとても静かな湖だった。


「何か…声…のようなものが聞こえませんか…?」

カナリーが何かに気が付く。遠くから何かの音が聞こえる。


「………ァァッ!」


「ウキャァァァッ!」


「ウキャァァァァァッ!!!」


大きなサル型の魔獣。モンギィだった。

森の中を突き破って、木をなぎ倒しながらこちらへ向かってきた。


「あれは!モンギィ!しかもかなり大きい…!レクス級…!?」



モンギィ・レクス。

モンギィの中でも、数多の苦難を乗り越えた歴戦の個体。

その体長は、15メートル。


「ウキィィィァァァ!!!!!」


その手には、謎の長い槍が握りしめられていた。


(あの槍…どこかで見たことあるような…?)

カナリーがどこで見た者かを思い出そうとしている。


「カナリーさん!危険ですわ!逃げま…」


カナリーが槍で殴られ、はるか後方へぶっ飛ばされてしまう。

咄嗟に、魔破片(フラグメント)で防御していた。


ケーシィは1人になってしまう。

モンギィ・レクスに足がすくむ。

(このままじゃ…殺される…!)


だが、モンギィ・レクスはケーシィを一目見ただけで、何もせず、

クラウチングスタートの態勢を取り、一気にダッシュした。


木がなぎ倒されていく。


モンギィ・レクスの背後から、魔獣らが大量に押し寄せて来る。


モンスターパレードが起こっていた。

ケーシィはすくむ足を叩き、構える。


(生き残ってみせますわ…!)


フェニ視点。

光る何かが空を飛んでいった。

(ん?何かが後方に高速で飛んでいった?)



エリナ視点。

「おい、タオル!さっさと渡…」


そこへ、空から高速で何かが降ってくる。

地面がえぐれ、穴が開いている。


「な、なんだぁ!?敵か!?」


エリナはその穴の中を確認する。

クリスタルのような破片の中に人が防護されており、

大きな結界が穴の中にあった。


地鳴りが遠くからどんどんと近づいてくる。


「ウキャァァァァァッ!!!」


モンギィ・レクスが凄まじい速度でこちらへ走ってくる。


「な、なんだあの魔物!?いや、魔獣か!総員!戦闘準備!」


だが、学生達が蹂躙されていく。


「がはっ!お、おい…お前…たすけr…」


エリナを虐めていた男達は血まみれになり、

辺りは血祭となっていた。


エリナは怯え、足がすくみ、泣いている。

「あ…あぁぁ…だ、ダメ…だれか…たすけ…」


モンギィ・レクスが槍をエリナに叩きつけた。


「魔力之魔術<スペル・魔破片(フラグメント)>!」

カナリーが間一髪でエリナを助けた

魔破片(フラグメント)で2本の剣を作り、クロスさせ

槍を受け止めていた。


「思い出した!その槍!前に授業で使った槍だ!」


カナリーが30枚の的へ向け思いきり投げた槍だった。

オレスティエまで飛んでいっていたその槍は、後にモンギィが手に取り、

カナリーの魔力に当てられ、進化しモンギィ・レクスとなっていた。


「あ…あぅぅ…」

エリナは腰を抜かしていた。


「大丈夫ですか!?怪我はありませんか!?」


エリナはコクリコクリと頷く事しかできなかった。

モンギィ・レクスが槍を掲げる。辺りに雷鳴が轟き、雷が放電された。


「くっ…!雷が体を伝って…守り切れな…!」


カナリーはエリナを抱きしめ庇う。

雷がカナリーを通して、エリナを感電させてしまう。

「あぁっ…!ダメ!そんな!」


カナリーの周りがパチパチと弾ける。

エリナは気絶してしまう。急いで、脈を確認する。

「良かった…!脈はある…!この子を急いで救護班に届けなきゃ!」

モンギィ

魔獣の一種。

サル型の魔獣であり、通常種は3mほど。

レクス級になると、かなりの大きさとなる。


槍

以前、カナリーが授業で使った槍。

魔力伝導されており、雷電の力が纏わりついていた。

その為、モンギィは属性を持たない魔獣であったにもかかわらず、

雷を操る魔獣へと進化していた。


レクス級、久しぶりに出ましたね。

というより、魔物や魔獣が久々に登場しました。


カナリーもピンチ (?)ですが、同時にケーシィもかなりのピンチですね。

モンスターパレードを生き残らなければなりません。

さて、皆はどう立ち向かうのか。


第82話、読んでいただきありがとうございます。

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