コード13「入学試験開始」
第13話
前回、魔力核について話して、マリナの心魂の様子をマナにお願いした後から
マリナの心魂については、マナに任せるとして、
私たちは、オービット魔術学園の入学試験の日を迎えた。
試験会場には、人で埋め尽くされており、多種多様な人種で溢れかえっていた。
オービット魔術学園
ロードベルト国に昔から存在する伝統的な魔術学園
在校生は何万人とおり、皆、魔術等を高めあっている。
そんな伝統的な学園の入学試験の第1試験は、
毎年違っているらしく、対策のしようがないとのこと。
試験は3つ。第1試験はランダム。第2試験は筆記試験。
第3試験は面接。ひとつひとつ通過した者が入学できるシステムである。
去年の第1試験は、マナの調べた情報によると、レース形式らしかった。
「去年の第1試験がレースって、どんなレースだったんだろう。」
トライアスロン的な、そんな感じなのかな?
「私の調べた情報によりますと、陸海空を駆け抜けるレースだったらしく、脱落者がかなりの人数だったようです。今年は、レースの可能性は低い事でしょう。」
なるほど、脱落者が多かったというのは、空の部分だろうか。
魔術を知らなければ、空も飛べないだろうに。
そんなことを考えていると、試験官が何十人もやってきた。
「入学試験に来てくれた老若男女の諸君、初めまして。オービット魔術学園への入学を希望してくれたこと、学園職員一同をあげて感謝します。我々は魔術への探求心のある者なら誰でも受け入れています。しかし、ここは魔術学園。それも国の援助を受けている由緒正しい学園です。試験も何もせず、あなた方をはいどうぞと入学させることは出来ません。魔術は人を守ってくれるものであると同時に、他者や自分自身を傷つけるものにも変わってしまいます。魔術をうまく扱い、困難に立ち向かい、一番大切なことは、一歩を踏み出す勇気を持つことです。一歩を踏み出し、ここに来てくれた事を大変嬉しく思っています。長々と聞いてくださりありがとうございます。では早速ですが、第1試験を開始します!」
会場のクリスタルから、映像魔術が映し出された。
第1試験は、迷宮攻略。時間内に、無事帰ってこれたものを第1試験通過とするものだった。
制限時間は3時間。
迷宮は試験官が何人も協力して作り出す大規模魔術であり、
亜空間に迷宮を作り出す。迷宮内は罠や認識阻害罠等で脱出妨害があり
中に魔物などは発生しない。するとしても、数日経ってからしか発生しない。
そして一人一人に位置特定の宝石が渡される。
魔術で作られた宝石であり、魔力感知で分かるらしい。
時間制限に間に合わなかった者達への救済魔道具だった。
「開始地点は、ランダムになります!これは競争ではありません。1人で行動しても良いですし、協力しながら試験を受けてもいいです。では、頑張ってください。」
試験官達が大人数で魔術を行使し始める。
「迷宮生成魔術<スペル・迷宮領域>!
対象、亜空間!」
亜空間に巨大な迷宮が生成されていく。
「あ、ランダムってことはもしかして、マナと離れ離れに…」
足元に大きな魔術陣が生成される。
「マスター、必ず探し出しま…」
受験者達が大迷宮へと転送されていった。
(くっくっく…俺の力をここで…。受験者の誰か…殺すか…。)
邪悪なる気配が受験者達に近づいていた。
入学試験、第1次試験が始まりました。
第13話、読んでいただきありがとうございます。




