コード68「モニカ」
第68話
前回、マナがモニカと約束した後、帰還したところから
マナは、マリナ・アステライトの姿で輝鳥歴224年に帰ってきた。
雨は止んでいる。
急いで、学生寮へ帰る。
急いで、確認しないと。
会いたい人がいます。
マスター
マスター。
マスター!
走る。
正面玄関を開ける。
階段を走る。
部屋の前まで来た。
マナは前髪をセットし、扉を開ける。
みんなが出迎えてくれた。
「マナ!」「マナさんです!」「お、や~っと帰って来ましたね。」
カナリー、リベラ、リーナの三人は声をそろえて言う。
「おかえりなさい!」
やっと、帰ってくることが出来た。
「はい。遅くなってしまい申し訳ありません。」
「ただいま戻りました。」
カナリー視点では、マナが居ない間大変だったという。
まず、カナリーの魔力は何故か、制御されていた。
そして、マナが居なくなってから、リベラとリーナは
学園中を探して回った。
先生や、他の生徒に聞いても、その姿は見ていないと言われていた。
もしかしたら、学園都市の外に出たのかもしれない。
中央衛星都市サテリッズ中を探したらしい。
店舗都市から、廃棄都市、様々。
その過程で、凶悪な魔人集団の襲撃があったらしいが、
カナリーがそれを撃退。その様子は、
「今はそれどころじゃないの!邪魔しないで!」
魔力の込めた平手打ちで、魔人達を一撃で吹き飛ばしていた。
ルナリアには間一髪バレなかった。
学園に戻り、学園長にも話をしていたらしく報告もかねて、
他に見た者が居ないか話を聞きに行こうとしていたところ
マナがついに帰って来た。と言う感じだったとの事。
「本当にお騒がせしました。信じてもらえないかもしれませんが、少し過去に行っていました。過去で小さな出来事を起こしてしまって、そして世界線が変わり、マスターも亡くなり、中央都市が木っ端みじんになったり、ベアトリクス様から逃げながら、世界線を巻き戻したり。様々な出来事がありました。」
カナリー、リベラは不思議そうな顔をしている。
リーナに関しては上を見ていた。
「ま、まあ何はともあれ本当に良かった。みんな心配してたんだからね。」
カナリーはマナに抱き着いていた。
マナも抱き寄せ返していた。
マナは捜索に当たってくれた人々へ、挨拶回りをした。
アミルダさん、レイゼル先生、探偵部の皆、ケーシィさん、リルフ君、
他にもマナの事を知る、生徒達。
それぞれに、大変ご迷惑をおかけしましたと、
頭を下げていた。
そして、マナは学園長室へと向かう。
マナはノックをする。
「学園長様、失礼します。」
「どうぞ~。」
年老いた老人の声が聞こえる。
学園長室は庭園になっている。
川もあり、鳥や蝶々が飛んでいる。
「帰還しましたことをお伝えします。大変ご迷惑をおかけしました。」
マナは頭を下げる。
足元には、"花"がたくさん咲いている。
学園長は笑って許した。
「綺麗な庭園ですね。」
ソロモリア・オーディウスの庭園。
「あぁ、そうだろうそうだろう。昔に頑張ったんだ。」
観測演算魔術<スペル・魔視+>
花に対して、魔視+を発動する。
魔力が込められている。
魔力の形状変化。
どれも、全て。
確率、92%。
「あの、学園長様、もしかしたら、あなた様は過去に…。」
確信は持てない。だけど、マナの推測通りなら
「ソロモリア・オーディウス様、いえ、モリア様。と呼ばれていたのではないですか。」
学園長は目を見開く。
まるで虚を突かれたかのように。
「そして、モリア様、あなたはエルフなのではないでしょうか。」
学園長は顔を伏せたまま、コクリと頷く。
「何故君がその名前を知っているのかは知らないけど、懐かしい呼び名だ。それに、変質魔術を見抜くとは。」
庭園の奥の方で、鳥や蝶々が集まっている。
マナは学園長に許可を求め、その鳥や蝶々が集まる場所へ向かう。
マナが手をかざすと魔術式が現れた。
「設置起動式複合魔術<スペル・約束之花畑>起動。」
一体の輝く精霊が現れる。
青い髪、青い目、その姿はまるで。
学園長は驚いている。
そんなこと、不可能だと。
有り得ない。どうして。
もう二度と会えないと思っていた。
会いたかった…。
会いたかった…!
ソロモリア・オーディウス、モリアはゆっくりと一歩ずつ歩く。
その目には涙が浮かぶ。
モリアは魔術を使用し、
姿が過去のエルフの姿に戻る。
あぁ…ずっと…夢に見ていた。
もう一度君に。
「君が…完成させたかった、魔力の花。私は…出来たんだよ…!完成させたよ…。ずっと君に見せたかったんだ!ずっと…ずっと…!そして会いたかった…。ずっと。」
青い髪が風になびく。
そして、ついに振り返る。
「あら…お客さん…かしら……。」
精霊の目にも涙が浮かんでいた。
しかしその顔は屈託のない笑顔。
2人は再会を果たした。
マナの起動した魔術。
設置起動式複合魔術<スペル・約束之花畑>
モニカとモリアは手を取り、再会に涙を流していた。
「モリア、完成させてくれて、ありがとう…。」
「そして、会わせてくれて、会いに来てくれて、ありがとう…。マナちゃん…!」
魔力の籠った花弁が舞う。
「はい。約束しましたから。」
マナの胸の奥に熱く込み上げて来るものがあった。
花は咲き乱れ、風は吹き、魔力の花畑には新たな色が加わった。
枯れる事のない、綺麗で美しい青い花。
「約束の花畑は時空を超えて」
クライマックスを迎えました。
モニカはソロモリア・オーディウスこと、モリアと再会することが出来ました。
時空を超えての再会です。
ここで、学園長こと、ソロモリア・オーディウスのプロフィールを少し。
ソロモリア・オーディウス (性別不明)
妖精種
使用する魔術。「変質魔術」
物体であるなら、何にでも変質が可能な魔術。
モニカが死んだ後に、習得。
カナリーが始めの方に見た半透明な精霊というのは、モニカの事だったんです。
モリアの研究室の未来は、学園長の庭園と言う事ですね。
そして、魔石核。これは、モリアが見つけます。
これを見つけ、変質を理解し、その魔術を編み出す事に成功するわけですね。
全ては繋がっています。
ちなみに豆知識程度ですが、今回の章は雨音とピアノバラードを聴いていると思いつき、今回のお話を執筆していました。
第68話、読んでいただきありがとうございます。




