18,忘れ物
菊花は偶数日、聖奈は奇数日にパトロールをするという約束を決め、今日は14日、菊花がパトロ―ルをする日だった。
それが不運にも菊花を最悪の方向へと導いてしまう。
「今日も静かだな」
謎の陰の大量発生からとっくに数日が経っており、影が出るのも数日に1,2体。菊花は今日もこのまま何もなくパトロールが終わると思っていた。
あ・・・人がいる。こんな夜中に?しかもまだ若い子だ。
パジャマ姿の女の子が公園のブランコで座っていた。そして菊花は違和感を覚えた。
なんだろう、あの服ものすごく見たことがある。いつ見たっけ・・・今日?
菊花は嫌なことを考える。
「あ・・・有栖?」
どう見ても有栖の髪型に有栖が今日の夕方に着ていたパジャマだった。でも顔が・・・
「え・・・有栖・・・だよな?」
顔はいくつか穴が空いており、腕と足が急に泥のように形状変化した。それは到底人の成せる技ではない。
「あ・・・もうくそっ」
菊花は抵抗する間もなく、河川敷まで吹き飛ばされた。
――アタシはバカか。今日の夕方にとっくに有栖は限界そうな顔をしてたじゃないか。口ではああ言っていたけど顔は必死に助けを求めていた。明日の朝に手を打てばなんとかなるって?じゃあその日の夜はどうする。またいつもみたいにDVを受けろって?お前は受けたことないからわからないんだよ菊花。本人が、当事者がどれほど辛いか、1日の重みだってアタシらとは違うんだ。
「あぁ、全部アタシのせいだよ。もっと早く気付いてあげられなくてごめん」
陰が人に取り憑いた例はいくつもある。ただその中に取り憑いた陰のみを倒し、人間の肉体は傷つけずに救うといったものはない。倒すときは必ず人間ごとだ。
それでも
「絶対に助けてあげるよ有栖」
―――
「むー、お姉ちゃんったら1時間で帰ってくるって言ってたのに、もう2時間も経っちゃってるじゃん!」
今までこんなことなかったのに!
聖奈は神経を研ぎ澄ませ、街の空間を認識しだす。
聖奈は天然の魔法少女だからか元々人間離れしている能力が多いのだ。それに魔法少女の力も掛け合わせるともはや一種の魔法の力も凌駕する。
「あれ・・・?」
菊花の居場所を探るために使ったのだが。
「この街に魔法少女が4人?お姉ちゃんと・・・あと誰?」
有里瞬です。
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