第20話 暴漢から女性を助ける
松明の灯りを頼りに、ボス部屋へ続く長い廊下を進んでいると、向こうから女性の嫌がる声が聞こえた。
急いで向かうと、女性を押さえつける男の姿が見えた。そして男の行動を止めもせず、卑しい笑みを浮かべて見守る、二人の男。
ただらぬ空気を感じ、慎重に声をかける。
「何をしているんですか?」
「ん? へぇ〜珍しいね。ここに他のハンターが来るなんて」
「本当だね。しかも…一人みたいだし」
「チッ、せっかくいいところだったのによぉ。なんだテメェは?」
「質問しているのは、こっちですよ。女性を押さえつけて、何をするつもりだったんですか?」
「あぁ? 俺らが何をしようが勝手だろ。だが、テメェは運が悪い。こんなところを見られたんじゃ、生かして返すわけにはいかねぇな」
押さえつけていた手を離し、こちらに向き直る男。他の二人からも、殺意がひしひしと感じられ、戦闘は避けられないようだ。
「死にやがれ!」
大柄な闘士の男が距離を詰めてきて、拳や蹴りを放つ。しかし、何故だろう。動きが遅く感じる。
「クソッ! 避けるのが上手いじゃねぇか。だったら、これならどうだ!」
拳や蹴りの速度が上がった。それでも、避けられないほどじゃない。おそらく、男が発動したのは、【身体強化】だろう。
繰り出された蹴りを躱し、【隠密】で姿を消す。
「なっ!? どこに行きや━━━」
『魔力が4UPしました』
『筋力が6UPしました』
『頑丈が5UPしました』
『敏捷が5UPしました』
『知力が4UPしました』
『精神が4UPしました』
『器用が4UPしました』
『幸運が7UPしました』
「は? 光輝が一瞬で殺られた!?」
「アイツ! 突然消えたり、現れたり…【剣士】じゃないのか!?」
狼狽える二人を見て、迎撃態勢に入る前に距離を詰める。魔法士の男に狙いを定めると、剣士の男が間に入り、大剣を受け止める。
「ぐわぁあああ!」
受け止めた長剣が男の肩にめり込む。そのまま腕を斬り落とし、激痛に喚いているところに、トドメを刺す。
「宗介まで!? こ、降参です! 命だけは、助けてください!」
俺は足を止める。これ以上戦闘の意思が無いのであれば、戦闘はここまでだ。後は外まで連れて行って、法律に委ねるしかない。
俺は女性の様子を確かめるため、男から意識を逸らすと━━━
「馬鹿がっ! 死ね! アース・ジャベリン!」
男の方へ振り返ると、土の槍が飛来していた。大剣を振るうのは間に合わない、後ろには女性もいる。
咄嗟に腕をクロスして、防御態勢をとる。土の槍が直撃したが、軽い痛みを感じる程度で済んだ。
「嘘だろ!? まともに喰らって無傷だと!」
先程の命乞いは、俺を油断させるための演技だったのか。能力値に差が無ければ、死んでいたのは、俺の方だったな。
「ま、待ってください! 今のは、ほんの冗談です! だから、命だけは━━━」
『Lv.15にUPしました』
『魔力が5UPしました』
『筋力が4UPしました』
『頑丈が4UPしました』
『敏捷が4UPしました』
『知力が5UPしました』
『精神が4UPしました』
『器用が4UPしました』
『幸運が6UPしました』
『【土魔法】Lv.3を獲得しました』
『【魔力感知】Lv.5にUPしました』
全員を殺害した後、改めて女性の様子を確認しに向かった。




