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ここで一旦終了ですー!
お付き合い頂きましてありがとうございました!
仕事が忙しくなり色々と内容をすっ飛ばしてしまったので…補足の話を時々上げていけたらと思ってます。。
だから、そうだ。
私はまだ、このギルベルト様の恋人や夫婦になる心積もりがないのである。
いくら感情的に好きなのだと言っても今までその現象から逃げてきた人間には「じゃあ今日から恋人!」と区切ることができない。私の中に根付いている平民の感覚がそこまで許してくれていない。
できたら一度家に帰って挨拶でもしたかったが、ギルベルト様が「一度行ったらレティは戻ってこれなくなりそうだと思うから、ダメ」と言われてしまった。
よく分かっているじゃないかと思ったが、でもその窮屈な空間に置いているのはあたなではないか!と言ってやりたいのが本音だ。
ゆっくり魔法薬を作る時間を作って、普通の勉強に打ち込むそんな時間が今の私には必要なんだと訴えたい。
「レティ、今大丈夫?」
「全然大丈夫ではないのですが、なんでしょうか」
「そろそろダンスを合わせた方が良いのではと言われてね。ほら、キミのデビュタントがもうすぐだろう」
「……ダンスとかしなくて良いと思うんですけど」
「いやだよ、レティとダンスを踊れる機会なんてそうそうないのに、ここで踊っておかなければいつになるのかな」
その爽やかな笑顔の裏が一瞬見えたような気がした。
まさか、私と踊りたいがためにダンスを組み込んだんじゃなかろうか。
確かにここまで姿勢を矯正されたらダンスを踊った時にとても綺麗に見えるのかもしれないが、だから試したいとならないのが私だ。ギルベルト様の母であるアナリア様も、あまり無理はしなくて良いと言っていたのだし、できたら会場の隅っこで突っ立って過ごしていたい。
ギルベルト様のパートナーというだけでも目立ったしまうのは目に見えている、下手なダンスをお披露目して馬鹿にされるのは避けたいものだ。
「ほら、手を取って」
「ええ、ここで踊るんですか」
今はまた姿勢の練習と称して大きなホールのような場所で永久に歩かされていた最中だったので、いくらでも踊るスペースは確保できるだろう。
でも、まだ確かではない状態で踊るなんて……。
「本当に踊るんですか」
「踊りは案外得意なんだよ、ほら」
「…………」
伸ばされた手にゆっくりと手を添えると、思うよりも暖かい手に包まれてドキリと心臓が鳴った。
グイと引っ張られて気がつくと腰へ彼の手がホールドされており、全く軸がぶれる気がしない。
「これは、ヤバイですね」
「一体何に対してのヤバイなのか教えてもらえるかな……」
「ちゃんとあなたのパートナーとして踊れそうな気がします」
「……そう」
ちらりと見えたギルベルト様の顔があまりにも嬉しそうなので、つい黙るとにこりと微笑まれた。
あまりにそれが綺麗だったので、悔しさに心が支配される。
「レティシア、もう一度聞いてもいいかな。貴方は、私の、パートナーだよね?」
「………私は、ギルベルト様、世界的有名な魔剣士のパートナーです。多分」
私がニヤリと笑うと、ギルベルト様は驚いた顔をして顔を真っ赤に染めたのだった。
長い間ありがとうございました!!
こんな長くなるとは…想像よりもキャラが勝手に走ってしまったので。。驚いております。。
お気に入り入れてくださった方、コメントくださった方、誤字修正くださった方、本当に、本当にありがとうございました!!




