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世界を救ったのは剣豪でもなく陰陽師でもなく薬師?だったんですよ!  作者: 氣愛注入


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火雷の技能

炎の武蔵が二刀を振り下ろし、武蔵が太刀と脇差で受け止めた。刃がぶつかった瞬間、炎が武蔵の腕まで噴き上がった。


「ぐっ……力まで同じかよ!」


炎の忍者が横から手裏剣を放った。小次郎が刀を走らせ、武蔵へ届く前に斬り落とした。


そのまま炎の屍将軍が鉞を薙ぎ払ったが、小次郎は鉞をかわして懐へ入り込んだ。


「瞬燕流――飛燕!」


一閃が炎の屍将軍の胴を斬り裂いた。巨体が崩れ、炎となって消えた。


炎の忍者が小次郎へ手裏剣を連続で放ち、炎の武蔵も武蔵へ再び二刀を振り下ろした。


新たな炎が立ち上り、細身の刀を持つ小次郎の姿へと変わった。


「次は私ですか!」


炎の小次郎が斬り込み、小次郎が受け流した。炎をまとった刃が触れるたびに熱が押し寄せ、袖が焦げていった。


炎の忍者が小次郎の横へ回り込み、手裏剣を放った。


小次郎は炎の小次郎の刀を弾き、迫った手裏剣を斬り落とすと、そのまま炎の忍者へ飛び込んだ。


「瞬燕流――飛燕!」


刃が炎の忍者の脇腹を斬り裂いた。


炎の忍者が後方へ退くと、炎の薬師が回復術を使い、斬られた脇腹を塞いだ。


「回復されるので、先に薬師を落とします!」


小次郎が炎の薬師へ踏み込もうとすると、炎の小次郎が斬りかかった。


小次郎はその刃を受け流して脇を抜け、炎の薬師へ飛燕を放った。


炎の薬師が次の術を使うより早く、飛燕が胴を斬り裂いた。


炎の薬師は二つに割れ、そのまま炎となって消えた。


その直後、新たな炎が女性の姿を形作った。


「私……?」


炎のナリアが、倒された炎の薬師へ蘇生術を唱えた。


「まずい!誰か詠唱を止めろ!」


小次郎が炎のナリアへ向かおうとしたが、炎の小次郎が前へ回り込み、斬撃で進路を塞いだ。


術の光が炎の薬師を包み、斬り裂かれた身体が元の姿へ戻っていった。


「クソっ!蘇生が通っちまった!」


炎の薬師が再び立ち上がった。


「くっ……復活させられましたか!」


炎の武蔵と炎の小次郎が前から斬り込み、炎の忍者が横から手裏剣を放った。


武蔵が炎の武蔵の二刀を受け止めたところへ火遁が迫った。太刀で斬り払った炎が腕へまとわりついた。


「ちくしょう!倒しても復活させられるんじゃ、いつまで経っても減らねえじゃねえか!」


炎の小次郎が飛燕を放ち、小次郎も飛燕を放った。二つの斬撃がぶつかり、炎が弾け飛んだ。


「さて、次の段階へ行きますわよ」


火雷を包む炎が青へ変わり、炎の武蔵、炎の小次郎、炎のナリア、炎の忍者、炎の薬師、炎の歌舞伎者も青い炎に包まれた。


炎の武蔵の二刀を武蔵が受け止めた瞬間、先ほどより強い熱が両腕を焼いた。


「ぐおっ!なんだこの熱は!」


炎の小次郎の刃も青く燃え、小次郎が受け流しただけで熱が刀を伝って手まで襲った。


「さっきまでとは熱が違いますね!」


「だったら、あたしが火属性を下げてあげるわね♪」


阿国が尺八を吹いた。低い音色が火雷と炎の者たちを包み、青い炎がさらに周囲の空気を熱していった。


「ちょっと、下がってないじゃない♪どうなってるのよ♪」


「無駄ですわ。戦いが続くほど、わたくしの炎は段階を上げてまいりますの。一度上がった炎は、もう下がりませんわ」


「それじゃー私の技能は効かないじゃない♪」


「あなた方が恐怖するのは、これからですわ。炎の段階は、まだまだございますのよ」


炎の忍者の青い火遁が地面を走り、武蔵と小次郎の間を割った。炎の武蔵が武蔵へ二刀を振り下ろし、炎の小次郎が小次郎へ飛燕を放った。


武蔵が二刀を受け止めた瞬間、青い炎が両腕へ噴き上がった。


「ぐっ……このまま斬り合ってたら、こっちが先に焼かれるぞ!」


「晴明さん、天狗を二体くらい出せませんか!阿国さんでも炎を下げられないなら、水で押さえるしかないと思います!」


「水術を使う間、前を空けるわけにはいきませんね」


晴明が五枚の式紙を放ち、印を結んだ。


三枚から摩天狼が飛び出し、残る二枚から天狗が現れた。


「摩天狼は前を抑えてください。天狗は私と水術を重ねます!」


三体の摩天狼が炎の武蔵、炎の小次郎、炎の忍者へ向かった。


炎の武蔵が二刀を振り下ろすと、一体の摩天狼がその腕へ食らいついた。


炎の小次郎が晴明へ踏み込もうとしたところへ二体目が飛びかかり、進路を塞いだ。


三体目は炎の忍者へ襲いかかり、手裏剣を放つ腕へ噛みついた。


二体の天狗から大量の水が放たれた。


晴明が印を結び、


「水術――蒼流波!」


正面から蒼流波が押し寄せ、左右から天狗の水術が重なった。


三方向からの激流が炎の武蔵を呑み込み、青い炎が蒸気へ変わった。炎の武蔵の身体が水流の中で崩れ、そのまま消えた。


炎の小次郎が激流の外へ抜けようと飛燕を放った。


小次郎が正面から飛燕をぶつけ、炎の小次郎を水流へ押し戻した。


そこへ天狗の水術が直撃し、炎の小次郎も蒸気を噴き上げながら形を失った。


炎のナリアが消えた炎の武蔵へ蘇生術を唱え始めた。


「また復活させる気だ!」


武蔵が炎の忍者を押し返した。


「今度は通させるな!」


二体の天狗の水術が炎のナリアへ集中した。


晴明も印を結び、


「水術――蒼流波!」


蒼流波が正面から重なり、炎のナリアを激流の中へ呑み込んだ。蘇生術が途切れ、青い炎が大量の蒸気へ変わり、その姿が崩れ消えた。


戦場から離れた場所で、きゅうすけとしん吉が熱気を避けていた。


「おいら、あんなところ絶対行きたくないぞ、毛が燃えちまう」


「俺だって嫌だよ、暑すぎるって。それよりさ……火雷が動いてる時、あいつら止まってなかったか?」


「おいらも見てたぞ。動いてなかったよ」


火雷が片手を払うと、武蔵と小次郎の足元に炎が走り、足首を囲むように足枷が現れた。


「あちちちちっ!なんだこりゃ、炎でできた足枷じゃねえか!」


「熱っ……!これでは近づけませんね!」


続けて三つの仮面が現れ、晴明、空海、ナリアの顔を覆った。


「これは……伏雷の時と同じ、封じの仮面ではありませんか!」


炎の忍者が火遁を放った。


二体の天狗が水術を放ち、迫った炎を押し返した。水と炎がぶつかり、大量の蒸気が広がった。


ワイチは火雷と炎の者たちの気の流れを追った。


火雷から扇子へ気が流れ、その先で炎が新たな人影を形作り始めていた。


「扇子に気が流れてる……やっぱりあれが関係してるのか。また何か作ろうとしてる!」


ワイチは霊杭を握り、火雷へ踏み込んだ。


青い炎の熱が押し寄せ、足を止めた。


「くそっ……近づけない!」


ワイチは霊杭を火雷へ投げたが、杭は青い炎に弾かれ、火雷の手前へ落ちた。


「ワイチさん、何をしているんですか?」


「あの扇子を持ってる手に気が集中しているので、この杭を刺したいんです。炎で近づけないし、投げても弾かれてしまうし……」


「それなら、その杭を貸してください。この弓で射ってみます!こう見えても、弓は得意なんですよ!」


ワイチは新たな霊杭を取り出し、ナリアへ渡した。


ナリアが霊杭をアルテミスの弓へ添えて弦を引くと、杭を芯に炎が生まれ、一本の炎の矢を形作った。


「あの扇子を持っている手の甲を狙ってください!」


ナリアが狙いを定め、弦を放した。


「フレイムアロー!」


霊杭を包んだ炎の矢が火雷へ飛んだ。


火雷が身を捻ったが、炎の矢は扇子を持つ手の甲へ突き刺さった。


「くっ……!」


炎が弾け、霊杭が手に残り、扇子が地面へ落ちた。形を作り始めていた炎も崩れた。


「今です!解除薬を使ってください!」


武蔵と小次郎が解除薬を使い、炎の足枷を外した。晴明、空海、ナリアも解除薬を使い、顔を覆っていた仮面を外した。


火雷の視線がナリアの持つ弓で止まった。


「その弓は……アルテミスの……」


ゴン、ゴン!


キセルを地面に叩きつけ、手に刺さった霊杭の周囲から青い炎が激しく噴き上がった。


「わたくしの娘を殺したんですね!!我が娘の弓を……よくも、よくも!殺してやる!」


火雷を包む炎が青から黄色へ変わり、炎の忍者、炎の薬師、炎の歌舞伎者を包んでいた炎も、同時に黄色へ変わった。


次回予告


阿国よ♪


黄色へと変わった火雷の炎、その熱はさらに激しさを増していくわ♪

火雷の怒りとともに、炎はさらなる段階へ♪

果たしてワイチたちは、この灼熱を乗り越えることができるのかしら♪


次回、第119話「ほむら


次回もお楽しみに♪

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