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私とAIの異世界転生!  作者: 星廻 月華
【魔剣編】
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コード33「魔剣ノ魔女」

第33話

前回、リベラを止めた後から

リベラの意識は深い暗い闇の底へと墜ちていく。

(あぁ…この都市が…壊れる…。ごめん…私のせいで…)


…一瞬で周りの空気が変わった。

ピリピリ…いやビリビリと空気が振動、

いや空気が悲鳴を上げている。

起こしてはいけないものを起こしてしまった。

マナが観測魔術で確認する。

その者の情報をキャッチした。




「「「「「魔剣ノ魔女」」」」」




リベラは眠そうな顔から一変し、激しくこちらを睨みつけた。

廃棄都市に居るスラムの人々の息遣いが荒くなっていく。

周りの者達は、息が詰まるような感覚に陥っている。


魔剣ノ魔女が肩に背負っている魔剣を手に取る。

重い…重圧に耐えきれずに失神してしまう者も居た。


あるいは、涙を流し、死にたくないと言う者も居た。

それは、本能からなのか、口に出た言葉のようだ。

また、ある者は神に祈っていた。

「あぁ…神よ…我らをお救いください…赦してください…」


マナがカナリーへ簡潔に説明する。

「マスターあの者は魔剣ノ魔女です。非常に危険な存在です。」


驚きを隠せないカナリー

「一体何が起こっ…えっ…?」


全てを言う前に魔剣の魔女が横薙ぎした

「……」


廃棄都市に大爆発が起きた。

それはまるで小さな閃光が広がりそれはまるで燃え盛る業火のごとく。


魔剣の魔女は何もしゃべらない。

ただ、こちらを見て、魔剣を緩やかに持つ。


マナがカナリーごと防御結界を張り、守っていた。

だが、魔力が一瞬で全て蒸発したらしく、もうあまり

魔力が残って無いらしい。


「マスター、どういう理屈かは分かりませんが、あの者の魔剣は魔力に何かしらの作用があるようです。お気をつけて。」


魔剣ノ魔女が高速で動く

カナリーへ魔剣を振り下ろそうとし、カナリーは近くにあった鉄パイプに魔力を流し、

その攻撃を受け止めようとした。

その瞬間、またもや大爆発が起きる。


廃棄都市で誘爆が起こる。大災害である。


カナリーは魔力を身に纏うことで致命傷にはなっていない。

だが、異変に気がついた。

(あれ…?私の魔力が少し減ってる…?気のせいかな?)


魔剣ノ魔女が地面を思いきり踏み込み、石の欠片が宙に舞う

その石を魔剣でバットのように打ち、こちらへ撃ち込んできた。


辛うじて躱すが、その石は弾丸のごとく、建物を何重にも貫いていた。


激しい戦闘。マナが魔剣ノ魔女の弱点を探る。

だが、全くもって見つからない。


魔剣が急激に輝きだした。

すると、カナリーの魔力が一気に減少する。


「ちょっ…!」

鉄パイプごと魔力が斬られてしまう。

その衝撃により、地面がえぐれ、地割れが起きた。


(観測結果。その1、あの魔女の魔剣は魔力の切断が可能。その2、その魔剣は魔力を吸収する性質がある。かなり厄介ですね…。)


「……」

相変わらず魔剣ノ魔女は何も喋らない。


魔剣がカナリーの魔力を急激に吸収し、魔剣に纏う魔力が強大なものとなった。


そして、魔剣を振り下ろす。

1回目に見せた横薙ぎよりも大きな光を放ち、大爆発が起きた。

その爆発は廃棄都市の廃棄物処理工場を誘爆し、連鎖的な爆発を起こした。


魔剣の魔女が言葉を発した。

「…魔力解放」

吸収されたカナリーの魔力が解放される。

魔力を解放した際の衝撃波により、カナリーの体勢が崩れる。


その瞬間を魔女は見逃さず

カナリーを穿つ一撃を放とうとする。


「これは…!本当にまずい…!」

体勢が崩れたまま防御することも避ける事も出来ない。


「マスター…!!!」


(防御…不可能、マスターの回避…間に合わない。スキル…魔力不足使用不可、選択肢、ただ一つ。)

マナがカナリーを庇い、貫かれてしまう。

背後にあった建物に大穴が開く。

そしてそのままマナの残り魔力の全てを吸収した。

マナは無言のまま吐血してしまう。


(エラー。エラー。甚大なダメージを検知。魔力枯渇状態から心魂エネルギーを奪われました。)

(防衛システム作動、シャットダウンします。)

マナの目のひし形の光が消え、目が閉じられる。


「マナ…?」


どこからか、頭の中で声がした。


制御解除(リミッターオフ)

魔剣ノ魔女

大変なことになりました。

魔剣ノ魔女戦。かつてないほどの強敵。


第33話、読んでいただきありがとうございます。

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