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第44話 解放召喚×2

 近接格闘技術そのものはクラフトの力もあって互角なのだが、向こうが単純に二メートル越え高身長の巨漢なので、すぐ気圧されて向こうが優位――いや身長差が戦力に直結するの普通に残酷なのでやめていただいても?

 身長が伸びる前の昔にやたら同級生へ言われてコンプレックス拗らせていたことを思い出して、あまりいい気分がしない。


「ッ」


 仕方なくエースのカードから一人ぶんの獣を解放召喚して盾とする。


「そのカード、複製モノリスと同じだな。余剰数の付与はできないようだが」

「だからなんだよ?」

「人質をとるとは、つくづく英雄らしくない」

「――、どいつもこいつも、そんなに偽物がお嫌いかい」

「いいや。私は貴様の柔軟な対応力には、正直驚いているのだよ。

 ナンバークラフトを使わないのはなぜか、いや使えないのではないな、紛い物のふたつを、より上位からきみの本命が抑え込んでいる」

「!」


 一度後退したナンバーは、驚いて動きを止める。

(そうか、二つのデジタライズクラフトを起動させたのは、ナンバープレイス、お前なのか……だとして)

 なぜ使用者の寿命を縮めるとわかりきった呪物ふたつの並列起動だったのか。


「なぜ貴様はそこまで戦える?」

「戦えるから、としか。

 あんたほど才に恵まれてもないけれど、パビリオンたちを切るというなら、俺はあんたを倒して、彼女らを碑郷へ連れ帰るだけだ」

「いい度胸だ、来い――」


 しかし、皇帝の挑発を受けて飛び出す瞬間、横から思わぬ邪魔が入った。


「『カレイドローン』」

「なっ――!?」


 彼女の顕現させた複数の人形が、ナンバーを襲う。

 咄嗟に捌いたナンバー、ところで向こうで拍子抜けを喰らった皇帝は、やってきたチャトランを睨みつける。


「面白いところだったというに」

「そいつを倒すのは私だ、邪魔をするなッ」

「バカなのかお前は?」


 皇帝はあまりにも率直だった。

 目が据わっているチャトランに、追いついたアナグラムともう三人は異常なものを感じる。


「小娘――今のお前では、その男には天地がひっくり返っても勝てないぞ」

「うるさいなッ!」


 すでに不敬などどうでもよいと言わんばかりに、彼女は吹っ切れていた。


「『チャトラン グランドピース』」


 次の技も端末を吐き出して使役するもの、彼女が放ったピースから生成される馬上の騎士らがナンバーへ襲いかかり、その四肢を切り裂く――はずだったが。


「ビットマテリアール獣、何処から!?」

「勘弁してくれッ」


 余剰数で構成された輩と異なり、クラフトホルダー同士の戦闘は直接攻撃がそのまま致命傷へ繋がる。

 カードから召喚されたマテリアール獣が、またしても攻撃の盾になった。

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