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電車に乗って、T県N駅で下車して、
そこからはバスで2時間程かけて、山奥のバス停に降りた。
ここからは、車が入れない山道となるので、
徒歩での移動となる、
本来は山歩きなので、それなりの装備が必要なのだろうが、
体力的に勇者補正がある俺には問題なしだ、
人の良さそうなバスの運転手さんが、
「山は危ないから、一人で登らないようにね。」と注意してくれたので、
この辺で写真を撮りに来ただけだから大丈夫と説明しておいた。
空を飛んでいけば早いのだろうが、
木々が茂っていて、見落としそうなので、
歩いて行くことにした。
まあ、魔獣が出るわけでもなく、
せいぜい、現れるとしたら熊や猪ぐらいなので、
のどかなハイキングといったところだ、
疲れ知らずの勇者体力で1時間程登ったあたりで、
反応が強くなってきたので、
注意深く探しながら進むことにした。
近辺をキョロキョロしながら歩いていると、
傾斜地の下のほうに、黒いゴミ袋が落ちているのが見えた。
探査魔法で近くに人が居ないのを確認してから、
魔法で飛んで下まで降りて、
ゴミ袋を開けてみると、
ビンゴだったようで、女物の服やスマホなどが入っていた。
足が付かないようにスマホのデータを消去したようだが、
それが俺には味方した。
データを消去する操作をしている、
犯人と見られる男の顔が、魔法で確認できたのだ、
顔さえ分かれば、俺は魔法で居場所が特定できる。
探索魔法を使うと、
犯人と見られる男はG県O市に居るようだ、
とりあえず転移魔法で自宅に帰ってから、
社長に連絡を入れた。
「もしもし社長?俺だけど、今電話大丈夫か?」
「ええ、事務所に居るから良いわよ。」
「じつは、病院を調べてから、近辺を調べていたら、
たまたま遥さんの物らしい、荷物を見つけたんだ。」
「ええ!?すごいじゃない。」
「明日、事務所に持っていくから、
一応、竜崎さんに確認してもらってくれるかな。」
「分かったわ、場合によっては、
警察に提出を求められると思うけど・・・。」
「その辺は、社長に任せるよ。」
俺は、社長との連絡を終えてから、
さっそく犯人と見られる男を調べてみるとした。
電車で最寄の駅に着いた頃には、
もう空が暗くなっていたが、
夜のほうが自宅に居る確率が高いと思うので、
丁度良いだろう。
探査魔法の反応が強くなるほうに歩いていくと、
20分ほどで大きなマンションに辿り着いた。
マンションの入り口がオートロックになっていたので、
気配消去と光学迷彩魔法で入り口横に隠れて、
住人が入っていく後に続いて、一緒に中に忍び込んだ。
魔法の反応が強くなるほうに向かっていくと、
最上階の10階の一室に辿り着いたので、
インターホンを鳴らしてみたが、中からの反応は無かった。
(おかしいな?中に居るはずなんだけどな・・・
最近、増えてるらしい、他者との接触を嫌うってヤツなのかな?)
仕方ないので、どうするか考えながら、
周りを見渡してみると、屋上に上がるらしい階段を発見したので、
上がってみることとした。
屋上への出口扉には施錠してあったが、
魔法で開錠して、屋上へと出てから、
犯人らしい男の部屋の上まで行き、
召喚獣のネズミをだして、偵察に行かせることとした。
俺は、亜空ハウスを出して、居間のモニターを使って、
ネズミから送られてくる映像を見ることにする。
ベランダの窓が開いていたので、ネズミを部屋内に進ませると、
遥さんのスマホのデータ消去をしていた男が居た。
男は目の焦点があっておらず、
ブツブツと意味不明な言葉を呟いている、
男の傍らには、何らかの薬品を溶かした皿と、
注射器が置かれていた。
「こいつ、薬物中毒なのか、道理で返事がなかった訳だぜ。」




