27話 覚悟と役目
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町に戻った俺は四天王を呼び出す。戦いを始める前に、四天王とアグラーに聞いておきたい事があった。
「というわけで、皆がどう思っているのかを聞きたい」
集まった四天王に俺がそう聞くと、皆は困惑している様だった。
「どう思っているとは?」
「復讐を協力するかどうかだ。今、クリスとファムにはポチを連れて魔獣を集めて貰っている。魔獣を使って、王都を襲う。兵士連中は魔獣を相手にするのに精いっぱいで、城の警備が薄くなる。城には俺が単身で乗り込む。そこで勇者を無力化する」
「無力化? 殺すわけじゃないのか?」
「あぁ。あいつには、勇者として死んでもらう必要がある。俺が殺しては意味がない」
俺がそう言うと、アグラー達は意味が分からないと言った顔をしていた。
「詳しく話してくれないか?」
「あぁ。生き残った人間の、憎悪のはけ口に使わせてもらうさ」
「憎悪?」
「国王が……、勇者が現れなければ、魔王の逆鱗に触れなかった。人間というものは誰かに責任を押し付けたがる。その責任を、勇者と国王に受けて貰おうと思ってな」
俺の考えをアグラーに説明すると、四天王も皆頷いていた。
「で? 魔獣を使う以上、俺達は必要ないのか?」
ヴルカーノは複雑そうに言ってくる。
「必要さ。魔獣に追われている人間を一か所に集めて欲しい。決して殺さないように。魔獣に殺されるのは仕方がいけどな」
そう。魔獣に殺されるのは良いとしても、魔族に殺させるのは良くない。
「エルヴァン。どうして、人間を一か所に集めるの?」
カスカータが不思議そうに聞いてくる。
「奴隷にする為さ。魔族は何の落ち度もなく村を襲われた。なかには殺されたものもいるだろう? もしかしたら、奴隷として売られているかもしれない。同じ事をしてやるのさ」
あの国を落としたら、この国は魔族の国になる予定だ。
しかし、この村にいる魔族だけでは国は回らない。国を回すためには全世界の魔族を集めなければいけない。
「どうしても、魔族達だけでは手が回らない。そのために人間に奴隷になってもらって働かすんだよ。とはいえ、奴隷というのは鬱憤もたまってくるだろう? そのための勇者様さ」
「で。四天王は協力するのか? しないのだったら、それでもかまわない。俺一人でどうとでもするさ」
「俺は協力する。アグラー様の言い分も分かるが、俺は妻を殺されている。俺も復讐したい一人さ」
ヴルカーノはそう言って、立ち上がる。
「ヴルカーノ?」
ヴルカーノは俺を一度見た後、他の四天王に目線を移す。そして、溜息を吐き。
「俺達も覚悟を決めるべきじゃないのか? 俺達の甘さが、魔族が洞窟に追いやられるといった結果になった。エルヴァン。今だから言うが、お前以外はいつでも殺せた。いや、クリスちゃんも殺せないかな。しかし、あの勇者はいつでも殺せた」
殺せた……か。そりゃ、そうだろうな。ヴルカーノとは一度戦った事があるが、本当に強かった。マシューでは逆立ちしても勝てやしない。
ヴルカーノが自分の気持ちを話す事で、他の四天王も戦う気持ちになってくれたようだ。ただ、アグラーはまだ迷っているようだ。
「アグラー」
「済まんな。元魔王が、こんな意気地なしで……」
「いや。アグラーはそのままでいてくれ。汚れは俺がやる。あんたにはちゃんと役目があるさ」
「役目?」
「あぁ。それは全て終わった後に話すさ……さてと」
俺は、腰を上げ戦いに行くために家を出る。四天王も俺に続く。
町を出ると、クリスとファムが魔獣の群れを連れていた。
「エル。準備が出来た」
魔獣達はポチに従っているようだ。俺には威嚇しているようだが、ポチが一睨みで黙らせる。
「さて……。ポチ、王都ではめいいっぱい暴れていいからな」
俺がそう言うと、ポチは嬉しそうに尻尾を振る。
さて、国を終わらせに行こうか……。
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