コード2「魔力と魔術」
第2話、魔力と魔術についてのお話
マリナと共に、朝食をともにし、
魔術学園へと入学するために、魔力の訓練を始めた。
ちなみに、朝食はマリナの作るフレンチトースト!
甘くてふわふわでとっても美味しい!
紅茶にとっても合うんだよね。
さて、魔力訓練の時間。
「カナ様、魔術士になるには魔力だけではございません。知識、技術、技能や心身の成長が必要になります。」
この世界の魔術は本に記されているものもあれば、
イメージや秘められた力により発現するとされている。
体の部位、基本的には手の甲に魔術式を書き込んでおくことで、
魔力を込めるだけで魔術式を書かなくても魔術を発動することができる。
魔術式を間違えていると、魔術は発動しない。
まるでプログラミングみたいだと感じた。
しかし、書き込める魔術式は魔力量によって変わってくる。
一般的には、片手。少し多い人で、両手、もっと多い人で足など、様々のようです。
規定量を超えると魔力暴走を起こし、魔力がたくさん漏れ出てしまいます。
マリナは既に魔術スペルを発現させている。
観測魔術〈スペル・魔視〉
能力は魔術を発動し、手を目にしばらく当てると、片目に魔術陣が展開され、
そのまま対象を見ると、魔力の流れを観測することが出来るといった具合で、
そして相手との力の差が近ければ相手の魔術が正確に分かる。というものだ。
例えで言うのであれば、モノクルのレンズの部分が魔術陣になっていて、
それが宙に浮かんでいるみたいな感じです。
「私も早く魔術、使えるようになりたいな。」
私がぼそりと呟くとマリナがフォローしてくれた。
「わたくしはカナ様の絶対的な味方であり、貴方様のメイドにございます。カナ様の頑張りで、いつか必ず魔術が使えるようになりますよ。いつでも、貴方様のそばにいます。」
マリナはとても優しい笑顔でそう伝えてくれた。単純に嬉しい。
「マリナ、いつも私のためにありがとうね。」
素直に気持ちを伝えるのは前は苦手だった。少なくとも前世ではそんな事は出来なかったから。
私達は魔力操作の訓練を始めた。体の内に魔力の己に合った形をイメージする。
すると魔力が反応し初めの方ではそのイメージが勝手に崩れる。
そのイメージを崩さないように形を保つ事で、魔力が安定する。
これを魔力のコアと呼び、そこから魔力を回路のように魔術式に流すことで魔術を発動させる。
魔力操作はとても難しいです。
マリナと一緒に魔力制御の訓練をしていると、
馬車が屋敷に来ており、中から一人の女性が出てきた。
それは姉であった。久々に姉が帰ってきたのだ。
「ただいま~!カナ!マリナ!久しぶり!元気にしてた?」
この人は、私の姉『フェニ・アステライト』私よりも2つ上の姉で、
現在17歳。彼女は魔術士であり、どこか大人っぽく、
実力派魔術士としてこの国に貢献している。
魔術士は前世で言うところの公務員と言った感じらしい。
お姉ちゃんのおかげで私たちは生きていられる。感謝してもしきれない。
お姉ちゃんが帰ってきた理由は、私をオービット魔術学園の推薦に来たからだと言っていた。
それはとても嬉しかった。でも…
それは周りから見れば私の印象はあまり良くない事だと思い、
私は辞退する旨を姉に伝えた。
「お姉ちゃん、すっごく嬉しい。でもね、私はやっぱり私の実力で魔術学校に行きたい!せっかく誘ってくれたのに、ごめんね…。」
姉は一瞬驚いた顔をしていたが、口元はにこやかにしていた。
「そう…。カナがそう言うなら仕方の無いこと。私はカナを尊重するよ。それにその考え方は素晴らしい。1人で頑張りたいって言ってくれた事、私は嬉しいし、誇らしいよ。」
私の頭を優しく撫でてくれて、とても嬉しい。
久しぶりに会えるお姉ちゃん、嬉しいなぁ…
私は、15歳になったけど、やっぱりお姉ちゃんに甘えたいみたいです。
しかし、お姉ちゃんは暫くはこの屋敷にいるらしいけど、
仕事と学業が忙しいらしく、夜には屋敷を出発しないといけないようで、
あまり一緒には居られないとの事だった。
しかし、昼の間、少しだけなら魔術としての戦い方を教えてくれるらしく、見て勉強した。
「まずは基本的な観察魔術が無いとだね。これは、相手の魔術式を見破り、どんな魔術かを己で見極める基本的な術式だよ。これが無いと魔術は語れないんだ。」
お姉ちゃんの目に魔力が集まっている。なるほど、そうやって見極めるのか。
私は見てなんとなく学んだ。マリナの〈スペル・魔視〉
とは少し違うのかなと思ったけど、
マリナの魔術とは多分違うものなんだと思う。
マリナのは恐らく、観察魔術を独自に変え、観測魔術に昇華させたものだろう。
お姉ちゃんとマリナが魔術の模擬戦を行っていた。
攻撃を先に当てた方が勝ちのルールのようで、
マリナはカウンター型だった。
お姉ちゃんは、剣に手を持ち、もう片方の手で魔術を放っている。
マリナがお姉ちゃんの攻撃をよく見ながら避け、立ち回る。
逆にお姉ちゃんは攻撃型で、どんどんと攻めていた。かなり手加減してだろうけど。
お姉ちゃんは剣と魔術を使って戦うスタイルのようで、すごくかっこいい。
マリナは華麗に躱し続け、攻撃のチャンスを伺っていた。
攻防が続き、マリナが魔力球を飛ばした。これは魔力で練った球で最初級の攻撃手段です。
お姉ちゃんは避けたり、剣で弾いたりしていた。
勝敗の結果はお姉ちゃんがマリナの逃げ道に魔力球を置き、
誘導し、剣をマリナに向け、マリナが降参したことで、お姉ちゃんが勝った。
「マリナ、立ち回りがすごく良い。相手をよく見て良く躱している。だが、躱すだけじゃダメだ。マリナは攻めが足りないかもしれない。そこを頑張って。応援しているよ。」
お姉ちゃんがマリナを褒めていた。
「フェニ様、お褒めに預かりありがとうございます。これからも精進します。学ばせていただいたこと、嬉しく思います。」
マリナが息を整えながら、お辞儀をする。
ちなみに言うと、私は未だ全く魔術を使えない。
膨大な魔力の操作が難しく、それどころではないのです。
お姉ちゃんからは、「もう少し魔力操作が出来てからだね。でも、魔力量はかなり多い。この先を期待しているよ。」
マリナが庭から屋敷に戻ろうとする。
「少し休憩にしましょうか。お茶を淹れてきますね。お二人とも少々お待ちください。」
マリナはキッチンから紅茶の茶葉と道具を持ってきた。
とくとくとカップに注いでいく。とてもいい香り。
私たちは最近の出来事やたわいないお話をたくさんした。
私とマリナは久しぶりに会ったお姉ちゃんとゆっくり過ごすことが出来ました。
ちょこっとキャラクター紹介
フェニ・アステライト
現在17歳でカナの2つ上のお姉さん。
彼女は魔術士として活躍している。