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狂戦士と村とグール
男はレックスの首をかっ切り、その首を運ぶ人々に連れられ、彼らの村へと訪れた。
そして、一人の麻の服を纏う黒髪の女性に薬草を磨り潰した汁を右手に塗って貰うと、具合を確かめ外へと出ようとする。
ーーと、女性が男に腰巻きを持って来る。
言葉は通じないが、女性の優しさが戦いしか知らぬ男の心を癒す。
男は軽く会釈するとボロボロになった衣服を脱ぎ捨てて腰巻きを履き、石槍を手にして、その場を後にする。
外に出ると神に供物を捧げる人々の姿があった。
骨と皮のドラムは原始のビートを響かせ、周囲では男達が盃を交わし、老若男女問わず踊り明かしていた。
男はそれを一瞥だけすると次の戦場を目指して歩き出す。
此処に自分は相応しくない。そう言わんばかりに男は堂々と村から出ていくのであった。
ーーと途中でグールの群れと遭遇した。
その視界の先にはあの村がある。
男は石槍を握り締め直すとグール目掛けて突進して行く。