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8日目


 月曜日。



 わたしは誰もいない教室で金魚の口の動きを観察したあと、隣の席の音がするのを待っていた。


 けれど、チャイムが鳴っても椅子が動く事はなく、終には放課後になっても微動だにしなかった。



 田中くんは休みだった。



 わたしに対する答えを知りたかったのに。わたしへの答えを。


 もしかしたら明日も来ないかもしれない。そんな想像をすると余計に胸が苦しくなった。嫌われたら嫌われたで早く知りたい。そもそも好かれているという前提で考えている自意識過剰さにより呼吸が苦しくなった。


 空の机を見続けた授業は終わり、わたしは図書館に向かう事にした。



 右を曲がるはずのところを真っ直ぐ行ったり、田中くんのうなじしか見ていなかった自分の愚かさに悩みながらも何とかたどり着いた。



 無機質なオブジェクトが遠くからでも確認できたために見つける事ができた。わたしは少しデザインに感謝する事にした。



 が、入り口には休館のお知らせ。毎週月曜は休館の様だ。



 このなんとも言えない感情をどこにぶつければいいのか、家に着いたわたしは宿題を済ませながら必死に考えた。



 今日が終わる前になんとかしたかった。昨日の続きをしてみようか。浅い知識と拙い手つきで発散できるのか、病気のデメリットもあるし。マユミはした事あるのかな。みんなはしてるのかな。田中くんは。



 明日は来てくれるかな。



 明日も休みだったらしてみよう。全ては田中くん次第。



 また、少し熱くなるのを感じたわたしは布団を握り締めながら波に耐えていた。

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