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第一
『重瞳』
「真実、目が覚めた……ほう。良いではないか。そのまま精進したまえ。そして神に成りたまえ。そうであろう? 神はその世界に於いて全知全能なのだ。存分に籠れば善かろうや」
『祭牢』
「神足、神足」
邑は笑んでいる。撥を取らねばなるまい。
「来い、醁があるのだ」
「それは良い、吞ませろ」
醁を取り、気分良く、少し酔った。
「さあ、此奴の頭蓋を割ってくれ」
『河畔』
川は流れ人は無し、
鳥翩翩し華が咲く。
帯に仕込んだ簪と、
なけなしの絹糸を、
手にす女は顔隠し、
男愛い乎と撫でり。
衣は要らぬと開け、
心も要らぬと重ぬ。
自淮水畔嬌声数度。
『香趾』
足が張っていた。出先の駅。金属車輪の擦れる音。
昼だ。何を食べたい。出汁の香り。鰹なのか。
良いなあ。なら蕎麦か。
家の近くの蕎麦屋に入る。感じた通りの味と香りがした。




