第七話
ーートーマス視点ーー
「このテントを使ってください。見張は私がします」
そう言ってファルト様がテントを差し出してきた。
「ありがとうございます」
「それでは」
やっぱり悪い人には見えないなと思いながら、みんなの方を見る。
「……とりあえず、組み立てようぜ!」
相変わらず彼に対して戦闘モードの仲間にそう声をかける。
「俺らで組み立てるから、お前は休んでろ」
「過保護だなぁ。俺はもう大丈夫だぞ?いつもの感じはどうしたんだよ」
少し煽り口調で言う。それでもみんなの仏頂面は変わらなかった。
「……とにかく、あなたは休んでて」
ファルが睨みを効かせながらそう言ってくる。
「お、おう」
あまりの気迫に気圧されつつもなんとかそう返した。やっぱり俺が気絶してから、みんなの様子がおかしい。どこか、距離を感じてしまう。
協力してテントを組み立てる四人を見ながらどこか寂しさを感じてしまった。
「テント組み立て終わったよ」
「……おう!うわ、すげえな!」
テントの外見は三人入れるかどうかの大きさなのに中は一軒家かと思うほどの広さがあった。思わず、テンションが上がってしまう。
「きっと、魔法だと思う」
リリーが顔を顰めながらそう言ってくる。いつもほわほわ笑ってるリリーでさえもこんな顔をするなんて、本当に何があったのだろうか。
「みんな、教えてくれないか?何があったのか」
「……」
俺の言葉にみんなの顔が曇った。誰も俺と目を合わそうとしてくれなかった。
「大変なことがあった中で呑気に気絶してたのは本当に悪かった。でも……」
「呑気なんかじゃない!」
「……リリー?」
「あ、ごめん……」
「……俺たちが決めたんだ。俺らが気まずくなるのは違うよな。腹括ろうぜ」
「ユリアン……そうね。全部話しましょう」
「ああ。トーマス、苦しいと思うが聞いてくれ」
「わかった」
それからファルがぽつりぽつりと話し始めた。俺は一度死んだこと。欲望を聞いて禁忌魔法を使ってもらうことにしたこと。リリーとユリアンも禁忌魔法を使われたこと。
「そう、だったのか……」
あまりのことに、うまく考えがまとまらない。
「トーマス……」
「俺、死んだんだな……悪い、今日はもう、一人にさせてくれ」
「わかったわ。みんな、外に行きましょ」
みんなが外に出た瞬間、訳のわからない感情が爆発した。自分が泣いてるのか笑ってるのか叫んでるのか何もわからなかった。




