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戦国日本を世界一豊かな国へ!  作者: わびさびわさび


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第129話【義鎮事件】

1553年(豊新7年)4月中旬 春日山城



【神童、遂に動く!対スペイン戦を決断か!?】


【スペインの横暴に神童が抗議の意!呂宗での緊張高まる!】


家族との、賑やかな朝食を終えて六郎とお転婆娘達は勉強の時間、幼い子供達は乳母に預けて、やっと静かになった処で、コーヒーを片手に朝の日課である朝刊のチェック、上記は主要紙である【越後日報】【毎朝新聞】の一面記事の見出しである。


「アラアラ。兄上も、随分思い切った記事を書きましたわね。」


「情報が、やけに早いですわ。昨日の評定で決まったばかりの話ですのに。」


「そんなの、中将様が、意図的に情報を流したに決まっております。」


日本の統一を成し遂げてから4年、江戸、名古屋、堺、仙台、広島、博多、各地の都市建設、治水、街道整備等による各地の公共事業への投資。

国策に近い形で行う、作物の生産からその作物の買取、それを食料として消費者に届けるまでを国として担う先進的農業システムによって、農業の大規模化、農業技術が発展し、その生産性が大いに向上した。


それによって、農業従事者が過半を占める労働者の所得の向上、他にも養蚕業、毛織物、牧畜業、服飾等の基幹産業が着実に成長を遂げ、領民の所得の向上に伴い、金融、飲食、住宅、旅客、出版、製紙、鉄鋼、造船等の、新たな産業も勃興期に入りつつある。


日本の経済は今、確実に成長を遂げて、高度経済成長期を迎えている訳だ。


そうすると、当然領民達の所得も増え生活に余裕が生まれる。学舎によって識字率が向上し今や日本の識字率は、8割を超えた。


知識階級の更なる増大と、領民の情報伝達、そして情報を共有する事により領民から日本国民への進歩を期待して新たに設立されたのが【越後日報】【毎朝新聞】等の新聞社だ。


新聞の発達、それが日本社会に及ぼす影響は計り知れないものになる。

嘗ては情報源が限られていた情報が、素早く正確に一般大衆の元に届けられることになる。それによって齎される大量の情報によって、政治的・宗教的議論の活発化、そして商業活動の促進される。

それは、知識が一部のエリート層に独占されていた状況を打破し、情報の民主化を齎す事となる。


将来的には、この情報の民主化が封建制、独裁政権に対する否定を生み出すきっかけであったのは、歴史の事実だ。


俺の後継者達には、是非にも民衆に否定される様な統治を行わない様に、肝に銘じて貰う必要が有る。将来的に長尾家の統治が否定されるなら、それはそれで致し方無いだろう。何処からも批判されない独裁政権など、腐るだけだからな。


それも時代の流れだ。


とはいえ、どちらの新聞社も長尾家が100%出資する御用新聞社で、どちらかと云うと長尾家の機関紙に近い感じではあるが、このひょっとして中世をやっと脱却出来たのか?って時代に贅沢を言われても困る。


暫くは、うちにとって都合の良い情報を垂れ流す情報媒体として活躍してもらう心算だ。


別に新たな新聞社の設立を許可する事を拒むつもりは無いし、寧ろそれを望む所では有るが、その設立には設立希望者の思想、信条、出身等はある程度考慮させて貰う。


情報とは強力な力だ。そんな、強力な力を、俺は安易に信用も置けぬ者に与える心算は無いからな。


日本でもやがて知識階級が台頭して、政府の情報以外を求める動きも出て来るだろう。寧ろ、それが自然で当たり前と言って良い事だが、生半可な知識しか持たぬ者が無責任な事を言う事で政府や国民を混乱させる事は避けたいし、ましてや敵対勢力の影響下に置かれなどした時は悲惨だ。


情報の扱い方如何によって、国家の存亡が決まる。そう言っていい程に、情報の扱いには慎重になるべきだと俺は思っている。



新たに設立した2社の新聞社、越後日報の編集長は義兄の長尾晴景に、毎朝新聞は大友 義鎮(よししげに任せる事にした。


義兄の晴景は、長く俺や引き籠り画伯と一緒に各書籍の出版に携わって来た人物で、日本の出版業界のパイオニアと言って良い存在である。適任と言って良いと思うのだが、もう片方の義鎮君の抜擢には、当初から幾つかの反対意見が出たものだ。


この名門大友家の元当主・義鎮君、九州から春日山城下に引っ越してきて以来、日々遊郭に通い詰めて、食事は高級料亭、競馬や競船等のギャブンルにも嵌りまくると云う典型的な放蕩生活を城下で満喫していた。


しかし、当然そんな生活が長続きする訳は無い。


この義鎮君の放蕩生活の生活費を支えるのは、大友領内の家臣であり、領民の税と為る訳だが、その豪勢な生活振りに不満が高まっていた所に、あるスキャンダルが発覚したのだ。


先の南朝との統一戦に於いて、大友家は立花道雪を大将として一万もの軍勢を援軍として四国に派遣して、四国の制圧に大いに貢献してくれたのだが、一万もの大軍の派遣は長尾家が求めた訳では無い。

元々、あの九州連合は島津の爺さんの主導の元に結成されたもので、うちからの要請では無かったのだ。


しかし、その話を聞き付けた義鎮君が、大友家による大軍の派遣を引き換えとして、

当時既に、高額な競走馬の買い付けや競馬での負けの為に、溜まりに溜まった借金の返済に充てようとしたのだ。


その溜まりに溜まった借金の総額は、なんと10万貫(100億円)大友家の一年分の年貢収入に匹敵する巨額なものであった。


戦後、義鎮君に借金の相殺を提案された財務局は当然断った。

うん。至極真当で当然の判断を貞勝はしたと思うが、それで大友家の家臣達に義鎮君の借金と、その背信行為がバレた。


怒り狂った家臣達の総意によって、義鎮君は大友家当主を解任された。


そりゃ、家臣を戦に出陣させて、その手柄で自身の借金の帳消しを目論んだんだから激怒されて当たり前だ。


義鎮君を横領や背任で訴えないだけでも、まだ温情的と云えると思う。


そして、義鎮君の弟が当主の座に就く事と成った訳だが、義鎮君が残した莫大な借金は消えず、債務の帳消しを引き換えに結局大友家も独立を諦める事と成って、新政権に加わる事と成ったのだった。


この出来事は当時、【義鎮事件】とか【馬鹿殿の変】などと呼ばれ世間を騒がせたのだが、そんな騒ぎも収まった頃に、九州軍団の軍団長となった立花道雪に連れられて、すっかりとヤツレた乞食のような服装をした義鎮君が俺を訪ねて来た。


道雪は


『本人もかなり反省しておる様です。どうか、もう一度再起の機会を与えてやって貰えませぬか?』


そう言って頭を下げてきた。


幹部の頼みを無下にすることは出来ないしまあ、俺は元々義鎮君に他意がある訳でも無いと云うか、殆ど関わっていないから、義鎮君の事はよく知らない。


それではと、軍務や政務系では今や大友の旧臣も活躍していて、色々軋轢が出るかもと思い、当時立ち上げたばかりで編集者を探していた毎朝新聞の責任者として義鎮君を抜擢する事としたわけだ。


名前:大友義鎮 男  

・統率:35/78

・武力:21/68

・知略:49/85

・政治:12/80

・器用:68/78

・魅力:39/72

適性:道楽 文筆 書画 収集 


能力を見てみても、そこそこ優秀であるし、文筆や書画も得意としているみたいだったからな。


こうして、義鎮君は名前も宗麟と改めて新たな人生のスタートを切った訳だ。


「あら、この衣装なかなかよろしいと思いませんか旦那様?」


「今日の競馬特集は、私の愛馬【雪風】が登場ですわ!」


「この、掲載小説の作者、才能が有りますわね。中将様、私が後援させて貰ってもよろしいかしら?」



この様に、最近では、大衆受けを目指して、最新ファッションを紹介したり紙面の一部で競馬や競船の情報を伝えたり、漫画、小説の掲載などを工夫して、嫁達女性陣からの支持も高い。


今や最大発行部数を誇る、義兄の越後日報を猛追する存在となっている。


まあ、頑張ってくれ。ギャンブルは程々にな。


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