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無限成長の魂喰者〜英雄や魔物の魂を喰らい、身体能力とスキルを奪取し、英雄覇道を征く〜  作者: 無名
第3章 〈死神〉の暴動

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第44話 自己中で我儘な英雄論

 新たに獲得した称号の詳細を確認し、続いて能力値に目を向ける。


 前回確認したのは、中国のハンター集団を掃討した時だった。


 あの時は能力値が約11,000も上昇したが、今回はわずか約2,000に留まっている。


 Sランク相当の変異強化種を討伐して、この程度か。少し残念な結果だ。


 スタンピードや大規模な襲撃でもなければ、大幅な能力値上昇は期待できそうにないな。


 気持ちを切り替えて、約9,000万ほど積み上がった余剰経験値に目を向ける。


 国内にあるAランク以上のダンジョンはすべて攻略した。今後ダンジョン攻略を続けるとなれば、必然的に他国へ向かうことになる。


 しかし他国を訪れるとなると、〈死神グリム・リーパー〉のような頭のいかれた連中に絡まれる可能性もある。


 だからこそ、そういった場面を想定して、既得スキルの底上げをしておくべきだろう。


 『【土魔法】Lv.8にUPしました』


 『【風魔法】Lv.8にUPしました』


 『【雷魔法】Lv.8にUPしました』


 『【神聖魔法】Lv.8にUPしました』


 『【弱化魔法】Lv.8にUPしました』


 『【斧術】Lv.8にUPしました』


 『【弓術】Lv.8にUPしました』


 『【盾術】Lv.8にUPしました』


 『【槍術】Lv.8にUPしました』


 『【刀術】Lv.7にUPしました』


 〜

 〜

 〜


 余剰経験値を『14,208,864』残して、割り振り作業を終える。


 ステータスの確認を終えた後、この日はホテルで夕食を済ませ、自室に戻ってカーレースの映画を観たり、Huntubeで攻略配信を眺めたりして、静かに眠りについた。


♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢


 翌日。


 宿泊先のホテルをチェックアウトし、沖縄から東京へ戻った俺は、ギルド長の執務室にいた。


 「なるほど。Sランクダンジョンだけでなく、Aランクダンジョンもすべて攻略したので、他国のダンジョンに挑戦したい、と」


 「はい」


 「……結論から申し上げますと、我々は松原ハンターを他国に送り出したくありません」


 「……」


 「理由は、二つあります。一つ目は、中国のハンター集団による大規模な襲撃と同様のことが起きた際、防衛戦力として備えていただきたいからです」


 「……」


 「二つ目は、他国で松原ハンターが捕縛または襲撃された際、弱小国である我々にできることが何もないからです」


 「……」


 「どうかお願いいたします。我が国において松原ハンターは、不可欠な存在なのです。日本国民のためにも、どうかお考え直しください」


 切実な声色で、深く頭を下げるギルド長。


 しかし、その要望には応えられない。


 いつ来るかも分からない他国の襲撃に備えて身動きが取れないのは、俺には耐えられない。


 それに、国民全員を守りたいなどという英雄めいた思考は、そもそも持ち合わせていなかった。


 手の届く範囲に助けを必要としている人がいれば、迷わず手を差し伸べる。


 だが俺が最優先で守りたいのは、父さんと母さん、それだけだ。


 両親を守りたいなら日本に留まればいい——そう思われるかもしれないが、それでは俺が退屈してしまう。


 結局のところ、俺は自己中でわがままなのだろう。


 「……頭を上げてください、ギルド長」


 ギルド長はゆっくりと顔を上げ、もう答えが分かっているような弱々しい目で俺を見つめた。


 「申し訳ありません。その要望には、応えられないです。俺は、まだまだ強くなりたいので」


 「そうか……どこへ行くか、決まっているか?」


 「いえ、まだ……今思いついたのですが、中国に行こうと思います」


 「理由は?」


 「他の国は分かりませんが、中国は先の襲撃で相当な戦力を失っています。その報復として、再度日本を狙ってくる可能性がある」


 「そうだな」


 「ならば俺が中国で派手に暴れ回り、向こうの被害を拡大させれば、『これ以上やめろ』と交渉できるんじゃないですか?」


 「ふむ……松原ハンターの強さは十分承知しているが、中国の戦力を侮らない方がいい。被害を拡大するどころか、一瞬で返り討ちに遭い、日本への襲撃がさらに激化する恐れもある」


 「まぁ、その可能性もありますね。ですが俺が思いつくのはその程度ですし、仮に実行するとなったら連絡をください」


 「……」


 「では、これで失礼します。中国へ向かう際は、一度ご連絡しますので」


 「分かりました」


 ギルド長の執務室を後にした俺は、帰宅して早々に、中国へ向かう準備に取り掛かった。

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