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犯人が薬物中毒となると、
当時は心神喪失状態だったとかで起訴が難しくなるかも知れないが、
被害者女性たちの恨みは、俺が果たすとするかな。
社長には、「気になる証言を聞いたので、しばらく調べてみる。」
と告げて、
しばらく、張り込んでみることにした。
男の名前は、江口威男と言うらしい、
なにがイオだ、こんなやつエロ男で十分だ。
張り込んでから4日目の夜に、
エロ男のもとに、共犯者からの連絡が入った。
「おお、俺だ。
そうだな、そろそろ溜ってきたから、次の女を探すか、
分かった、来週の水曜日に決行だな。」
どうやら、次の犯行日が決まったらしい、
来週の水曜日が、やつらの年貢の納め時だな。
次の週の水曜日に、エロ男のマンションを張っていると、
黒いワンボックスカーが乗り付けた、
エロ男が乗り込むのを確認してから、
飛行魔法で追跡することにした。
車はG県を出て、隣のN県へ向かうようだ、
N県に入ると、S市の駅近くの路地に停車した。
どうやら、ここで獲物を物色するようだ、
俺は、光魔法を使って、
異世界のお姫様と、社長を参考にして、
俺が、なかなかの美女に見えるようにした。
やつらの車から見える道を、わざと通ると、
まんまと車が、後を附け始めたのが分かった。
人気がない路地に差し掛かった時、
急に車が横付けして、
車内へと引きずり込まれた。
「ぎゃははは、やったぜ!今日も上玉だったな!」
「おう!たっぷり可愛がってやるから、覚悟しとけよ!」
「ぎゃははは、怖くて、声も出ないみたいだな。」
男たちは、覆面を被っていて、
運転手を含めて4名いるようだ、
あらかじめ下調べをしていたようで、
山道を進んでいき、少し木々が開けている場所で停まった。
「おい!可愛がってやるから車から降りろ!」
俺は魔法を解いて言った。
「ああ、可愛がるのは、俺のほうだがな。」
「だっ、誰だてめぇは!」
「女は、どこいったんだ!」
『うるさい、だまれ。』
俺は、精神魔法でやつらの心を縛った。
やつらは、きゅうに喋れなくなったので、
慌てているようだ。
「全員、車から降りて、覆面を外せ。」
俺が命ずると、4人は降りて覆面を外した。
皆、20代前半ぐらいの年に見える、
この年で犯罪者となって、
残りの人生は、ろくなもんじゃないだろう。
俺は、一人づつ、住所や名前、及び今までの犯行を自供させて、
それを録音していった。
自供が終わったので、
4人に「両手を前に出せ。」と指示した。
4人は横並びで、大きく前へならえの形を取っている、
俺は、おもむろに神剣を呼び出すと、
4人の両手を切り落とした。
切り落とした瞬間に出血を魔法で止めているので、
命には別状ないが、
痛みはそのままなので、
4人は苦痛からの脂汗をダラダラ流している。
俺は治癒魔法を使って、4人の腕を元通りにしてから、
車に戻るように指示した。
なぜ、こんな面倒なことをするかと言うと、
竜崎さんとの契約で、警察に引き渡すことになっているからだ、
俺は、ナビを使って、最寄りの警察署に向かわせた。
警察に着いてから、
俺の身分確認をしてもらうと共に、4人の供述を聞いてもらった。
最初は半信半疑だった警察も、容疑者のスマホから、
被害者と見られる女性の画像が出てきたので、
本格的に調べ始めた。
後日、車の中から、被害女性の頭髪や、
自宅のパソコンからも画像が発見されて、
4人は犯人として、正式発表された。
やはり、4人からは薬物が検出されて、
犯行当時の精神状態などが鑑定されるらしいが、
結果的に法律が裁けなくても、
俺の仕込みは完了しているから問題ない。
4人は、今後、
毎晩眠るごとに、両手を切り落とされる夢を、
〈痛みを伴って〉見ることとなる、
もちろん、気が触れたり、自殺もできない、
年老いて死を迎えるときに、
「やっと楽になれる・・・」と涙することだろう。
被害女性たちは、心に傷を負って生きていくのだから、
やつらが、一生かけて罪を償うのは当然と言えるだろう。
事件後、遥さんと会って、
手段は言えないが、やつらは一生罰を受け続けると告げると、
儚げに微笑んでくれたのが、
何よりの報酬だった。
これが、今回の事件の顛末だ、
新たな事件を、お話する機会があるかも知れないが、
今回はこのへんで、じゃあ、また・・・