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戦国日本を世界一豊かな国へ!  作者: わびさびわさび


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第125話 統一

1549年(豊新3年)7月中旬 堺御所



「ほう。この四天王寺にて、その様な事が有ったのですか……それは、何とも災難でしたな。」


「まあな。しかし、貴殿の所よりはマシであったろうよ。此度は居城を失い、城を囲まれ、さぞ難儀したであろう?出先故に、大したもてなしは出来ぬが、ゆっくりとしていってくれ。」


「今回ばかりは、城を枕に討死する覚悟で御座いましたが、御当家の御助力のお陰を持ちまして、兄弟家臣諸共、無事に生き永らえる事が出来ました。この御恩は我等兄弟、家臣一生を掛けて、右近衛大将様にお返ししていく所存で御座います。これよりは我等は長尾の忠臣、何なりとお申し付けください。何卒よろしくお願い申し上げます。」


「「「「「お願い申し上げます!!」」」」」



四天王寺での、あの惨劇より十日余りが過ぎた。


当初こそ南朝方の兵の中にも反発が見られ、素直に武装解除に応じない者達も居たが、前代未聞の親子同士の殺し合い、その真実が多くの目撃者によって語られた結果、南朝方の兵に諦観や失望、義晴、晴元等の抗戦派の中心的な指導者を失った事により厭戦気分が広がり、南朝方の最後の本拠地であった堺は、あっさりと降伏した。


そうして、事実上俺は、日本に残っていた唯一の抵抗勢力といえる南朝を降して、天下人と成った訳だが、特段何かが変わった訳では無い。


接収した堺御所にて、相も変わらずな、多忙な日々を送っている。


戦が終わったと云うのに、何がそんなに多忙かと云うと、長き戦乱で荒れ果てた畿内の復興計画が既に始まっているからだ。


というより、その復興計画は堺を包囲中に既に、橋梁建設や街道の拡張等の各街道の整備、淀川、中島川などの河川の治水事業等は始まっていた。


せっかく集めた、大軍勢を遊ばせて置くのは勿体ないからな。


そして、その畿内復興計画のメインと為るのが巨額な資金を投じて、この堺に建設される事が決まった、巨大な海城の建設計画である。


海城うみじろとは、文字通りの海に面して建てられた城のことで、勿論、海に面した城の為に、海水を利用して防御力を高める事も期待できるが、俺の期待する海城の効果としては経済面に期待する所が大きい。


海上交通の要衝であるこの堺に造られる城内には、大型の帆船も係留可能な巨大な港と多数の倉庫群を建設予定で、国内外から多くの船が来航する国際交易都市・堺の中心となる予定となっている。


春日山城で山城を、江戸、名古屋で平城を造って来たと為れば、次は海城だよな!

海に浮かぶ城とか、見栄えも良いし、想像するだけで心躍わ!


言っておくが、この築城は俺の趣味では無い、あくまでも戦乱で疲弊した畿内の住民に対しての救済的な意味合いの強い経済対策だ。


判っているとは思うが、その辺は誤解無い様にお願いする。


そもそも増税にて、その費用を賄うのではなく、長尾家が行う交易やら金融、海運などの各種事業によって稼いだ銭を、この様な公共事業に投資していくのだ、その投資が、畿内の民に齎す経済効果は計り知れないものとなる。


この工事を請け負う主体となるのは、村上組……おっと、今やすっかり建設集団として名を挙げつつ有る奥州軍だ。プロフェッショナルな彼等ならきっと素晴らしい城を築き上げてくれるだろう。


完成が、楽しみである。ウキウキが止まらん。


「新様、なにやら愉し気な様子ですが、御客人に失礼ですわ。」


むっ。いかんいかん、思考が海城の方に飛んでいってたか……


美雪の呼びかけで現実に戻って来た。


「それは、失礼致した。少し考え事に没頭してしまったようだ。」


現在の俺が多忙な最大の要因、それは此度の戦で活躍した長尾家の家臣達ばかりか、長尾方で参戦した各地の大名、国人領主だけでなく、敗れた南朝側の大名、国人領主、畿内の有力者、商人まで、未だ後を絶たない、俺への面会依頼をこなさなければならないからだ。


統治者として必要な事とは云えど、その数は1000を優に超える。ここ数日で300人程と面談しているが、まだ半分を超えていないと為ると、些かうんざりとするのも致し方ないというものだ。


現在、俺と面談しているの者達は、


「いえいえ。天下人とも為れば、考えねばならぬ事も多いでしょう。我等の事は、お気になさらず。」


そう爽やかに応える穏やかそうな若者は三好長慶(ながよし)、そう史実において畿内の大部分を掌握して、織田政権に先立つ統一政権の先駆的な存在である三好政権を打ち立て【日本の副王】と呼ばれた英傑である。


本日は先だっての、戦で南朝方に城を包囲されて窮地に陥っていた所を、凪が率いる瀬戸内水軍と九州勢、土佐勢による南朝方への急襲に助けられた事への礼を述べに、凪に連れられて三人の弟達と側近、松永久秀と共に、この堺までやって来たのだ。



名前:三好長慶 男  

・統率:82/93

・武力:68/78

・知略:83/90

・政治:87/95

・器用:75/82

・魅力:72/82

適性:政務 外交 指揮 風雅 


名前:三好 実休( じっきゅう) 男  

・統率:71/83

・武力:60/79

・知略:72/86

・政治:61/88

・器用:74/85

・魅力:68/80

適性:政務 指揮 数奇者 


名前:安宅あたぎ 冬康ふゆやす 男  

・統率:65/82

・武力:57/80

・知略:50/77

・政治:55/72

・器用:71/78

・魅力:65/77

適性:水軍 指揮 仁将 


名前:十河そごう) 一存かずまさ) 男  

・統率:60/85

・武力:65/95

・知略:35/72

・政治:9/65

・器用:60/70

・魅力:69/85

適性:槍 指揮 勇猛


名前:松永 久秀 男  

・統率:82/87

・武力:61/67

・知略:89/96

・政治:81/91

・器用:75/85

・魅力:70/81

適性:政務 外交 策謀 辣腕 梟雄



三好長慶と3人の弟達、梟雄・松永久秀、その能力は流石と言っていいものだった。


長慶さんは、今すぐにでも何処かの軍団長を任せても大丈夫な能力であるし、実直そうな次男の実休君は軍務でも政務でも活躍出来る逸材、良く日焼けした人の良さそうな、三男の冬康君には是非とも水軍に入って頂きたい。末っ子のやんちゃそうな少年は、後世で「鬼十河」と称えられた猛将だ、まだ15歳と若いが、その将来に期待だ。


そして、人の良さそうな笑顔を浮かべる中年の男が、後世でも梟雄として悪評の高い松永久秀、あくまで俺の経験上の話で有るが、こんな感じで人の良さそうなオーラをを放っている奴ほど、曲者が多く信用ならない。


かといって、その能力はなんとも捨て難い程に優秀だ。


ノッブが3度裏切った久秀を、3度目までも許そうとしたのは、こいつの優秀な能力を惜しんでの事なんだろうな。


中々に使い処に迷う人材であるが、軍の指揮を任せるよりは、やはり参謀局なんかで悪巧みに勤しんで貰うのが良いだろうな。


何はともあれ、三好兄弟も久秀も長尾家への仕官を希望している。何時まで経っても人材不足なうちにとっては有難い話だ。


是非頑張って貰いたい。


「そう言って、貰えると助かる。暑さで喉の渇きも有ろう。茶を用意しているから、楽にして寛いでいってくれ。」


「心遣いありがとうございます。有り難く頂戴致します。」


合図を送ると隣室で控えていた、俺の4人の近習達が膳を運んでくる。

近習の役割は、武家社会において、主君の側近くに仕え、身の回りの世話や様々な業務をこなす事だ。要領の良い隆景君や出来人君はこういった業務も無難にこなしているが、武骨な義弘君はまだぎこちない。まぁ、そのうち慣れるだろ。


因みに、永世近習トップの美雪さんは、俺の横でデンと構えている。彼女の性格上、怖くてそんな業務はとても任せられない。


トラブルを起こす未来しかみえんわ。


今日振る舞うのは、台湾東部で生産に成功したコーヒー豆を焙煎した珈琲と、茶請けには、俺が長尾領内で展開している洋菓子チェーン越後堂の高級クッキーだ。


どちらも、この時代の日本人には馴染の薄い新しい食べ物だ。


俺は、影響力の強い有力者を招き持て成すときは、なるべく珍しく、売りたい物を振る舞う様にしている。その方が喜ばれる事も確かだが、何よりも影響力の強い有力者に振る舞う事は、何よりの新製品の宣伝になるからな。


「これはかたじけな………………ぃいいい!?」


近習に礼を述べようとした、長慶さんが奇声を挙げる。


ん?そうか、長慶さんは元南朝方だから、顔を知っていても不思議は無いか……


「…………貴方様は…………何故、此処に?」


「ふむ。筑前守殿、お久し振りに御座るな。此度は、我が父がご迷惑をお掛けした様で申し訳無かった。」


そう言いながら、頭を下げる屈強な身体つきの少年


「公方様!…………こちらこそ、御無礼を致しました!!」


「筑前守殿、そう畏まらないで頂きたい。私は、今や殿に仕える誇り高き近習の一人で御座います。筑前守殿も、殿に仕える事に為ると聞きました。さすれば、私の上司か同僚と成りましょう。もう少し気さくに接して頂けると助かります。」


「………は、はぁ。」


新たに俺が4人目の近習として採用したのは、室町幕府の第13代征夷大将軍・足利義輝君、先の惨劇で重傷を負った義輝君だが、近くに舞ちゃんが控えていた事と、足利家伝来の家宝の大鎧を着込んでいた事、そして切り付けた義晴の剣の腕がそれ程でも無かったのか、義晴にも親子の情が僅かに残っていたのか判らぬが、大量の流血にも関わらず、その傷はそれ程深くは無かった事が幸いし、義輝君は一命を取り留める事が出来た。


まあ、十日で普通に歩ける程まで回復する、その体力は異常だと思う。


目覚めた、義輝君は父を自ら手に掛け、死ぬつもりだった自分が生き延びた事を悔やみ、自死を望んだ。


そんな落ち込む義輝君を、なんとか説得したのは俺だ


話を聞くと、どうやら義輝君は、


俺が新たな時代を日ノ本に築き上げるのには、足利を始めとする旧勢力は、その邪魔にしかならない。日ノ本の為には旧勢力の代表、足利は自分も含め綺麗さっぱりと消え去るべき。


そう、考えていた様だ。


それは、一面から見れば真実ではあるが、俺は新たな時代を築くに当たって、古きもの全てを否定して切り捨てる心算など無い。


全ての伝統や歴史を切り捨てて成立した国家など、薄っぺらい砂上に造られた国家と為り兼ねない。


南朝方の旧勢力が、義輝君が新政権に居れば安心する事、もし旧勢力が暴発するならそのブレーキ役として期待している事など、俺の思惑も含めて、その辺りの事を懇々と義輝君に伝えた。


義輝君、ガチ泣きしながらも同意してくれて良かった。


こうして、義輝君は全ての官位を朝廷に返上した上で、ゼロから長尾家に仕える事と成ったのだ。


新たな、SS武将ゲットだぜ!




さて、問題は未だ山積みとはいえ


やっと、日本の統一を成し遂げる事が叶った。


疲れたわぁ~~。少し休みが欲しい処だが…………無理だよなぁぁ。。


これで、南朝との日本統一戦は終わりです。


どうしようかと思いましたが、結局、義輝君は近習の座に収まりました。

賛否は有るでしょうが、作者的には生き延びて欲しいと思いましたので、アンチ足利の方が居ましたらご勘弁くださいませ。


次話から、少し時代を進めて、内政の話やら、本格的に海外進出する話に成っていきます。


なんか、最近急に拙作のなろうでのPVが増えて来たんですが、何かあったのでしょうか?

作者的には謎ですが、嬉しい事です。

此処まで、お付き合い応援ありがとうございました!


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