コード102「ロスト」
第102話
前回、ミナリーの過去を見てから
カナリーは起きた後、表彰を受ける。
「サマーデュエル、優勝者には、魔術士ランク2アップです!それから!魔晶石の贈呈です!改めて、おめでとうございます!!」
魔晶石はかなり大きかった為、業者が運んでくれるらしい。
(これで、あの研究が進められそうです。)
マナが魔晶石を見つめながら、心の中で何かを考えていた。
色んな人に優勝したことを祝われた。
その他にも、多くの大人から声をかけられる。
インタビューなどにも押しかけられ、身動きが取れそうになかった。
遠目に、レイラが会場から出ていくのが見え、マナを連れてレイラを追いかけた。
インタビューは、フェニが代わりに請け負った。
「あ、あの…!レイラ・ティアハートさん…ですよね…?」
レイラは立ち止まり、振り向く。
その顔は、もう驚きはなく落ち着いていた。
「初めまして、ではありませんね。以前、学園長室でお会いした記憶があります。ですが、改めて、私は、レイラ・ティアハートと申します。七魔席の第Ⅱ席を務めています。」
レイラはケープを持ち上げ、優雅にお辞儀をする。
「こちらこそありがとうございます。改めて、私の名前は、カナリー・アステライトと申します。」
「私は、カナリー様の従者、マリナ・アステライトと申します。マナとお呼びください。」
レイラと共にベンチに座った。
衛星都市サテリッズは今日も賑やかだった。
祭りを楽しんだ者、祭りを盛り上げる者。
カナリーからレイラに向かって話に来たが、
先に口を開いたのはレイラからだった。
「帰って来たのかと思いましたよ。私にとっての幼馴染が。学園長室の時はメガネの調子が悪かったので、良く見えませんでしたが…ふふっ、こうして話していると声もどこか似ていますね。ミナリー・ティアハートに。」
マナはカナリーに対して、<スキル・コネクトリンク>をし、状況を把握した。
「あの子との関係性を知りたかったけど、もう大丈夫なんです。あのココロって子の能力を見た時、初めは勘違いかとも思いました。でも、あなた達の戦いを見て帰って来たのだと確信しました。すぐにどこかに飛んで行ってしまいましたけどね。」
レイラは嬉しそうに語った。
ココロはミナリーなのだと。
そして今までずっと世界を駆けまわっていたのだと。
帰って来るなら、ティアハート家に挨拶を入れて欲しかった。
会いに来て欲しかった等とも言っていた。
「それでも…またあの子が元気そうにしている姿を見れただけでも、私としてはすごく嬉しいんです。」
レイラは空に向かってそう嬉しそうに語っていた。
嬉しそうなレイラとは裏腹に、カナリーはほんの少し羨ましくなる。
カナリーはある人物の事を思い出していた。
忘れた時などはない。だけど、その人の事は後回しにしていた。
全て、マナに任せていたから。
カナリー、マナはレイラと仲良くなり、お互いに友達となった。
レイラはカナリー達よりも歳上らしい。
少し話したのち、レイラは帰っていった。
カナリーとマナがベンチに座る。
2人に物理的な間が空いている。
「ねえ、マナ。私、あんまり考えないようにしていたんだけどね…」
カナリーはぽつりぽつりと問いかける。
「マリナの事。心魂、見つかった?」
少し悲しそうにマナに問いかけた。
「マスター、報告が遅れて申し訳ございません。マリナ様の心魂は…もう」
そこまで聞くと、カナリーは顔を伏せながらマナから避けるように走り出した。
あぁ…やっぱり。もう会えないんだ。
ミナリーとレイラさんの話を聞いて羨ましいなってすごく思ってた。
まるで、私とマリナみたいだなって思ってた。
出会い方とか、全然違うけど、幼なじみという点が合致していた。
「マリナ…!マリナ…。マリナ。会いたいよ。私だって。会いたい…」
カナリーはどこかに走り去ってしまった。
マスター…違います…誤解です…!どこに…!?最後までお聞きになってください。マリナ様は…!
マスター…どこに…。
マナはカナリーを見失ったと同時に、コネクトリンクの効果が切れた。
(マスターの速度から計算して……計算不可能…。)
(行く当てから計算。未知数。)
「ロストしました。」
伝え方が悪かったのでしょうか。
どうして…。もう少し寄り添いというものが必要だったのかもしれません。
マスター、必ず伝えなくてはならないことがあります。
マナは全力演算を開始した。
レイラさんとのお話は自己紹介程度に終わり、
カナリーがマナに対してずっと気になっていたこと、
カナリーにとっての大切な幼なじみ、マリナの心魂の行方。
マナが全てを語る前に、カナリーが駆け出してしまいましたね。
第102話、読んでいただきありがとうございます。




