空を飛べるはず!
ちょっと遅くなりました。すみません
博士の背の高さでは届かないからおばあちゃんメイドさんにしゃがんでもらい、額に魔石を軽く当てて…魔石がほのかに光るとメイドさん少し眉間にシワが寄る。頭痛するのかな?
「よし、出来たぞ。これを?」
「コア魔石に連結してみます…これでどうかな?」
一度素体を止めて、体を開けてコアに加工し記憶を封じた魔石を繋げ…体を閉じる。起動!
一瞬、ブルッと震えてから素体は立ち上がり、少し戸惑うように周りを見回してたがペコリと一礼して
「こんにちは、どちらが御主人様でしょうか?」
「博士の方が良いでしょう」
「ワシじゃが」
メイドロボさんもう一度お辞儀して。
「よろしくお願い申し上げます御主人様、お名前はなんとお呼びすればよろしいでしょうか?」
「ケリー・モードベンじゃからモードベンと呼べ。お主の名前も決めておくか、ハイネの記憶からだから…ハンナで」
「かしこまりました。モードベン様。私の名前はハンナです。御命令はなんでしょう?」
「おお、良いな…んじゃあ庭の掃除でもお願いするかの」
「かしこまりました」
メイドロボ、もといメイドゴーレム・ハンナさんはその辺にあったホウキを拾って裏庭の掃き掃除を始める。うん、大丈夫そうだ。ハイネおばあちゃんはビックリしてるけど。
「ちょっと様子見なきゃいけませんがこんな感じで完成ではないでしょうか?記憶させた魔石をもっと良いものにすれば難しい事も出来るでしょうし、コピー出来れば大量生産可能です。記憶を戦士のモノにすれば戦闘ゴーレムも…」
「うむむむ…」
なんかマズかったかな?ショタ博士、メイドゴーレムさんをじーっと食い入るように見てるだけになっちゃった。まあ良いかほっといて。使った道具や材料等を【収納】して片付けて…ハイネおばあちゃんはもうお願いする事無いから館に下がって貰う。
「すごい、キッチリ庭の形に合わせてホウキを動かしてる、今までのゴーレムは庭の形も教え込まねばならんかった、成功だな!助手くん」
「は、はあ。ありがとうございます…あのー助手とは?」
「うむ!キミをワシの、このモードベン博士の助手にしてやろう!喜ぶが良い、わぁっはっはっは!」
確かに魔法と錬金術を教えて貰いにきたんだけど…まあ良いか?これから白髪のズラとグルグル瓶底メガネに白衣着て博士と卓球大会開かにゃいかんのか?
「あ、ありがとうございます…これからも御鞭撻よろしくお願いします」
「うむうむよろしくされよう、ワシにまかせなさぁい!うわぁっはっはっは」
「まあ今日はもう夜も遅いし、もう寝ませんか?」
「いやいやいやいやこれからの錬金術界の発展の為に夜通し語り合おうぞ!ゴーレムは男のロマンじゃぁ!」
マジかー、博士嬉々としてゴーレム・ハンナさんに指示して野外用の椅子とテーブル、そしてメモ用の羊皮紙とペンを持って来させる…こうゆうところヨーキー師と似てるね。
「そうそう!お主の体をまだ良く見せて貰ってなかったわ、見ても良いか?」
「あ、はいどうぞ」
メンテナンスハッチを全て開けて…よじ登る博士を【念動】で手伝って内部を見せる。白衣引っ掛けないでねー
「よーしうむうむよーし、ヨークシャーの手紙の通りじゃな…この魔法陣はなんじゃ?」
「攻撃に属性を付与する魔法陣です」
「そんな事まで出来るのか…」
あちこちペタペタ触りながら見て回る、くすぐったいー
「こっちがエーテル収集器、こっちが魔煌炉、魔力貯蔵器もあるし実際に機体を稼働させるのは魔導モーターか。でこれが制御核…確かに霊的なモノを封ずる図式が書き込まれてる」
「わかるんですか?」
「ワシを誰だと思っとる!ゴーレム製作の世界的権威、ケリー・モードベン大博士じゃぞ!」
「さすがですわ博士、世界一でごさいます」
それまで待機状態でじっとしてたハンナさんが手をカチャカチャと打ち合わせて拍手しながらヨイショしてる…ああ、ヨイショもハイネおばあさんのメイドとしてのお仕事だったのね。はあ…
「むっふっふ、そうであろうそうであろう」
「博士博士、魔煌炉とは一体なんでしょう?」
「集めたエーテルを無限の魔力に転換し半永久的に生成する最強の魔導機関だ、元はドラゴンなどの大型の魔獣の魔晶石から作り出したものだが古代人はこれ一つで大きな島を空中に飛ばしたそうだ」
「うへー凄すぎて逆に恐い」
すごいぞぉ!ラピ◯タは本当にあったんだ!じゃなくて。排気ガスも放射能も出ない便利でクリーンなエネルギーなんて逆にトンデモナイしっぺ返しが有りそう。
「古代魔法文明の遺産じゃ、生きて動いてるモノは今はもう一つも無い」
「そうなんですかー」
「うむ!これの研究が進んで量産されれば再びこの地に古代超魔法文明が蘇るのじゃー」
「んでまた暴走して文明が崩壊するのね」
博士、背中に炎が見えてるほど盛り上がってたけど…ガクン!と動きが止まりギギギと壊れた機械のように首を動かしこちらを見る。
「んな、なんでそんな事知ってるのじゃ?」
「私の元の世界もそうなる瀬戸際ですから」
そう言って原子力と核兵器の事を教えてあげると
「どこの文明でも行き過ぎ、行き詰まるものなのかのう」
「何事もほどほどです」
博士は車体から降りて手を布巾で拭きながら庭に設置された椅子に腰掛けて、何か羊皮紙に書き込みながら。
「助手くん、もう少し元の世界の事を聞かせてくれたまえ」
「ええ良いですよ、こちらも魔法や錬金術の真髄をお願いします。世界最高権威のモードベン大博士!」
「ぬっふっふっふ、なんでも聞きたまえ♪」
チョれぇ…チョロ過ぎんで博士ぇ
「それでは、魔法の初級は発動させるだけ、中級でブーストさせられるようになり…上級だと何が出来れば良いのでしょう?」
「そんな事か、上級は自分で魔法を開発出来ればそれでOKじゃ」
「は?…それだけ?博士は何か開発されたのですか?」
「ワシはゴーレム一筋じゃからゴーレム製作や修理、管理の魔法を昔より簡単便利にしたなぁ。どうじゃ、すごいだろう」
ええーそんなんで良いの?じゃあ…極小で【火】【水】【氷】【風】【土】を【同時並行詠唱】
「こんなん出来ましたけどー」
「な、5属性同時!」
発生させた魔法をフッと消して、【収納】からナイフと木片を取り出して【火属性付与】して、【ヒートナイフ】で木片をスパッと切断
「おお…武器に属性を与えられるのか、どちらも魔王とかを討伐に行く賢者とかの技じゃな」
「んじゃもう上級に?」
「うむ、上級と名乗っても良いだろう」
そんな簡単なの?まあ良いんなら良いけど。
「あ!それじゃドラゴンとかババーンと召喚しちゃうってのは?」
「それは召喚術師に習え」
「それじゃそれじゃ呪いをかけたり解呪したりとかは?」
「呪術師じゃのう」
「病気や怪我をパーっと治しちゃうの…」
「治療術師や薬師じゃな」
分野が細分化してるのねー覚えたかったらそれぞれ先生を探せって事かぁ…使えねー
「…じゃあ錬金術上級は?」
「それはこれからワシがみっちり仕込んでやる」
ジロリと睨んでくる博士。まあ自分で研究せいってほっとかれなくて良かったよ。
「そろそろ良いか?お主の元の世界の事を教えて欲しいのじゃが」
「はいはい、何から話しましょ?」
「魔法が無い世界と言ってたな、具体的にどうなんじゃ?想像もつかんのじゃが」
ガブリ寄りショタジジイ博士、研究オタクなのかな?師弟そっくりですね。
「はあ…えーっと向こうじゃ魔法がない代わりに『科学』と言っていろいろな仕組み、からくりで魔法の代わりをさせてるんです」
「からくり…?」
「ええ、ドラゴンのように大きなからくりが空を飛んで人を運んだり、城のように大きな船で大量の荷物を運んだり…私のこの戦車の体も戦争で戦い、人を効率的に殺すからくりですね。そうゆう世界です」
ハト豆な表情…大丈夫かな?思考が付いてけないみたいだけど。
「想像もつかんな」
「空を飛ぶからくりは…見せてあげますよ。私の進化ツリーの中にヘリコプターありますから」
「進化?へりこぺた?」
「ええ、魔石を消費して他の形に変化出来るんです」
「ああ、あーヨークシャーの奴も書いてあった、あれか?」
「はい、ちょっと離れてくださーい」
寝てるアズを砲塔からそっと降ろして、来たれ!地獄の黙示録!
「な…」
溜め込んだ魔石全部使っちゃった【ステータス】
[ステータス:トリー]
Name:トリー
種族:機動兵器
性別:♂
レベル:35
Type: III号L型、95式チハ、M7自走砲、【UH-1D】
HP:590/590
MP:401/425
STR:333
INT:247
DEF:383
SPD:182
LUK:36
FUEL:750/755
兵装 ロケットポッドA:7/7 B:7/7 機関銃A:1000/1000 B:1000/1000 スモークディスチャージャー:3/3 スティンガー:1/1 トレーニングバー
装備 ゴム貼り履帯、ドーザーブレード、暗視装置、トランシーバー、有刺鉄線、大型テント
魔法:修理・補給、念動、補助魔法《上級》、攻撃魔法《上級:火・水・氷・風・土・雷・聖》、回復魔法《中級》、錬金術《中級》、空間魔法《中級:収納》
技能:鑑定、周囲索敵、改造・パーツ召喚、解体《初級》、魔力感知、障壁、身体強化、同時並行詠唱、属性付与、従魔《従:キュアスライム・アズ》
耐性:耐火、耐熱、耐冷、耐衝撃、耐刃、毒無効、麻痺無効
称号:渡来人、交渉人、冒険者(仮)、中級ハンター、料理人《初級》、盗賊キラー、兵士キラー、ナイトハンター
進化ポイント:0
「これで空を飛べるのか」
「飛べますけどメッチャやかましいので明日ですね」
すごい目をキラキラさせてるけど今日はお預けね♪
説明回です、なかなか上手く描けないです




