第2話「カッパの優しいお薬」
今朝もいい天気だ…
今日も双子たちと遊ぼう
なにして遊ぼうかな?
あっ、来た来た
あれ?
女の子だけだ…
僕は彼女に理由を聞いた
すると泣きそうな顔で答える
病気なんだって
熱を出して寝込んでいるんだって
どんな病気なの――?
僕が訊くと
分からない…って
涙をこぼしたから
それ以上訊くのはやめた
かわいそうだな
せっかくの夏休みなのに…
僕はお姉ちゃんに
カッパの薬を渡した
「これ、舐めてると病気治るよ
そう言って
弟くんにあげて」
カッパの薬は何にでも効くんだ
怪我でも病気でも…
飲んでも塗ってもいいのさ
「ありがとう、カッパちゃん」
お姉ちゃんは笑顔で薬を受け取った
その日、僕はお姉ちゃんと二人で遊んだ
翌日――
お姉ちゃんが一人で川に来た
また泣いてる
「ママがカッパちゃんの薬…
捨てちゃったの…」
そっか…
ママは僕のこと、知らないもんね…
パパと僕は友達だけど…
その日
僕たちは二人で遊んだ
だけど――
お姉ちゃんはさびしそうだった
僕だってさびしい…
その日の夜――
僕は川から上がって
双子たちがいる
おばあちゃんちに行った
弟くんが一人で布団に寝てた
咳をして顔が赤かった…
僕はそっと障子を開け
彼の寝てる部屋に入った
そっと彼のおでこを触ってみた
すごく熱い…
僕はカッパの薬を
持ってきた葉っぱに塗って
弟くんのおでこに貼った
「早く良くなりなよ
また三人で遊ぼうね
お大事に…」
寝ている彼にそう言って
僕は川に帰った
翌日――
双子たちが元気に川へ来た
弟くんの病気が治ったって
二人とも喜んでいる
「カッパちゃん
ありがとう」
声をそろえて二人が礼を言った
「治って良かったね
カッパの薬って良く効くだろ」
僕たちは三人で暑い夏の一日を
いっぱい遊んだんだ
僕はこの双子たちが大好きだ
今年の夏休み
二人といっしょに
もっともっと楽しい思い出をつくろう――
「あっ、そうだ
カッパちゃん、パパからのお手紙だよ
はい」
僕はお姉ちゃんから
折りたたまれた手紙を受け取った
そして
僕は震える手で
そっと開いてみた
中には――
ひと言だけ書かれていた
『ありがとう』
僕は懐かしさと感動で
胸がいっぱいになった
大人になった今でも
彼は大切な友達だ
心はあの夏のままなんだ
そう――
僕と子供たちの
楽しい夏は
始まったばかりなんだ――




