コード81「オレスティエ大爆走」
第81話
前回、予選が始まったところから
魔の大森樹林オレスティエ。
広大な森林地帯。
都市に近いエリアに一番弱い魔物、魔獣が
数多く生息している。
今回のスペルマラソンは、そんなオレスティエを横切り、
インペスト大山脈の指定されたエリアへ走り抜けるものとなっている。
ゴールまでは、早くて2日、通常3日はかかる。
魔術を使っても良く、なんでもありのマラソンである。
道筋は決められており、チェックポイントに立ち寄ることで
食材、テント、その他備品など入手することが可能となっている。
ちゃんとした、サバイバルだった。
仮魔術士以上のものでなければ、予選に出場することもできないものとなっている。
カナリーとケーシィは2人で一気にスタートダッシュした。
森林地帯を爆速で駆け抜けていく。
「カナリーさん!いったんスピードを落としましょう!こんなスピードでは…走り続けられませんわ…!」
「あ!すみません…!一緒に行きましょう!目指すは1位!えへへ。楽しくなっちゃってつい…。」
カナリーはケーシィの速度に合わせた。
後ろを見ると、他の参加者の姿はもう見えなかった。
この辺りは、もう魔物達の縄張りとなっている。
「ねぇねぇ、ケーシィさん、魔物ってどういうのが居たりするの?」
魔物について、ケーシィに質問してみた。
「魔物にもランクが振り分けられておりますわ。」
ーーー
Dランク
魔術を扱えない者でも、比較的楽に倒せる魔物。
体当たりされて、痛いレベル。
(スライム、リトルビートル、虫系の魔物や比較的温厚な魔物がこれに該当される。)
Cランク
一般人じゃ倒せない魔物。
魔術を使わずとも倒せるが、武器は使わないといけなくなる。
油断すると、手足など簡単に食べられてしまう。
ただし、一般人が戦術を駆使し束になればワンチャン倒せる。
(ウルフ、ゴブリンなど、牙がしっかりした魔物がこれに該当される。基本体長は2mを超える。)
Bランク
この辺りから魔物も強くなってくるランク帯。
魔術を使用しつつ、ちゃんとした対策がなければ
一般人の何人が束になっても勝てない。
石など、硬いものでも簡単に壊すレベル。
(ゴーレム、ビッグスパイダーなど、体格が大きくなってくる。)
Aランク
魔術師越えでなければ、戦うのも危ないランク帯。
その割には、数多くの魔物がこのランク帯に位置している。
村や町が簡単に滅ぶレベル。
(ワイバーン、ガーゴイルなど魔術を使用してくる個体も居る為、かなり危険。)
Sランク
魔術師が束になって戦うレベルのランク帯。
Aランクの魔物10体が束になっても敵わない程。
都市が簡単に滅ぼされるレベル。
(ドラゴンやケルベロス、グリフォンなど他にも多数のSランク帯の魔物が存在している。)
Sランク+ (オーバー)
国が滅ぶ。
(伝説的な魔物がこれに該当される。数はかなり少ない。世界に50体いれば良い方。)
EXランク
世界の終わり。
(かつて、邪龍と呼ばれた魔物がいた。その邪龍が復活すれば世界の終わりだと言われている。)
ーーー
「簡単な解説はこのくらいですわね…!走りながらだときついですわ…!」
今回、走るのはDもしくはCランク帯の魔物が居るエリアのみに限定されており、
事前に先生方も入念なチェックをした後に、走るゾーンが指定されている。
だからと言って、危険が無いわけではない。
ウルフやゴブリンだからと気を抜けば、簡単に死んでしまう。
休憩を挟みつつ、走り続けた。
しばらく走っているとチェックポイントに到達した。
テントが張られており、数名の教師がそこに居た。
「うおいっ!びっくりしたぁ!もう来たのかい!?ここまでで、数キロはあったのに…!早いね~!じゃあ、水分と、簡易食料だね。次のチェックポイントで食器やテントが貰えるだろうから、頑張ってね~。あ、もしリタイアするならすぐに言ってね~。」
かなり危険なマラソンとなっている為、リタイアする者もかなりいる。
魔物に遭遇する学生もいる。
魔物に負傷させられる生徒ももちろんいる。
だが、死傷者は絶対に出さないように、何百名もの監視者や
医術師、魔術師が配備されていた。
数キロ感覚で、通信魔具で連携を取っている事になっている。
カナリーとはまた別の生徒視点。
「はぁ…おっせえなぁ…?俺らの荷物さっさと運べよ。は~~…本選に出れたらその時点で賞金が出るんだからさぁ…。50位以内目指せって。文句言うなよ?お前に持たせてやってんだから。だって俺ら、友達 だよな?」
数名の男子生徒が1人の女子生徒に命令している。
「はい…。持たせていただきます…。こんな私なんて置いて、先に行ってください…。」
彼女の名前は
『エリナ・シャアトレスタ』
オービット魔術学園在校生であり、カナリー、マナ、ケーシィ、リルフと同い年である。
卑屈で弱腰な性格なため、いつも誰かの言う通りにしている。
そんな彼女は、魔術を扱えていない。
ではなぜ、仮魔術士になれたかというと、
魔力の性質変化は出来たため、仮魔術士にはなれたというわけである。
(魔術を使えない私にも、友達って言ってくれたし…荷物、重いけど、頑張らないと…。)
何百名もの生徒達の一行の後ろの方には、
魔女帽を被った少女とフードを被った少女が2人でゆっくりと並んで走っていた。
「うーん、魔物が出れば、私たちで対処しようかと考えていましたが、出番なさげです。」
魔女帽を深く被りながら、フードの少女へ話しかける。
「そうだね~~。あ、そうだこれ、新しく新調したやつなんだけど、見てよ~。」
フードの少女が長い筒のようなものを手に持ち、自慢していた。
「これね~、『ボウガン』?って言うらしい。弓とはまた違うらしく、新しく作ってくれたんだ~~。」
2人は、走る速度を速めて、集団を抜けていく。
かなり速い速度で走っているが、2人は汗もかかず、
息切れもしていなかった。
参加者達みんながマラソンをしている中、
オレスティエの奥地では、魔物達の大行進が行われていた。
まるで、何かから逃げるかのように。
地鳴りが響き、一体の魔物が手に槍を持ちながら、一歩また一歩と
歩みを進めながら、マラソンルートへ進んでいた。
教員達は、オレスティエが騒がしくなってきたことに察知していた。
「さーて!始まりましたサマーデュエル予選!学生の部!皆さん頑張っていますね~!私たちも休憩を取りつつ、観覧していきましょう!席は自由に立っていただいて構いません!2~3日間、我々も実況していきますので、よろしくお願いします!」
マナは、マラソンの様子をスタジアムの映像魔術で見ていた。
魔物ランクも出てきましたね。
学生達が戦って良いランクは、C~Bまでとなっています。
Bランクも、基本ソロで戦ってはいけないとされている。
『エリナ・シャアトレスタ』
一応、貴族の娘。だが、自己肯定感がかなり低い。
薄茶色の髪で肩くらいまでのボブカットにしており、眼鏡をかけている。
過去に無理やり髪をばっさり切られてしまった過去がある。
元々は長髪。切られてしまった際、似合ってると笑い者にされたことがあるが、
ポジティブにとらえてしまい、そのままなのである。
第81話、読んでいただきありがとうございます。




