第40話 深海の王者
海のオーガと呼ばれる巨大なサメ━━オーガ・シャークを討伐し、予め【看破】でステータスを視た時にも気になっていた、
【水中呼吸】の詳細を確認する。
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【水中呼吸】Lv.6
息継ぎ無しで、水中で呼吸が可能。
有効時間は、三時間。
器用値+6
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「マジか! このスキルがあれば窒息する心配はないし、わざわざタンクを背負う必要もないな」
有効時間が気になるところではあるが、それでも水中で長時間活動できるのは有り難い。
「フィールドが海ということは、ボス部屋でも海上、あるいは海中で戦う可能性が高い。そう考えると、このスキルはなるべくレベルを上げておいた方がいいな」
方針が固まると、すぐに氷上から海中へ飛び込む。
飛び込んだ際の水音を【異音感知】で捉えたオーガ・シャークが、勢いよく迫ってくる。
(喰らえ! 魚雷)
【雷魔法】を行使すると、雷で形成されたサメ型の魚雷が素早く海中を突き進み、オーガ・シャークへと衝突した。
途端、オーガ・シャークの全身を高威力の雷が迸る。
一瞬硬直したかと思えば、そのまま力を失ったように、ゆっくりと浮かび上がった。
すぐに泳ぎ寄り、【氷魔法】で足場を作って氷上から〈マジック・ポーチ〉へ収納する。
多少手間はかかるが、この一連の作業を繰り返しながら、【水中呼吸】のレベル上げに勤しんだ。
『魔力が16UPしました』
『筋力が16UPしました』
『頑丈が29UPしました』
『敏捷が20UPしました』
『知力が16UPしました』
『精神が29UPしました』
『器用が22UPしました』
『幸運が20UPしました』
『【水中呼吸】Lv.7にUPしました』
ここからさらにレベルを上げるとなると、オーガ・シャークを約六十匹ほど討伐しなければならないため、余剰経験値で省略させてもらう。
『【水中呼吸】Lv.8にUPしました』
『【水中呼吸】Lv.9にUPしました』
これでボスに挑む準備が整った。
しばらく海中を泳ぎ続けると、ほどなくしてボス部屋へ続く入口を発見した。
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ボス部屋へ続く構造自体は変わらなかったが、松明の灯りが一切ない。【暗視】を発動させ、暗闇の中を進んでいく。
重厚な扉を開けて中へ踏み込むと、部屋全体が海水で満たされていた。水中戦になることを直感した。
頭上から十一個の光球がゆっくりと沈んできて、目を覆いたくなるほどの眩しさで輝いたかと思えば、十体のオーガ・シャークと━━
(で、デカい……迫力が桁違いだ。某サメ映画のサメが赤ちゃんに見える。名称はメガロドン。太古に絶滅したとされる超巨大ザメと同じ名前か)
開けば三〜五メートルはあろうかという大口に、全長五十メートルを超える巨体。
真正面から挑めば、一瞬で丸呑みにされて終わりだ。
Aランクの中でも、上位に分類される難易度だろう。
そんなことを考えながらも、メガロドンから一切目を離さなかった俺は、間一髪でその噛みつきを躱す。
(あの距離が一瞬かよ!? めちゃくちゃ速い!)
地上と違って身体能力を十全には発揮できていないが、25,000を超えるステータスと【水泳】の補助があればこそ、かろうじて回避が成立した。
できることならメガロドンとの直接戦闘は避け、変異強化を促したい。
そのためにまず、メガロドンを追走するオーガ・シャークを先に片付けることにした。
メガロドンから逃げ回りながら、時折振り返っては魚雷を放ち、確実に数を減らしていく。
すると、血眼になって追いかけてきたメガロドンが急に方向転換し、オーガ・シャークの死骸を飲み込み始めた。
(よしよし!)
その隙を逃さず、残るオーガ・シャークへ立て続けに魚雷を叩き込み、
死骸を量産する。
メガロドンはそれをひとつひとつ飲み込んでいき、全て平らげた頃には、急に大人しくなった。




