太陽住みました
神様だって青春したい
「学校ってこんなに朝早くからやるのね…」
新しい制服に袖を通しながら、私は欠伸を噛み締めていた。
普段なら目を覚まして指を振れば太陽が昇って速攻2度寝していたのに…。
というか自分で服を着替えるなんて生まれて初めてだ。
人間はつくづく面倒な事が好きみたい。
昨日はその辺にあった森を消して適当に住居を作る予定が、凝り始めたら終わらなくなって結局太陽が昇るまでかかってしまった。
お陰で帰る家ができたからいいけど、朝から人間が家の周りでヒソヒソと五月蝿い。
人の神殿をジロジロ見るなんて不敬この上ない。天誅でも下してやろうかしら。
そんな事を考えながら家を出て学校へ向かっているとそこには瀬祢の後ろ姿。
当たり前でしょ。友達の家の近くに家を作ったんだもの。友達なら毎日一緒に学校に行かないとね。
「瀬─────」
声をかけようと思ったら瀬祢は知らない人間2人と挨拶をしている。
どうして?瀬祢の友達は私じゃないの?
フツフツと湧き上がる苛立ちを隠す素振りもなく瀬祢に近づく。
「おはよう瀬祢」
美しい黒髪をひらりと返しながら瀬祢は振り向く。
「おはようございますトリィさん」
「誰、貴女達」
なるべく冷静に声を出すつもりだったがどうしても抑えられない不快感に怒気がこもる。
「あー、貴方が今日から来る転校生?そんな怒らないでよ」
「自己紹介、する?」
明らかに好奇の目を向けてくる頭に2つお団子を付けた茶髪と、まるで男みたいな見た目のぶっきらぼうな奴。
気に入らない気に入らない。
私の瀬祢に馴れ馴れしくしないでちょうだい。
「そんな怒らないでよ。私の名前は亜夢。瀬祢の友達だよ。ほら握手でもしよ」
「…伊吹」
呆れたかのように笑いながら手を差し出してくる亜夢という女と、全く笑わない伊吹という女。
神様にそんな態度取っていい訳!?天誅よ天誅!
…ちょっと待って、今瀬祢の友達って言った?
瀬祢の友達は私じゃないの!?
私は思わず瀬祢の肩を掴んで揺さぶる。
「ねぇ瀬祢!私は友達じゃなかったの!?」
「ト、トリィちゃんも大切な友達だよ!だから2人とも友達になってくれたら嬉しいなぁ…って…!」
瀬祢は困った顔をして笑いながら揺れ続けている。
まぁ瀬祢が言うなら友達になってあげてもいいけれど。
「トリィ。瀬祢の友達。よろしく。」
2人の手を仕方なーく握り返し握手を交わす。
別にいいわ。1番は私だもの。
そんな気持ちを隠しながら私たちは学校へ向かった。
「え!亜夢のおうちはキモノが沢山あるの!?」
「まぁウチは一応呉服屋だからねぇ」
「…着付けも上手い」
学校につく頃には不信感などすっかり忘れて日本のキモノの話で盛り上がってしまった。
いいなぁ、着てみたいなぁキモノ。
話してみれば亜夢と伊吹は幼い頃からずっと一緒らしい。
瀬祢もどうやら私と一緒で去年の1年生の頃にテンコウしてきたらしい。
引っ込み思案な瀬祢に2人が話しかけたところから友好関係ができたと聞いて少し嫉妬したが、2人が悪い奴じゃない事は十分理解できたから認めてあげる。
でも1番は私なんだから。
「トリィさんは同じクラスみたいですね」
瀬祢も亜夢も伊吹も同じクラスみたい!
友達が沢山なのは良い事ね。
「じゃあ私達は先に教室に行ってるから!トリィちゃんは職員室ね!」
「またあとで」
そう言って3人は先に向かってしまった。
ひとりってつまんないなぁ。
記憶を頼りに職員室に重い足取りで向かって歩く。
でもこんなに早く3人も友達ができちゃうなんて、私やっぱり天才かも!
学校楽しみだな〜!
これから待ち受ける楽しみに胸をふくらませながら私は職員室の扉を開けたが、センセイとやらの長い話に飽き飽きして既に泣きたくなっているのだった。
やっと主要人物が全員出てきました。
話のベースは私の寝てる時に見た夢になってます。
でかイベントだけ夢に出てきたのでここからの日常パートは思いつきで書いていきます。




