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陰キャサッカー(前編)

カスの学園小説を書こう

つかつかつかつか…

「ここから僕の青春が始まるのだ」

ー陰キャサッカーー

第一話陰キャサッカー(前編)


彼の名前は日京三郎

まさしく陰キャサッカーの陰キャの部分

器は小さく気は弱く。ろくでなしのクソ陰キャ、虫のような人間である

散々な言われようだが、残念ながら今作の主人公であるのだ

さて、彼は今ドアの前にいる

まさしく陰キャサッカーのサッカーの部分、サッカー部、部室のドアの前に

本日は部活動の体験入部の日

サッカー部に入る最初の段階なのであった

「…」

「恐ろしい…」

「恐ろしいんだこの僕にとって、サッカー部に入部をするこの一歩が

サッカー部の未知の陽キャ共が」

彼は虫である、虫は虫でも弱虫なのだ

尻込み尻込み怯えている

「僕…ごときが」

身の程というものはとりあえず考え得るほど下だと思っていれば知らぬことを咎められない

それが弱虫の身の程なのだ

「しかし」

「しかし僕は戦わなくてはならないのだ、辛くも苦しくもこの恐怖に打ち勝たねばならんのだ」

「すべては…そう」 

!?

何奴っ!

陽キャが現れた

廊下の向こうから

3人

宇佐原角

空間竜輝

逆又金虎

の3人である

圧倒的強者男性のオーラがありきたりな効果音であるドンを演出させた

「君…サッカー部入るのかな?」

この先にはサッカー部以外に出口すらない。逃げられないのだ

「とっ…当然ですよ。僕はそのためにここにいる」

「ふうん」

「君が」

「話変わるけどこの学校何か変じゃないか?」

「いろんな部活冷やかしてきたけどさ、何かがあるよね」

「…」

「…?いや僕は真っ直ぐここに来てて…」

………

「じゃあ今まで、ここで何をしてたのかな」

「いやぁ…えへへ」

「まぁいいか本丸だぜ」「おうよ」

ノック4回コンコンコンコン

ガチ…ゃああああ!!!

バァァァァン

金虎がノブに手をかけた瞬間ドアが内側から勢いよく開けられた

「待ってましたーーーッッッッッ」

ものすごい力でその4人は弾き飛ばされる

中からやけに顔の整った少年

羽空瑠

サッカー部の部長が現れたのだ

「…あれ」

転がった新入生を確認し、謝罪をする

「ごめんなさい、あんまりにも来ないもんだからつい…」

ニコッ!陽キャスマイルである

「センパイ、モデルやってるんじゃないすか?雑誌で見ましたよ」

竜輝がぶっこむ

陰キャだったら芸能人を見かけても迷惑だろうと声をかけないのに

「あら…バレちゃった?」

圧倒的勝ち組オーラに若干の嫉妬の念を抱きつつ、日京三郎が立ち上がる

「今日はよろしくお願いします」


………


「ようこそサッカー部へ!、

待ってたよぅ1日千秋の思いで」

「改めまして僕が、この僕がサッカー部の部長さんの羽空瑠だよ」

消し飛びそうな善人オーラである

光があれば影もあるとはよく言ったものだが、この光に影など存在しないだろう

そう思わせるだけの何かである

「そしてこれが蛾原矛、頼れるフォワードだね」「これ言うな」

「それが頼れるキーパーの蜂島盾」

「こそあど言葉で人を指すな」

どちらも早い話イケメンであり、圧倒される。毒々しい名前とは正反対の陽キャそのものであり1日に受け取る光量の致死量を浴びた気分である。

「さて、サッカー部の活動内容ですが…」

ヌルっと入ってきた彼女も陽キャ。その名も騎道緑、マネージャーである

キレイな人である

三郎はよく、自らがこのような美少女であったらなぁと羨望する。

普通の人であったならその姫君をなんとか手に入れようと艱難辛苦に立ち向かうところだが虫の自意識では好意を持つことは許されない

憧れは諦めの免罪符なのだから

さてと彼女のサッカー部の説明は…

説明はしてもいみないので割愛

「と、言うことでねサッカー部なんでサッカーをしよう」

「今からゲームをするのでグラウンドに集合してね」

羽空瑠がそう言って、スタコラサッサと外へ出る

こういうのは目上の人から出るものだ

部下は上司よりも先に帰っちゃいけないんだ

一人また一人と外へ出ていく

三郎は立ち上がっ…

「待て、お前にサッカー部は無理だ」

予期せず発せられたその声に三郎は立ちすくむ

いや、予期はしていた、していたのだが、本当の意味で予期はしていなかった

(このリンゴを食べたなら密かに中に仕込まれていた猛毒にやられ、さらにはリンゴ星人に敵認定され世界が滅んでしまうな)というような「それ」は、これよりはマシだろうと比較して現実を楽観視するためのある種の現実逃避的な予期もどきであったはずだ。

その言弾を発砲したのは

寅襖寧子

緑と同じくマネージャーである

2人きりのその教室で三郎には逃げ場がなくなった

もう殺すしか…

しかしどうだその子の風体を、まるで根暗な芋女ではないか

さては腐腐腐の腐とサッカー部でのカップリングを楽しんで、イケメンの薔薇園に僕みたいな根暗は要らないと排除しようとしているのではあるまいなと

くだらん邪推はそのぐらいにして

三郎は聞き返す

「なんでですかね」

寧子は窓、ドア、背後を順に睨見つける

何か秘密を明かしてくれるのだろうか

始めたあったこの僕に

三郎は身構える

百の最悪を今度は予期するのだ

今度は驚かないように、ここまでためた寧子に吠え面かかしてやるために

数分前

テニス部部室にて

「おっすー冷やかしに来ました〜」

例の陽キャ新入生三人組が現れる

ガサガサッ…

「あら…あらららら」

「ようこそ我らがテニス部に、何のご用でしょうか?」

何かを隠したようである

「…」「…」

「部活動見学に決まっているのでは?」

「…」「…」

「あららららそうですね、そうですね

新入生がここに来るのにそれ以外の理由などありえませんね」

怪しい…演出的にあやしい、あやしいと思うことを強いられているんだ!

この学校には何かがあると

何かが「変」であると

思わざるを得ない陽キャたちなのであった


………

寧子の話は想像を絶するものだった

    「学園内人気投票」

その言葉を聞いたとき

七色のゲーミング毛虫が体躯をらせん状に這い上がるような寒気がした

フィクションにしてもやりすぎだ。

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