第百話
1548年(豊新2年)10月初旬 周防山口 大内氏館
戦国時代の最盛期には、西国の京と称された大内氏の本拠地である山口、その整然と区画された街並みは、その規模、絢爛さ、そして繁栄において、まさに西国の覇者であった大内家の城下として相応しい、西国における文化と経済の中心として、比類なき輝きを放っていた。
そんな山口の北東に大内家の栄華を象徴するような、絢爛豪華な大内氏の居館である大内館が鎮座している。
色鮮やかな陣羽織が並び、香木の匂いが漂う大内館内、謁見の間。
しかし、その華やかさとは裏腹に、多くの者が固唾を飲んで上座を見つめていた。交わされる視線は少なく、時折聞こえる衣擦れの音が、静寂を破る唯一の音。
現在、様々な宝物が飾られた豪華な謁見の間は、重々しい雰囲気に包まれていた。
「殿! よくぞお越しくださいました。ご無事の到着、何よりにございます。」
「殿、遠路のご足労、誠に恐縮でございます。殿の御着、この定満心より歓迎いたします。」
「神童と名高き御方のご尊顔を拝し、感無量にございます。某、安芸国人領主が一人、毛利元就と申しまする。以後、お見知りおき願いまする。」
そんな、重々しい空気の中、嘗て歴代の大内家当主のみが座る事を許された、上座に座る俺に声を掛けるのは、今回の戦で長尾軍の先遣隊の大将として派遣していた、
北国軍軍長・武田晴信と参謀局副局長・宇佐美定満、そして初顔合わせとなる一見すると好々爺に見える爺さんが、あの謀神として後世でも知られた中国地方の覇者・毛利元就だ。
いやさ、この人達って、俺は先遣隊として5千の兵を安芸に送っただけなんだけど。
『安芸より。大内家中に圧力を掛けろ。』と言ったのも、
精々大内家中や配下の国衆に揺さぶりを掛けられらラッキー位の気持ちで言ったのよ。
大内家の攻略は俺が本体を率いて、長門に上陸してから本格的にと、考えていたんだが……
それが、俺が北国軍1万5千を率いて長門に上陸しようかという頃には、山口は陥落し大内は長尾に全面降伏してるとか……先遣隊の意味とか、ちゃんと理解してる?
この人達、優秀過ぎんか!
現に、今し方見た元就爺さんのステがヤバイ
名前:毛利元就 男
・統率:97/97
・武力:79/85
・知略:100/100
・政治:91/95
・器用:82/85
・魅力:82/88
適性:深謀 政務 軍略 掌握
流石、【謀神】としか言えない様な高スペック、軍団長を任せるも良し
参謀局でその智を生かしても良し、政務局に放り込んで地獄を見て貰うも良し、
こう優秀だと選択肢が多くて配属先にも迷うな。
まぁ、追々考えていくか。
「晴信、定満、実に見事な働きで有った!そして、毛利殿、その方の見事な働き振りも両名より聞き及んでおる。その働きに感謝致す。当家にて毛利家を厚遇する事を約束しよう。」
「「はっ!!」」
「このたびの働き、殿にご評価いただき、光栄に存じます。これよりも、我が毛利は殿の御為に、万策をを尽くし長尾家に貢献していく所存にございます。どうぞ良しなに頼みまする。」
こちらこそ、良しなに~~♪
いやさ、謀神に超有能な3兄弟まで付いてくんのよ?
そら、テンション上がりますわ
元就の背後に緊張した面持ちで控えている、三人の兄弟を見ると
名前:毛利隆元 男
・統率:75/82
・武力:63/65
・知略:75/77
・政治:85/92
・器用:78/79
・魅力:82/87
適性:政務 財務 人望
名前:吉川 元春 男
・統率:71/96
・武力:78/94
・知略:65/85
・政治:28/69
・器用:79/83
・魅力:70/78
適性:軍略 槍 勇猛 不退転
名前:小早川 隆景 男
・統率:55/92
・武力:45/79
・知略:72/96
・政治:28/93
・器用:75/88
・魅力:72/90
適性:軍略 水軍 政務 賢人
うんうん。政の隆元に武の元春、そして智の隆景って、3人共ビックリする程優秀じゃぁないですか!
間違い無く、将来は長尾家の幹部候補生ですな。
これから、励んでくれよ!
「ところで元就殿、奥方のお加減は如何か?必要ならば舞ちゃ……舞殿を、また其方に派遣するが?」
「はっ。お陰様を持ちまして、日に日に回復致しまして、今では庭を歩き回れる程までにも、回復致しておりまする。この元就、老い先短きこの命なれど、殿と舞殿への大恩を返す為に精進致していく所存で御座いまする。」
「奥方が快方に向かわれたなら、それが何よりだ。これからも期待している。頼むぞ。」
さてと、現在この広間に居並ぶは、生え抜き家臣だけではない。長尾方で参戦し戦功を期待する各地の国人領主たち、そして広間の隅でどんよりとした重い空気を放つっている、敗者となった大内家の重臣たちだ。
先ずは、此方側に付いて戦った国人領主一人一人と話していく。
今後の待遇とか、恩賞の話とかいろいろあるのだ。
メンドイけど、しゃあない。
そんな国人衆達の中にも、かなりのビッグネームが存在していた。
名前:龍造寺隆信 男
・統率:65/83
・武力:75/87
・知略:67/77
・政治:17/52
・器用:70/80
・魅力:72/90
適性:怪力 強運
まるでガキ大将の様な巨漢の若者は、史実では【五州二島の大守】と呼ばれた九州3強の一角、その風貌と情け容赦無い性格から【肥前の熊】と恐れられた男だ。
この戦では、肥前の国人領主を纏め上げて大内領の筑前豊前に攻め込んで、博多まで陥落させる大きな手柄を挙げている。
このプーさん、恩賞では珍しい物を、要求してきやがった。
龍造寺家を直臣として取り立てる事と、大海を渡れる船、そして新大陸到達への支援だ。
フフフ。先頃、可成に発行させた【南方見聞録】その効果が、早速現れている。
もうすぐ、日本に大航海時代がやって来るかもな。
勿論、オッケーだ。
一刻も早く新大陸を目指して、その航路を開拓してくれ。
次は隆信とは対照的な小柄と言うより、完全なお子様は
名前:長宗我部 弥三郎 男
・統率:35/92
・武力:75/89
・知略:67/95
・政治:38/92
・器用:65/89
・魅力:65/89
適性:軍略 政務 槍 出来人
見た目こそ可愛らしい女子の様に見える、この子のステ-タスも中々にエグかった。この子【土佐の出来人】こと、四国の覇者・長曾我部元親君だよな?
能力に隙の無い万能型、この能力なら軍団長でも宰相でも無難にこなせそうだ。
流石、土佐の出来人君だ。
出来人君が言うには、人質となる為に態々土佐から参戦して来たらしい。
長曾我部家としては、長尾の直臣希望の様で、うちの信頼を得る為に態々嫡男の出来人君を送って来た様だが
「基本、うちは人質は取らん。」
と断ったら
「このまま帰れば…きっと父上からキツイ折檻が…」
と、泣かれた。
なんか嘘くさいが…まぁ、そこまで言うならいいか
そろそろ、今の近習達も卒業だ。
新たな近習を育てていくのも良いかもな。
他にも、肥前・平戸城主・松浦 隆信、三城城主・大村 純忠、日之江城主・有馬 晴純、筑前の古処山城主・秋月 文種、周防蓮華山城主・椙杜 隆康等、多くの大小の国人領主達が長尾家の直臣に成る事を希望した。
肥前の国人領主が多いのは、肥前が台湾・呂宗との交易を通じて長尾家の経済圏に、取り込まれつつ有るからだ。
それに現在、好景気に沸く長尾領、長尾家に仕える家臣や領民達の年収は年々上がっている。下手な大名よりも稼いでいる家臣が多くいるのだ。
長尾領と他領の経済格差も広がるばかりで、正式な統計など存在しない時代の為に正確な数字は不明であるが、政務局の試算によると長尾領の領民と他領の領民との収入格差は2倍〜8倍程は有るとの事だ。
当然、他領の領民からすると、長尾家による統治を求める者は多くなる。
長尾家の勢力拡大により貨幣経済が浸透しはじめ、戦乱の時代が終焉を迎えつつある今、国人領主としても命を掛けてまで先祖伝来の土地を護り独立を維持するよりも、巨大な勢力の勢力下に入り家を残す方が、命の危険も少なく、経済的メリットもでかいと云う訳だ。
問題は、うちの受け入れ体制が整って居ないって事だ…
受け入れ過ぎると、また春日山城が地獄と化す。
景綱からも『くれぐれも、、ご自重くださいませ!』
と、しつこい位に念押しされたし…程々にしておこう。
さてと、残すはあちらの、どんよりとした集団だけだな
俺に、此処まで手間を掛けさせてくれたケジメを
しっかりと付けさせて貰うとしようか。




