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5人揃って!

暑くてダメです。

ギルド前でマッチョオヤジ戦士に呼び止められる。テンプレか?あの新人冒険者がベテランに絡まれるイベント発生か?ワクワク♪


「はい?なんでしょう」

「…」


停止して砲塔を回転させて主砲をオヤジ戦士に向けてしまう。しょうがないよね?振り向いてそっちを向こうとするとそうなるんだから…なんだかオヤジ戦士さん顔が引きつってるけど大丈夫?


「どしたー?トリー」

「いや…彼がなんか私に用があるそうで」


モードベン博士を始め他のメンバーもハッチから顔を次々に出しオヤジ戦士の方を見るけどさらに固まってしまってるね。


「な、なんでこんな魔獣が街の中に入り込んでるんだ!」

「メルカリウス冒険者ギルドのトリーと申します。以後よろしくお願いします。まあパーティーの便利な馬車兼戦闘従魔だと思っていただければ幸いです。あ、これギルド証です、どうぞ」


【収納】からギルド証を取り出して見せるとオヤジさん引ったくるように手に取りまじまじと見て。


「か、仮じゃねーか!そもそもこんなのどうせ偽造だろ!」

「…まだ冒険者になったばかりでして、なんならメルカリウスギルドに問い合わせます?それとも…貴方直々に実力を見ていただけます?」


もー朝からいろいろあって疲れてるのにー。面倒くさいなあ。さっさと終わらせて帰りたい。


「ちょっとトリー…」

「おもしれぇじゃねーか、見てやろうかテメェの実力を」

「んじゃ参りましょう、ギルド裏手に広場有りますよね?そこでお願いします」


ミミムちゃんが止めようと声をかけてくれるが一回こうゆう出来事に遭遇してみたかったんだよね♪さっさと裏手からギルドに入る。すると広場にはもう4人ほど冒険者がニヤけ顔で待ち構えてて。


「魔獣は退治されるに決まってんだろ」

「へーまあ、あなた方程度なら私一人で充分ですよ、さあ、始めましょう」


乗せてた博士やミミムちゃん達を降ろして避難させ【収納】から固い黒檀で作り直したトレーニング鳥居バーを取り出してると、肩に大きな斧を担いだオヤジ戦士が後からやって来る。オヤジ戦士が鼻で笑うがシュッシュッと棒を振り回しながらサラッと煽って返してやって。


「ふざけやがって、ぶった切ってやるっ!…ん?」


オヤジ戦士がこめかみに血管を浮かせながら斧を振り上げ猛烈な勢いで正面装甲に振り下ろす!まあ【身体強化】を重ね掛けしておいたのでガリッと表面が僅かに削れただけで止まる。


「もう終わり?コッチは素材を買い取りに持って行かなきゃならないんで、あんまり付き合う時間ないんですけど」

「こんのっ!メガスラッシュ!」

「やっちまえ!」

「ファイアーボール!」

「二段突き!」

「だああっ!」


オヤジ戦士とその仲間も打ち掛かってくる【障壁】も重ね掛けしてさらに斜めに立て、相手の技をそらすように…そんな必要なかったな、大した威力無かったよ。魔力を流してさらに硬化したトレーニングバーでガツガツと容赦無く全員ぶちのめす。


「ぐはぁっ…はあ」

「全く、どいつもこいつもわざわざスキルを叫ばないと戦えないのかよ…」

「ぶはっ…はあ…はあ、ひ、卑怯な」

「卑怯?テメエらがショボいのを棚に上げて卑怯だと!?もう良いよ、みんなまとめてふっ飛べ!」

「ちょっと!トリー、マズいって!」

「わー待てー!」


…ったく、榴弾、威力減少、目標超至近!…てぇっ!


ド!バァンン


奴らの目の前に破裂力を落とした榴弾を撃ち込んで炸裂!おー♪5人ともよく飛ぶね。そうこうしてると騒ぎを聞きつけてギルド長がやって来た。


「お前ら何やってる!」

「先輩冒険者に冒険者の心得を指南して頂きました」

「はあ?」


怒ってるみたいだけどみんな生きてるし、ほっといてさっさと素材の引き取ってもらって帰るか。再びみんなを乗せて買い取り倉庫へ、係員とログくんに確認してもらいながら…


ホワイトブルの皮を26枚

ホワイトブルの角を54本

ホワイトブルの肉を26匹分


皮と肉類は余計に貰っといて残りを全部引き取って貰った…係員さん量の多さに目を白黒させてたけどまあ良いか。


「トリーさん!」

「はい?ああ、トライトン副長。早かったですね」


呼びかけられて振り返るとトライトン有能副長、本当に早かったなーさっき連絡出したばかりなのに。


「ああ、トリーさんが帝国兵をまた捉えたって聞いたのでね、捉えた兵士はもう王城へ連行されました」

「仕事早っ!さすがトライトン副長」

「それで詳しい事を聴きたいから後でフレーブル指揮官も来ます、で、どちらに向かえばいいのかと」

「博士んとこで良いよね?モードベン博士の邸宅でお待ちしてます」

「わかった、伝えておくよ」

「はい、よろしくお願いします」


再び王城に帰っていくトライオンさんをギルドで見送って、ミミムちゃん達にお金を渡し、市場で食材と調味料、そして質の良い魔石の買い出しをお願いして一時解散。博士とアズだけ乗せてモードベン邸へ。


◇◆◇◆◇


到着ー、あーなんか疲れたぁ。博士とアズを降ろして夕食に送り出し、裏庭の馬小屋にいつものようにバックで駐車して一休み。ふう。

なんかいろいろあったなー今日も。将軍とかに呼び出されるわ王様と王女様に突撃されるわ結局空を飛ぶ事になるわ、そしたらまた帝国兵を発見するわ…予想よりこの国ってスパイまみれ?どっかの極東国みたい。…そろそろみんな帰って来るかな?取っといたホワイトブルの牛骨を【収納】から取り出して鍋に入れ【加熱】して煮込み、ゼラチンを抽出し始める。


「ただいまー、トリー買って来たよー」

「ふう、疲れたぁ」

「おなかいっぱいたん」

「ああ、みんなお疲れ様、果物だけ先に頂戴」


買い出しに行ってたミミムちゃん達がやって来る。収納ポーチからオレンジとリンゴを取り出して渡されて丁寧に皮を剥き果肉を取り出し果汁を絞る。


「何作ってるの?」

「食後のデザート、冷やして出来上がりだ」


絞った果汁と抽出したゼラチン、【炭酸添加】してガラスの器にカットした果物と一緒に注ぎ込み【冷却】固まったら生フルーツゼリーの出来上がり。ミミムちゃん達や夕飯を食べ終えてやって来る博士とアズにも配って。


「えー?スライムみたい…食べられるの?」

「あ、そうか、あははは確かに色以外はアズに似てるな。でも大丈夫だよ、食べてみて」

「んー♪美味しいよ?」

「ぺろぺろ」


最初みんな戸惑ったけど一口食べたら気に入ったみたい…アズも器用にスプーンを使って食べてる。


「お、また新しいお菓子を開発したのか?」

「いらっしゃい…お二人もどうですかー?」

「ん、頂こう」


フレーブル卿とトライトン副長がもうモードベン邸に来訪、行動が早いなぁ。二人にもフルーツゼリーの味見をお願いして。


「それでフレーブル卿、 捕まえた帝国兵達はなんか喋りましたか?」

「それが大した事は知らないようだ。どのぐらいの数の密偵が潜り混んでるのかぐらいは出て来るかと思ったが…ん?見た目はアレだが美味いな、最近暑くなったからこうゆうのはありがたい」

「そうでしたか、言ってくれれば従魔魔法で無理やり情報引き出せますけど」

「い、いや…うん、大丈夫だから。それよりこのお菓子、王女様に献上しないと…」


好評みたいで良かった、王女様にも忘れず贈らないとまた突撃されちゃたまらん!帝国兵は…任せた!


「もちろんです、あとで持って行ってくださいね?それとギルドで絡んで来た奴らですけど、アレらも密偵では?」

「は?なぜそう思う」

「いくら多人数でもこの体を見て喧嘩を売ろうって冒険者はいませんよ。もし倒せても周囲に被害が出ちゃうしギルド長からも手出し無用の通達が出てたはずです。それでも突っかかって来たって事は…」

「なるほど、奴らはギルド長が抑えてるから後で調べよう…一体どのくらい、どの様なネズミが入り込んでるのか」


うーん、フレーブル卿頭を抱えてるけど…彼はメルカリウス方面の指揮官だったから本当は王都の騎士団か憲兵か近衛兵の仕事だよね?


「まあ、密偵の炙り出しは王都の兵仕事でしょう。フレーブル卿が悩む事では無いのでは?」

「うーんまあそうなんだが…新しい街の建設の仕事もあるし、ネズミがチョロチョロされてると仕事しにくいからな。それに…陛下から正式に『トリー係』を弟と仰せつかったからな」


ニヤッと笑う指揮官殿、なんじゃそれトリー係って。


「トリー係ってなんなんですかっ!」

「まあ私が一番トリーさんと接してるからな、陛下とトリーさんの連絡係ってところだ。トリーさんがなんか巻き込まれたら私かヨークシャーが対応することになった。それにもちろん街の建設も手伝って貰うぞ!」

「あーそう来たか、はいはいお手伝いさせて頂きますよー。ところで街の建設はデロリアの湖の近くで?」

「その予定だが?」


うーん、どうなんだろ?場所的に。防御はしやすいかもしてないけど広さ的に都市を開くには足りないんじゃ無いだろうか?どうかな?まあまだ帝国がどう出るかわからないし守りを固める方を優先した方がいいか。


「そうですか、わかりました。みんなで頑張って盛り上げていきましょう!」

「うむ、よろしく頼む」


そう行って食べ終わったゼリーの器を返すフレーブル卿と副長、器を受け取って代わりに王女様向けの生フルーツゼリーの詰め合わせを渡して。


「では、また来る。そうだ!トリーさんそ空を飛べるんだって?城内大騒ぎだったけど」

「はい?ええ、さっきも飛ぶ訓練してましたし明日も飛んでメルカリウスに帰ろうかと」

「丁度良かった!便乗させてもらって良いか?」

「はい、明日朝で良ければ」

「わかった、では明日朝な」


そう言って王城へ二人は帰っていった。さて、帰る準備もしないと!


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