第50話 次々に出現する下位魔物
〈炎帝軍団〉のビルを後にした俺は、電車で世田谷区のAランクダンジョンを訪れていた。
目の前に広がるフィールドは、濃い霧で先を見通すことができず、冷んやりとした空気が頬を撫でる。
以前、暴漢に襲われそうになっていた女性━━━高橋泉さんを助けたダンジョンと同じで、ここの魔物もアンデットだ。
周囲を警戒しながら慎重に進んでいると、こちらに飛来する気配を感知し、咄嗟に回避した。
すぐに視線を向けると、後方の濃い霧の中を大きな風の刃が突き進んでいた。何者かが【風魔法】を放ったようだが、姿が確認できない。
風の刃が飛来してきた方向に進むと、前方に青白く輝く魔法陣があり、そこから十体のスケルトン・ナイトが現れた。
「あれ? ここは、Aランクダンジョンだぞ? 何故、Cランクダンジョンの魔物が?」
一瞬理解できなかったが、すぐに冷静になり、スケルトン・ナイトに酷似した魔物の可能性を考える。
しかし【看破】で視たステータスは、スケルトン・ナイトのモノだった。すると、疑問が浮かび上がる。
「さっきの【風魔法】は、誰の仕業だ?」
スケルトン・ナイトは【風魔法】を所持してないし、未だに姿を見せない魔物の仕業だろう。
あっという間に、スケルトン・ナイトを全て討伐すると、足元に魔力を感知した。咄嗟に回避すると、先程までいた場所に激しく火柱が立ち昇る。
続いて足元に水が生成され、水の鎖が俺の四肢を拘束する。間髪入れず、土の投槍が多数飛来する。
力ずくで水の鎖を振り解き、短剣で土の投槍を斬り落とす。そして、再度前方に魔法陣が出現し、スケルトン・ナイト十体が追加された。
スケルトン・ナイト自体は問題ないが、これが長時間続くと話は変わる。雑魚の討伐にも体力や魔力が削られ、次々に飛来する高威力の魔法に、精神まで削られる。
あの砂漠もキツかったが、ここも上級ダンジョンに相応しい難易度だ。
降り注ぐ火球の雨や、再度飛来する風の刃を回避し、おそらく術者のいる方へ駆け出すと、ようやく捉えることができた。
白骨死体が黒いローブを纏い、先端が小さな頭蓋骨になっている杖を所持した魔物━━━リッチ。
「見つけたぞ! 死にやがれ!」
リッチの発動速度よりも速く距離を詰めて、短剣で斬り伏せる。スケルトン・ナイトの骨よりも、確かな抵抗を感じた。
「以前の短剣なら、リッチは討伐できなかったな。本当にタイミングが良かった」
『魔力が27UPしました』
『筋力が16UPしました』
『頑丈が23UPしました』
『敏捷が18UPしました』
『知力が30UPしました』
『精神が29UPしました』
『器用が18UPしました』
『幸運が18UPしました』
『【火魔法】Lv.6にUPしました』
『【水魔法】Lv.4にUPしました』
『【水魔法】Lv.5にUPしました』
『【土魔法】Lv.4にUPしました』
『【土魔法】Lv.5にUPしました』
『【風魔法】Lv.6を獲得しました』
『【火魔法強化】Lv.5にUPしました』
『【水魔法強化】Lv.6を獲得しました』
『【土魔法強化】Lv.6を獲得しました』
『【風魔法強化】Lv.6を獲得しました』
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