自己肯定感って大事です
結局、1番の山場はエイグだった。
アミラも候補だったのだが、お姫様なので今回のには参戦してないしな。
その後は8人を乗り越えてもういけるだろという余裕から自然に立ち回れた。
慢心はいけないが、余裕がないと何事も上手くいかない。
ギリギリでやったことは、その時は上手くいっても次はない。
「わかりますよね?」
「……はい」
俺は慢心した結果。
全員を倒し終わった後にレインの魔法に撃ち落されたのだ。
オーシリアの機転で落下しこそ免れたものの、背中から落ちた。
痛かった。
「いや、でも、ルールで終わりって……」
「戦いにルールは?」
「ございません……」
「そうですよね?」
なんで俺こんなに怒られてるんだっけ?
俺1人で頑張ったのになぁ。
「まぁまぁ、リブレ君は頑張ってたじゃないか。そこは評価してあげてもいいんじゃないかな」
「そうだよね!」
見かねたキラからフォローが入る。
「そこは否定してません。ただ、普段なら普通に避けれるはずの魔法に当たって落ちるとかしていることを責めてるんです」
「あ、そうだよね。ごめんね」
キラ弱!
「とにかく、油断しないようにしてくださいね?」
「はい……」
「よし! じゃあ、この話はここまでですね。よく頑張りました!」
プンプンモードから一転。
ニコニコしだしたレインが頭を撫でてくれる。
なにその変わり身。
「本当にどうなることかと思いましたけど、結局1人で切り抜けちゃうんですもん。やっぱりリブレさんは凄いです!」
べた褒め。
さっきのがあるので微妙なとこだが、こうして自己肯定感を高めてくれるのは本当にいいな。
彼女として実は最高なのでは?
「リブレ君、みんながアドバイスが欲しいって言ってるよ」
「え?」
振り返ると、今回参加した全員が目の前に並んでいた。
改めてみるとマジで凄い数だな。
「アドバイスって、なんの?」
「全部じゃないかな。周りで見てた僕らからも後で言うけど、とりあえずはやってた本人からがいいかなって」
うーん。
アドバイスねぇ……。
「じゃあ、まず周りにいた人たちから。エイグの指示で下がったのは良かったんだけど。魔法が単調すぎたな。一応、牽制にはなってたけど、1方向、多くても2方向からしか魔法が飛んでこないんじゃ、対応が楽だ。直接俺と戦っている人の援護のためにも俺の正面から魔法を当てるとか、俺の動きの幅を狭めるようなのが良かったな」
ちなみにこいつらは主力組を全員無力化した後、バインドでふんじばっておいた。
誰も抜け出せなかったのでそれでゲームセット。
からのレインに撃ち落されたのである。
「なるほど……」
「えっと、次は俺と戦ってた人たちだけど。多分だけど、先に打ち合わせといて、俺のステッド・ファストを抜けられるようにしてた?」
エイグを見ると、頷いている。
「めちゃくちゃ良かった。ある情報は使っていかないとな。俺も全員に抜けられた時はさすがに焦った。凄い連携だったぞ」
皆の顔が明るくなる。
あれは本当にビビったしな。
「だが、ここからはダメ出しだ」




