襲撃
サクっと襲撃します。
「ここまで陸地から離れればいいかの」
ドレッドノートに戻った翌日、動き出した船を上空で監視していた。
「じゃあそろそろ行くか?」
「うむ。作戦じゃがの……まぁそんなに難しいことは言わんが、全員殺さずに捕らえてくれ」
「殺さなくていいのか?」
「聞きたいこともあるし、あやつらはちゃんとシルフィアに戻ってから裁く」
まあ俺も殺さないほうが正直助かる。
人を殺したことはないしな……
「突入は俺とイゼリアの2人で?」
イゼリアに話を振る。
「そうですね。マコトさんと私でまず甲板を制圧。その後はマコトさんが船室1階と2階を制圧。私は倒した敵を捕縛しつつ後詰で行きます」
「了解」
「わらわはドレッドノートに待機して制圧終了後に尋問するかの……マコト、相手の人数はどのくらいじゃ?」
「え~っと……」
気配を探る。
「34人だな」
「ふむ。その全員をドレッドノートに収容できるかの?」
「空いてる倉庫があるからそこにつっこんどけば大丈夫だろ。仮に捕縛が解けても俺が許可しない限り扉は開かないし、ここの扉は剣で切りつけようが壊れないしな」
「なら安心じゃな。そうそう、倒す際にあやつらのリーダーを確認しておいてはくれんか?」
「あいよ」
「それじゃあ行動開始じゃ!」
ドレッドノートを船から1メートルほど横に離した地点で並走させる。
「準備はいいか、イゼリア?」
「はい」
イゼリアは捕縛用の手かせと足かせが入った袋を肩から提げている。
「……それ持とうか?」
「いえ、大丈夫です」
ニッコリ。
「……わかった。マリー俺たちが出たらすぐにハッチを閉めろよ?」
「了解じゃ」
「それじゃあ行くぞ……ハッチオープン!」
軽い音を立ててハッチが空く。
「跳ぶぞ!」
「はい!」
イゼリアと一緒に甲板に跳ぶ。
着地後背後でハッチが閉まる音がした。
「よし」
周囲を見渡す。
甲板には23人。みな一様に驚いた様子だ。
そりゃいきなりなんもないところから男女が現れればそうなるよな。
「俺は船尾のほう、イゼリアは船首ほうを制圧!やるぞ!!」
「はい!!」
イゼリアと別れ船尾の敵を制圧する。
「『エアバレット』!」
目に付いた6人をエアバレットで昏倒させる。
「ふん!や!とうっ!!」
マストや物の影に隠れている3人を殴って昏倒させる。
「おりゃっ!!!」
慌てて俺に切りかかろうとしてきた4人をまとめて蹴りで吹き飛ばす。
「えい」
蹴られて唯一意識があった男の腹に一発入れて船尾側制圧完了。
「イゼリア手伝う……」
イゼリアのほうを見る。
「……までもないみたいですね」
イゼリアは10人を倒し終わり、すでに捕縛に入っていた。
「マコトさ~ん!船内をよろしくお願いしま~す!!」
「はいよ~!」
扉を開けて船内へ。
「うおぉぉ!」
入った瞬間に男が切りかかってくる。
「甘い!」
切りかかってきた腕を掴み、床に背負い投げ。
「がはっ!う……」
仰向けで倒れた腹にワンパンチ。
「こいつもよろしく~」
今倒した相手を甲板に放り投げる。
船内を進む。
なんかみんな下の階に逃げてるっぽいな。
1階ではほかの人間に遭遇できず、下の階へ降りて行く。
倉庫のような場所にほかの10人は武器を持って集まっていた。
「おまえは何者だ!?」
一番奥にいる男が俺に話しかけてきた。
あいつがリーダーかな?
「シルフィア王の命でおまえたちを捕まえに来た」
「あのガキの手下か!?ちくしょう!おまえら、あいつを殺せ!!」
命令してるしリーダー決定。
「「「「わぁぁぁぁ!!!」」」」
一気に襲い掛かってくる男たち。
「『エアバレット』」
はい。壊滅。
「終わりましたか?早いですね」
うしろからイゼリアが声をかけてきた。
「おう。イゼリアのほうも終わったのか?」
「はい。あとはここにいる人間を捕縛して終わりです」
「手伝うよ」
「お願いします」
イゼリアから手かせと足かせを受け取り、男たちを拘束していく。
「ああ、イゼリア。こいつがリーダーだ」
奥に倒れているやつを拘束しながらイゼリアに報告する。
「では、その男を除いて全員倉庫に入れましょうか」
「了解」
古代魔法で男たちを持ち上げ、甲板まで運ぶ。
「ハッチオープン」
ドレッドノートのハッチを開ける。
「もう終わったのか?早いのう」
マリーがハッチの奥で驚いている。
「とりあえずこいつら倉庫に入れるから、念のためマリーはそのあいだ部屋に鍵かけて篭っててくれ」
「了解じゃ」
マリーは自室い向かっていった。
「じゃあ俺はこいつら運ぶから、イゼリアは倉庫の前で番を頼む」
「わかりました」
イゼリアがドレッドノートに戻ったのを確認して、男たちを古代魔法で倉庫まで運んだ。
しかし、気絶した男たちが宙を漂いながら倉庫に運ばれていくさまは、異様だ。
「はい。これで終了。マリ~もうでてきていいぞ~!」
「今行く~!」
上からマリーが降りてくる。
「こやつがリーダーか?」
「そう」
リーダーの男を指差して確認する。
「おい、起きよ」
マリーがリーダーの頬を叩いて起こす。
「うっ……き、きさまは!?」
気がついたリーダーはマリーの顔を見て驚愕した。
「気がついたようじゃのう。お主に聞きたいことがある」
「誰がきさまなんぞに話すか!!」
男はマリーを怒鳴りつけてそっぽを向いた。
「そうかそうか……」
マリーが陰湿な顔で男を見ながら微笑む。
「マコト、こやつを尋問するのに風呂場を使わせてもらうぞ」
「別にいいけど、なんで風呂場?」
「あそこなら多少汚れてもすぐに洗い流せるからのう……」
マリーがもっと陰湿な笑顔をした。
この子ちょっと怖いわ。
「……あんまり汚すなよ?」
「善処する。マコトはドレッドノートを全速力で王都まで飛ばしてくれ」
「了解」
「うむ。ではまたあとでの……イゼリア、行くぞ」
「はい」
マリーは男を引きずるイゼリアとともに風呂場に消えた。
「……とりあえずブリッジに行くか」
俺はブリッジにあがった。
「きょうじゅうにはつくでしょ?」
「たぶんな」
「これで、おしごとおわり?」
「わからんけど、もう面倒くさいことはないだろ」
「よかったね」
「ああ」
「ぼくは、はやくみしゃちゃんたちにあいたい」
「そのためにも超特急で帰るぞアスール」
「うん!」
「進路、王都シルファリオ。高度5000。速度1000。ドレッドノート発進!」
「ごー!だね!!」
お土産はなに買っていこうかな……
そしてサクっと帰ります。




